Dちゃんは絵が好きだった
さや まりほ
Dちゃんは絵が好きだった
Dちゃんは目が見えない
絵は広い世界のエッセンスだと教えられ
何とか絵のことを知りたいと思った
Dちゃんは目が見えないから
手で触れ ほおずりしてみた
新しい世界の予感がした
音が聞こえると じゃまになるので
Dちゃんは何も聞かないことにした
Dちゃんの世界は広がった
ある時 Dちゃんは 絵をなめてみた
舌での感触は 言葉を超えていたので
Dちゃんは何もしゃべらなくなった
Dちゃんの世界は広がった
ついに絵に味を感じたので
Dちゃんは何も食べなくなった
Dちゃんの世界は無限に広がった
Dちゃんは絵が好きだった