そのさんじゅうはち。
えーと、ライダーです。
「機体の材質とかは竜牙兵の技術応用でどうにかなるわね」
「動力は私の出番ね。宝石魔術はお手の物だから」
「変形機構とかなら解析から逆算できるけど、動力ばかりは頼らなきゃいけないしな。助かるよ、遠坂」
「高度な宝石魔術の知識が必要ですからね。私からも礼を言いましょう」
「こればかりは我の宝具だけではどうしようもないからな」
「込める魔力と資金ならあたしにまかせてねっ!」
最近士郎さんとキャスター、セイバー、ギルガメッシュに遠坂凛、そしてイリヤスフィールの仲が良いです。
なんだか仲間はずれな気がしてちょっとションボリしてしまいます。
あ、士郎さんがこっちを向きました。
ちょっとドキドキです。
ですが。
「おーい言峰、これ見てくれよ」
「ふむ?」
……用があるのは私ではなかったみたいです。ちぇ。
でも何か嫌な予感です。
………
「面白い、私も協力しよう、というかさせろ!」
……ああっ!私を差し置いて言峰を仲間にするなんて!
いいですよーだ。寂しくなんかないですよーだ!
体育座りしていじけてやるんです。ふんだふんだ。
でもちょっと気になるのは仕方ないですよね。
ちら。
あ、なんだか話が盛り上がってますね。
「えー!いきなりそれ!?」
「でもあれなら魔獣とか幻獣の精神体付与でなんとかなるんだよ。
その手段も、ちゃーんと考えてあるぞ。
ライダー、ちょっとこっちに来てくれー」
わ、お呼びがかかりました。
仕方ないですね。話を聞いてあげます。いそいそ。
「………なんですか?」
「あのさ。ライダーに頼みがあるんだけど」
頼りにされちゃいました。でも少し溜息まじりに答えます。
「はぁ……仕方ないですね」
「ありがとうな、ライダー!」
わわ、頭を撫でられてしまいました。
ほにゃー、となりそうです。でも我慢我慢。
私はくーるなおとなのおんななんですから、そうそう嬉しそうにしちゃいけません。
ほにゃ。
あ、駄目ですやっぱり。顔が緩んじゃいました。
「ライダー?」
「な、何でもないですよ?
それで、お願いってなんですか?」
問えば、士郎さんが満面の笑みを浮かべつつ差し出したのは――
「こんなの考えてるんだけどさ、協力してもらえるかな?」
魔導機械の設計書。
えーと、獣型の魔導機械が6体ですか。
ふむふむ、それに剣の属性を付与?
それが核となる魔導機械に合体?凄いこと考えますね。
でも。
「……なんですかこれ?」
「アーチャー、完全に参っちゃって。何とかしようって事になって。その薬、かな」
凛さんが苦笑しながら言って、キャスターが満面の笑みで言い切りました。
「つまり、神話級の概念武装よ!」
凄い自信ですね。
「それでさ。ライダーには、こいつらに精神体を付与して欲しいんだ。
ほら、ぺがさすちゃんみたいにさ」
むむむ、これは大仕事ですね。
でもでも成功しちゃったら、
「ライダー、ずっと俺の側にいてくれないか」
「そんな、駄目です、士郎さん……。貴方にはもっと相応しい人が……」
「俺にはお前が必要なんだ!」
こんな展開もアリですよね、えへへへへー。
そんなこんなで冬木の魔術師とサーヴァントが一丸となって、凄い概念武装を作ることになったのです。