さや まりほ
カラにはカラの役目があるんだ
心のカラをぶち破れ なんて
誰がそんな無責任なこと言ったの
これは処世術だけど
カラを持ったまま カラを持ってないふりをする手もあるよ
うまくいきゃあ 誰もが君に無防備になって
そりゃあもう 天下御免だね
ま、今の君には無理だろうし もちろん僕にもできない
大切なのは なぜカラが存在するかってこと
壊されるためだけのものじゃないよ
だいいち カラを壊したからって
中から光り輝くモノが飛び出すわけじゃない
やみくもに壊したら
その中にあるものが グチャグチャになっちゃうじゃないか
壊すためには (壊れるためには)
タイミングが必要さ
卵の中のゾルっぽいやつも
ヒヨコになれば いやでも飛び出したくなるさ
植物の種だって 芽を出したくなる時があるものさ
その <時> を知らない人の言うことなんか ほっときゃいいよ
その <時> を作ってくれる人なら 僕も世話になりたいね
で、鳥や木の表面にも やっぱりカラがある
いつかひび割れて
タマシイが抜け出して 新しいカラの中に入るんだ
たぶんきっと
僕たちの心も 同じことをくりかえしているんだろうね
輪廻転生なんて
きっと
生きたままで 心の中で起こっているんだ
だから 選ばれた人だけに
最後のひび割れの後 何かものすごいことが起こるんだ
僕たちの肉体が 本当に滅ぶときってあるよね
その後のことは知らないけど (情報はすごい!)
信じられるものに めぐりあえたらいいね
もしかしたら
この世のすべてのものに カラがあるのかもしれない
有機物も無機物も だからもしかしたら <時間> さえも……
なんだか
この宇宙全体がとてつもなく大きくて透明なカラに
包まれているような気がしてきた
……カラがあるなら やっぱり壊れて出ていくのかな……
これは後で考えることにして
できれば僕たちの日常は 自然にひび割れていけたらいいね