ローラー付き洗濯機

     「今度の洗濯機は洗ったまま、乾燥までしちゃう!!」

     ふうん・・・ 洗濯機も進化したもんよねぇ・・・

     新型の洗濯機のCMを見るたびに思い出す。 にゃお家には昔々、ローラー付き洗濯機
     あったのだ。 なぁんて言ったって、今の若い人は知らんだろうなぁ。 にゃおでさえも小さい頃の
     記憶の片隅にしかない洗濯機だもんね。 その頃の洗濯機は、今の全自動みたいに
     層と呼ばれるものがひとつしかなかった。 もちろん、これは洗濯するだけのためのもの。
     脱水層は付いてなかったんだよね。 じゃあ、どうするかって言うと、洗濯機の脇にゴムの
     ローラーが2本ついてる。 その2本のローラーの間に濡れた洗濯物を挟んで、取っ手を回す。
     ローラーが洗濯物を押し出して、その時に水が絞れるってわけ。

     にゃお家の家電製品は昔から、長持ちだった。 冷蔵庫を20年以上使うなんて当たり前。
     掃除機もテレビも、ご長寿さんだった。 恐らく、その洗濯機も母が大事に使っていたから
     年代ものになりつつあっても、がんばって働いていたんだと思う。 しかも、うちはビンボー
     だったから、おいそれと新しい洗濯機なんて買うことはできなかったしね。

     にゃおは、お人形遊びが好きな子だった。 リカちゃんなる人形が世の中に登場した初期の
     頃には持っていたように思う(ビンボーだったハズなんだけどな)  お人形だけでなく小物類にも
     興味があったのか、おもちゃの洗濯機があった。 それもやはりローラー付きのものだった。
     小さな取っ手を回すとちゃんとゴムローラーが回って、紙切れくらいなら、本物と同じように
     ローラーから送り出されてきたものだ。

     あの頃、今のような洗濯機が登場するなんて夢にも思ってなかった。 
     今ですら、もう思いつく機能はみんな出尽くしてしまったように感じる。 この先、どこまで
     進化するんだろう? それこそ、音声ひとつで洗濯開始みたいになるのかな?
     そうなると、昔見たSF映画の中に登場してくる未来生活そのままが実現してしまいそうだ。
     そして、進化するそれらとは対照的に、人間はどんどん退化していく。

     にゃお、これ以上退化するとヤバイっす(-_-メ)

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