努力の人

     何度も言ってますが、にゃおは小さい頃からブタさんでした。 運動はもちろん苦手だったのです。


     当たり前だけど、学校の授業には「体育」ってやつがある。
     ああ、嫌い。 大っ嫌いよ。 それでも、週に3時間も体育の時間ってのはあって、にゃおを
     苦しめてくれたのよ。 運痴だからねぇ。 走るのは遅いし、鈍いし、体固いし・・・
     体育の中で、まぁ好きだったものって言ったらバレーボールくらいかなぁ。 あれだと一定の
     コートの範囲の中だけで動けばいいし、そこそこ出来たのよね(笑)

     小学校の体育の時間で、やらなければならない試練の筆頭は「鉄棒」なのだ。
     普通の前回り程度なら出来たけど、逆上がり、これはできなかったなぁ。 3年だか、4年だかの
     体育でこの逆上がりをすることになったんだけど、んなもの、出来るわけない。 腕力はないし
     体は重いし。 それでも当時の担任の先生が小柄でややブタさん傾向のある丸っこい人だったのに
     クルリと逆上がりして見せるのよね。 アタシに出来るんだから、アンタに出来ないわけないでしょ?
     ってな感じ。 そう言われると、ブタだから・・・って言い訳ができない。 仕方なくやる。
     もちろん、出来ないんだけど・・・

     出来なきゃ、出来ないで済むわけはなくて、一応、テストなんてあったりする。
     一人ずつ逆上がりして見せるのよ。 ひぇ〜 でしょ? みんなが体育座りして見つめる中、
     名前を呼ばれて鉄棒の前に行って恥をかくのよ。 でもそれだけじゃ終わらない。
     出来なかった人は放課後残ってできるようになるまで練習!! なんて言われて
     にゃお、もう目の前が真っ暗だったわ。 最初のうちは先生が一緒になって練習して
     おしりを持ち上げてくれたりしてたけど、そのうち先生も帰ってしまって、下校の時間になって・・・
     こんな毎日が続いたのよね。 出来るまで再テストの繰り返しだもの。 地獄だったなぁ。

     母もそんな、にゃおを不憫に思って、よく近所の中学校へ逆上がりの練習に行ったもんよ。
     手にマメをつくり、何度も何度もやったわねぇ。
     こうして、にゃおはある日、ついに逆上がりが出来るようになったのよ。 もちろん、先生も
     驚いてたねぇ。 やればできるじゃないって(^ ^;v 

     5年生くらいのなると、今度は「逆立ち」っていう難関が待っていた。 必ず体育の最初の方に
     二人一組になって逆立ちし合う。 相手の足を持ってあげるんだけど、ヘタな人の逆立ちの
     介助って怖いし危ないのよね。 上手な人はちょっと手を添えるように準備しておくだけで
     すっと軽く止まるんだもん。 にゃおのようにヘタなやつは、いきおいよく足があがってくるし
     バランス崩すと介助の人もろとも転倒してしまうから大変。 にゃおと組んだ運の悪い人は
     本当に嫌そうだったなぁ。 

     これも家で一生懸命、練習したのだ。 壁に向かって何度も何度も。 バランスを崩して
     横の方に倒れたり、腕がピンと伸びてなかったから頭から落ちたり・・・ それでも、なんとか
     出来るようになって、二人一組での逆立ちの時にも、相手に迷惑をかけずにできるくらいに
     なったんだからすごいでしょ♪(笑)

     にゃおって案外、努力の人だったのねぇ。 
     だけど、ここで、にゃおを知る人は「あれ?」って思うだろうな。
     だって、跳び箱、飛べなかったし、側転できなかったし・・・ 全然、頑張ってないじゃんってね。
     それはね、『家で練習できるもの』しか出来なかったからなのよ。
     鉄棒や逆立ちは、家や公園へ出かけたら練習できるけど、跳び箱なんてどこにもないし
     側転なんて布団を敷いてマット代わりにしたとしても、どこへ倒れてもいいほどの
     広いスペースなんてなかったから無理。 その証拠に開脚後転(後回りで回った時に足を
     開いた状態で起き上がる)なんてのは、家で練習できたから克服したもの(笑) 

     今は・・・ 何一つできなくなっちゃったなぁ。 努力も継続しなけりゃ意味ないってことね。

     「継続は力なり」

     にゃおのためにあるような格言だわ。 昔の人はいいこと言ったもんだ(≧∇≦)にゃっはっは♪

                       目次へ     HOME