不連続な風景

 

浜崎美景

時間のカードを置きちがえたら
別れた女友達と
明日逢っていたりする
そんなにも沢山の
〈しるし〉が積まれていて

古びたカードである地理をさまようと
〈今〉の人たち、通行人たちも
過去の舗道を夕陽を浴びてゆき交った
舗道には、昔のボクの影が落ちていた
積雪のように重なったカードの下で

あの人も積み重ねたカードをもっていて
樹木のように繁る
不連続な時間の地理が
降り積った風景として見える
ボクはその中へさまよいに行く

交換できるカードはあるのだろうか
言葉がさし出されているのだ
きっと、同じ星の下に照らされたら
そこにあなたのカードの都市が見えるたろう
都市と都市をつなぐ幻の運河も。

  
 
 
    

初出:「しけんきゅう」139号 (2002年12月1日発行)