そのきゅう。





「――――!」
「■■■■!」
 獣と、そして狂戦士――バーサーカーのサーヴァントの咆吼が交差する。
「――――――!」
「■■■■■■!」
 獣の爪は戦士の肌を剔り、戦士の剣は獣をねじ伏せる。
 倒れ伏す音。
 力つきた獣はその漆黒の体躯を大地に抱擁され、それを狂戦士は無言で見つめた。
 荘厳な風景?そう言えるかも知れない。
 しかしそのサイズが少し微妙。
 狂戦士の身長は20pほどだし、獣といってもまだ子猫。尻尾がゆらゆら動いているあたり、どうやらただ単に疲れて寝ているだけらしい。
 そう、ここは衛宮家の庭。
 ついぞ最近住み着いた黒猫と壮絶な死闘――猫にとってはじゃれついていただけとも言う――を繰り広げ、引き分けと相成ったバーサーカーを見下ろし、イリヤはぽつりと呟いた。
「バーサーカーは、よわいね」
「■■■■■!?」