プロマイド

     思春期の頃に、誰でもある程度ハマる『アイドル』。
     その時代、その時代に一斉を風靡したアイドルがいて、彼らは同じ青春を生きた
     キラ星として人々の胸の中に輝く。

     当然、にゃおもアイドルにハマった。
     にゃおがかなり幼い頃は『新御三家』と呼ばれた西城秀樹野口五郎郷ひろみ
     女性では『中三トリオ』と呼ばれた山口百恵森昌子桜田淳子がいた。
     思春期あたりになると、『たのきんトリオ』なる、田原俊彦近藤真彦野村義男
     女性での代表格、松田聖子中森明菜などが登場する。

     この頃、アイドルはテレビの中の存在で、田舎モンにはコンサートに行くなんてことは
     考えもつかず、雑誌の切抜きを集めて下敷きに入れたり、レコードを聞いたり
     (DCなんちゅうものはなかったのよ)、お金に余裕のある子はファンクラブに入る程度だった。
     にゃおも数人のお気に入りのアイドルがいた。 だけど、彼らの載っている雑誌は
     にゃおには高価過ぎて買うことができなかった。 それに彼ら以外はどうでもいい記事だから
     勿体無いという思いもあった。

     ある日、本屋でアイドル雑誌(当時は『明星』か『平凡』)を立ち読みしていると、
     広告ページに『マルベル堂』の記事を見つけた。 『マルベル堂』はアイドルの写真を
     一手に扱うプロマイド通販会社と言ってもいい。 入会金いくらいくらを払うとカタログが
     送られてきて、その中から好きなプロマイドを注文するのだ。 

     これだよ!!
     ひらめいちゃったんだな(笑)  入会金もなんとかお小遣いで払える金額だったし、
     それに入ればあとは自分の要るプロマイドだけを買えばいい。 当時はプロマイドの
     ほとんどが白黒写真で一枚80円くらいだった。 今、考えたら高いよねぇ。 それでも
     欲しかったんだよね。

     入会を申し込んで待つこと数週間。
     ついにカタログが送られてきた。 カタログをめくるとそこにはぎっしりとアイドルの写真。
     中には、この人誰?ってな人もいて、見ているだけでワクワクして楽しい。
     さぁ、どれを頼もうかな。 欲しいものに印をつけてたら、エライ数になっちゃう。
     厳選して数枚を申し込む。 送られてきたプロマイドは専用のホルダーに入れて保存。
     ホルダーをめくると、いつでもアイドルは間近で自分を見つめてる。
     きゃ♪ そんなに見つめちゃイヤン♪  はずかちぃ♪(/o\*)
     ほとんどバカ丸出しである。

     今も『マルベル堂』ってあるのかな? プロマイドって流通してるのかな?
     今はアイドルは自分の手の届かない遥か遠くの存在とは言えなくなった。 アイドルが
     バラエティー番組を持ち、街に飛び出して一般の人と交流したりする。 もしかしたら
     すぐとなりにアイドルがいて、話をすることもできちゃったりするのだ。
     昔も今もアイドルに熱狂する気持ちに変わりはないと思うけど、昔の方が絶対、熱狂度は
     高かったような気がするなぁ。

     プロマイドは捨てた記憶がないから、まだ実家にあるんじゃないかな?
     なんだか久しぶりに見てみたくなっちゃった。
     でも見たら、違う意味で恥ずかしいかも(* ̄m ̄) プッ

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