八月の唄

 

水野 ひかる

 
 
硝子のイヤリングが

首筋で
 
ゆれている
 
窓のそとは
 

 

 



 
椅子は
 
静かにかたちを保ちながら

待っている
 
何度も
 
イヤリングに触れては

迷っている









八月の雨は

恋を

不燃焼にする

壁に懸けた額のなか

なつかしい夏が

きらめいて
   



















願いが

音もなく

砕け散っている





  


       


初出:(『しけんきゅう』131号1998年11月発行) 
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