桃太郎侍

     昔、高橋英樹が出てた、時代劇ドラマ。
     にゃお地域では日曜日の夜9時からだったかなぁ。
     なんでもエライ殿様の双子の弟で、双子という事実を隠すために市井に下って
     気ままな長屋生活をしてるんだけど、ここぞって時は、『桃太郎侍』に変身して
     悪いやつらを成敗するって内容だったのよね。 1話完結タイプでね。
     かなり長い間、放送された記憶があるけど、最初の頃はにゃおは小学生で
     9時半には寝なくちゃいけなかったんだけど、これだけは特別に見せてもらってた。

     当時、にゃおが住んでた田舎の町の小さな電気屋が、どういうわけだか、この高橋英樹を
     招いたのよね。 握手とサイン会をすることになったの。 もう町中、大興奮だったんじゃ
     ないかな。 その頃、小さかったにゃおでさえ、自転車を飛ばして、電気屋さんへ行き、
     色紙を胸に長蛇の列に並んで、サインと握手をしてもらったもん。 にこにこと笑顔が
     優しそうで、素敵なお兄さんって感じの高橋英樹に、にゃお、メロメロだったわね(爆)
     高橋英樹の所属事務所も、よくこんなドが付きそうな田舎の電気屋ごときのイベントに
     参加させる気になったもんだって、子供ながらに感心したもんよ。

     大体、時代劇ってのは、主人公の決め台詞ってのがある。
     有名な水戸黄門では
     『ええい、みなのもの、控え、控えぃ!!
      ここにおわす方を誰と心得る。 水戸光圀公にあらせられるぞ!!』←ちょっとウロ覚え(^^ゞ

     遠山の金さんでは
     『この桜吹雪が目にへぇらねぇか!!』←見てなかったからこの程度しか知らない

     なんて具合。 
     桃太郎侍でも決め台詞があった。
     悪いやつらの前に登場する桃太郎侍こと、高橋英樹。  双子であることを知られちゃ
     いけないから、かならず般若の面をつけて現れる。 

     『ひとつ、この世の生き血をすすり
      ふたつ、ふらちな悪行三昧
      みっつ、この世の醜い鬼を
      退治てくれよう、桃太郎』

     そんで、般若の面をぱぁ〜っと取る。 面の下からはりりしい高橋英樹の顔。
     双子だってことを知られちゃいけないから、面をつけてるのに、そこで取っちゃダメでしょ!
     なんてその頃は思ったもんよ。 考えたら、みんな切り殺しちゃうわけだから
     顔を見られたって問題ないってわけなのよね。
     そして、この決め台詞が、必ずと言っていいほど、ちょうど21時50分頃に出るの。
     にゃおたちは『9時50分の男』なんて呼んでたくらい。 毎回、この決め台詞が出ると
     パッと時計を見て、今日もちゃんと9時50分だったぁ♪と喜んでたっけ。

     ああ、あの頃は純粋だった・・・
     何時の間にか、時代劇を見てても、かつらをかぶった役者の生え際の線が気になったり
     ふとした役者の言葉遣いに、その頃、そんな言い方はしなかっただろう?とか、
     背景にうっかりと映り込んだ現代物(車とか洋服を着た人)を見つけて、違うだろ!!なんて
     妙な粗探しと突っ込みをしてしまうようになり、段々と時代劇から遠のいてしまった。 
     元々、時代劇は歴史物も多くて、歴史が苦手なにゃおは今では全然と言ってもいいくらい
     時代劇は見ない。

     でも、桃太郎侍は、再放送があったら、また見たいなぁ。

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