そのにじゅう。






「■■■■!」
 咆吼が響く。
 断続的に発せられる音は、振るわれた剣がソレを切り裂く音だ。
 その音は途絶えることなく奏でられ、生命体だったモノをただの肉片に変えていく。
「■■■!」
 咆吼が、止まる。
 足下に転がるのは分断された肉と骨。
 それを見下ろし、バーサーカーは歓喜に打ち震えた。
 そのバーサーカーの足下に転がっているソレを、士郎は皿に並べていく。
 白菜、ニンジン、豆腐に白ねぎ。しいたけ、春菊も忘れずに。
 そして主役は鮭と鳥もも肉(骨付き)のぶつ切り。
「さんきゅ、バーサーカー。お前のおかげで準備が楽だったよ」
 今日のバーサーカーさんのお仕事は、鍋の準備のお手伝い。お疲れさまでした。