そのご。





 遠坂に連れられ、教会へ。
 なんでもそこの神父が聖杯戦争の管理人らしく、マスターさんになったら名乗り出る必要があるとか。
 まぁ、なんでサーヴァントがこんなにちっこいのか聞くって目的もあったんだけど。
 でも、奴は開口一番言いました。
「すまん。聖杯、壊しちゃった。てへ」
「やっぱりあんたかぁっ!」
 にこやかに告白した言峰の首を絞める遠坂。
「聖杯が壊れたことを知らず、あるいは気にせず、聖杯戦争を始めてしまったマスター達。
 そのせいで召喚されたサーヴァントは瓶詰めサイズで、しかも威力の大きな宝具はまともに使えないと言うヘタレっぷり。魔力供給が無くても現界出来るのだが、しかしやっぱり意味はない。
 聖杯の復旧のため、サーヴァント達は協力することになっちゃいましたとサー」
 遠坂の手からぬるりと逃れ、説明口調で言峰。
 その似非神父の頭に、俺は渾身のハリセンを叩き付けた。
「あんたのせいだろうがきっぱりと!」
「過去を振り返るのは良くないぞ衛宮士郎」
「む。全ての元凶の貴方が何を言うのですか」
 セイバーの非難に、
「そうだそうだ」
 慎二が同調する。…ん?慎二?
「なんであんたがいるのよ、慎二」
「何故って、僕も聖杯戦争の参加者だからだよ。
 ほら、僕のサーヴァントのライダー」
「……」
 無言で一礼するライダー。
 髪が長いなー、と思いながら見てたらなんか視線があった。
「よろしくな、ライダー」
 や、と手を振ったらライダーも照れたように手を振り返す。
 ああ、和むなぁ。
「む、シロウ。あれは敵なのですよ。少し馴れ馴れしいです」
 セイバーはちょっとばかりむっとした表情。
 苦笑しつつ指先で軽く頭を撫でれば、
「こ、こんな事でごまかされるとでも」
 慌ててる慌ててる。うん、和む和む。
 ところで、だ。
「何をしてるんだ、慎二?」
「うん?マイハニーのベストショットを狙っているに決まってるじゃないか」
 ベストショットって、超ローアングルからかよ。うっわぁ、凄いことするなこいつ。
 勇者だ。間違いなくこいつは勇者だ。
 だがしかし。
「……」
 遠坂は無言で勇者を思いきり蹴飛ばした。
 当然のように慎二は吹っ飛び、その吹っ飛んだ先で慎二は蹴飛ばされた頬を撫でながら、嫌な――本当に嫌な表情を浮かべた。
「何すんだよ、いきなり蹴るだなんて・・・!」
 立ち上がり、挑発する。
「せっかちだなぁ遠坂は!そんなに我慢できなかったのかい?
 ほらほらさぁさぁ遠慮はいらないよ、僕を嬲ってくれ蔑んでくれそして力の限り踏んでくれハァハァハァハァ」
「ひゃぁぁぁぁぁ!?」
「ははは、これは良い見せ物だな」
「ことみねぇぇぇ!」
 ニヤニヤと観察しながら麻婆豆腐をかっ喰らう言峰。
 そこらにガンドをまき散らしながら暴れまくる遠坂。
 目をキラキラさせながら踏んでくれと懇願する慎二。
 ――地獄絵図だ。
 それらを一瞥した後、俺は空を見上げた。
 ………魔術師って一体何なんだろう?
「衛宮くん!悟った顔してないで助けなさいよー!」
 だが断る。