ダーティ・レディ




突然だが、ノイエは鷲士に恋をした。
彼女の場合思い込んだら後は速い。煮え切らない鷲士に対して、実力行使に出ることに・・・
鷲士は気が動転していた。ノイエに呼び出されて、教室にやって来たのだが、なんといきなり彼女が服を脱ぎ出したのだ!
月明かりに照らされた彼女の裸身はそりゃ−もう美しかった。豊かな双丘、くびれたウエスト、なだらかな曲線を描くヒップへのライン、そして・・・・・はっ!
「ノ、ノイエっ、いきなりなにするのっ!」
思わず見とれていた鷲士だったが、あわてて後ろを向いた。顔は真っ赤っかである。さすがは自他ともに認める純情青年といったところか(笑)
「シュージ・・・わたし、あなたを愛してしまったの!だから・・・抱いてっ!」
なんとも直線的な感情表現である。おもい〜こんだ〜ら、の世界であろう。
「いやっ、あのっ、でもっ、僕にはゆうちゃんがいるし美沙ちゃんや樫緒君だって面倒みなきゃならないし美貴ちゃんは浮気はダメっていうしそりゃノイエは綺麗だと思うけどなんかあとがこわいし自分は大切にしないとおばあさまが悲しむとおもうしルイーゼだってどう思うかわかんないし・・・(以下略)」
鷲士は混乱して、自分がなにをしゃべっているのかもわかっていないようだ。
「そんなのなんのカンケーもないわっ!わたしはあなたが好きだから、こうしてるだけっ!・・・だからシュージ・・・あなたなら・・・いいのよ・・・?」
そういってノイエは鷲士に抱きついた!ひろい背中に、なんともいえない心地よい感触をおぼえて固まってしまう鷲士。
(ああ、なんかふにゅうとしてはにゃ〜として水蜜桃とかマシュマロとかいわゆるそんな感じが〜)
鷲士の身体から力が抜けていくのを察し、ノイエはほくそえんだ。
(フッ、これで落ちたわね)
鷲士の理性の糸が音をたてて切れようとしたその瞬間!
「ちょ〜っと待たんか〜いっ!!!!!」
という凄まじい大音声とともに姿をあらわす美女一人(なぜか衣服はびしょ濡れで、所々が破けていた)。
そう、しゅ〜くんラヴ(はあと)のパイオニア、麻当美貴さまその人である。
「み、美貴ちゃん!?どーしてここに・・・?」
美貴にたずねる鷲士の顔は死人よりも真っ青であった。
「そんなことはどーでもいいっ!は・や・く・しゅーくんからはなれろっ、この陰険女っ!!」
そういってノイエを無理やりひっぺがす。
「くっ、明日の朝まではグッスリだと思ってたのに・・・・さすがはユーキの一族、生命力はゴキブリなみねっ!」
悔しそうに歯噛みするノイエ。
「誰がゴキブリ並みよ、失礼ねっ!睡眠薬入りのコーヒー飲まされて、ロープで縛られてプールに沈められたぐらいなら、だれでも脱出できるわよっ!」
と美貴。・・・引田天○か、あんたは・・・。
もはや鷲士の事を無視して熱い火花を散らす美女二人。そこではダース○イダーでも恐れをなすほどの、暗黒のフォース渦巻く罵詈雑言の嵐が吹き荒れていた。
「はん、そんなうすっぺらい身体でなにができるっていうの?わたしなら○○○や×××とか、ともかく彼の望むことなら、なんだってできるわ!」
「な、なんだって〜!?わたしのどこがうすっぺらだ!ちょっと自分の方がでかいからっていばるんじゃないわよ!どーせ君のなんか、すぐに垂れてくるんだからさっ!」
「キーッ!いってはならないことを〜。こーの洗濯板女が〜っ!」
・・・・聞くに堪えない争いを繰り広げる二人を背に、鷲士は逃げ出した。なんで僕がこんな目に〜と涙を流しながら・・・・モテル男はつらいね、このっ!(笑)
九頭竜を修めた鷲士すら恐れさせた、ノイエと美貴の血戦は明け方近くまで続いたとゆう。
これより以後、相模大のキャンパスに鷲士の悲鳴が聞こえない日はなかったとか・・・・・合掌。



ノイエ・シュライヒャー。一介の女子大生でありながら、草刈鷲士と出会ったことにより、無敵の恋する乙女となってしまう恐るべき女性!
人は彼女のことを手段を選ばない女・・・ダーティ・レディと呼ぶ!