不安だったので
じんね はじめ
不安だったので、
その底しれぬ穴に雪を落としてみた。
どんどん雪を落としていくと、
かすかな水音が聞こえてきた。
た
ぽ
ん
・
た
ぽ
ん
水音は、じきに湿ったみぞれの
潰れる音にかわっていった。
べ
し
ゃ
・
べ
し
ゃ
意外に穴は浅かったのかもしれない、
湿った雪があいまいな光をはなって
近づいてきた。
湿った雪は茶色にそまっている。
泥水でもたまっていたのだろうか。
だまされたような気になって、
さらに雪をかぶせて踏み固めた。
ぎ
ゅ
っ
・
ぎ
ゅ
っ
ふと、雪の下のことを思った。
穴でなくなってしまった穴。
水でなくなってしまった水。
雪でなくなってしまった雪。
・
・
・
・
・
・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
なぜだか怖くなって、
僕は、逃げだした。
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