アクセサリー

     「アクセサリー」と聞いて想像するもの。
     指輪、ネックレス、ピアス(イヤリング)などの宝飾品。
     もっと範囲を広げれば、いろいろさまざま・・・

     自分は「飾る」ということが苦手だ。
     それはほぼ全てのケースに当てはまる。
     一番、顕著なのは、上で挙げたような「身を飾るもの」。 キライ・・・というより「煩わしい」
     何かが肌に触れているという状態が、あまり好きではないのだ。
     それでも高校生くらいの頃から、二十歳過ぎくらいまでは人並みに、身を飾ることに興味があった。
     いっちょまえに、安物だけど、イヤリングを買って付けてみたりしたことがあった。 

     小さい頃から「ブタさん症候群(つまり、おでぶだってことだ)」で、指も短く太い。 そんな指に
     かわいい指輪をはめてみても似合わないのだ。 もっとも指が太くて入る指輪そのものが
     ないという問題以前の状態だったけど(苦笑)

     「いいの。 私は私を知っているつもり。 醜いものがいくらキレイなものを身につけてみたところで、
     それはキレイなものをより際立たせるだけで、自分がキレイに見えるわけじゃないんだもの。
     テレビに出ている人でも、その辺ですれ違う人でも、指が長くてスラリとしている人ならまだしも
     ごつごつと太く節くれだった指に豪華な指輪がしてあっても、その人が滑稽にしか見えない。
     自己満足だと言えばそれまでだけど、密かに『似合わねぇ〜』って笑ってる人がいるのよ」

     半分本音、半分負け惜しみで、自分に言い聞かせる。 実際、鏡の前で着飾った自分を見ても
     ゲンナリするんだから仕方ない。 そうでも言わないと、ちょっと落ち込み過ぎてしまう。
     婚約をしていた時、主人に会う時だけ婚約指輪をつけた。 結婚してからもしばらくは結婚指輪を
     していたけど、指輪をした部分に湿疹ができたことをきっかけに外してそれっきり。

     同じ現象はいろんな場面で起こる。
     人様の車の中を見た時、 車内がものすごく飾られていると驚いてしまう。
     クッションがあったり、ぬいぐるみが飾ってあったり。 ルームミラーにはお守りやなんやらが
     ぶら下がり、果てにはフロントガラス前の部分にファーが敷いてあったりする。
     さながら部屋のよう。 本人はそれで快適に運転する時間を過ごせるのだからそれでいい。
     だけど、自分には窮屈で圧迫感を感じてしまう。 何よりも先に「掃除が大変そうだ」なんて
     おせっかいな心配をしてしまう。
     だから自分の車には何もない。 前に乗っていた車はレザー風のシートで座った感触が
     気持ち悪かったからシートカバーを買ってつけていたけど、今の車は布素材のもので
     出来ているから、何もする必要がない。 ルームミラーにも何もぶら下がっていない。
     目の前でチラチラ動かれると気が散ってしまう。 見事なまでにデフォルトの状態。

     家の中も同じだ。
     玄関の前、中に入ったすぐの場所。 人様のお宅にお邪魔すると、とてもキレイに可愛らしく
     いろんなものが飾られてディスプレイされている。 部屋の中にもあちらこちらに写真が飾られて
     いたり、小物やぬいぐるみが置いてあったり花が飾ってあったり。 その空間は心地よい。
     だけど自分の家の中でそれをしようという気持ちがどうしても起こらない。 ナゼ・・・?
     だって自分は、「面倒くさがりで、ズボラ」なんだもの。 そんな風にいろいろと置いたら
     掃除が面倒臭い。 世話も大変だ。 できるだけ短時間で手間をかけなくていいようにしたい。
     自分の都合が優先して、家の中はどこもサッパリしている。 今でこそ、子供がいるから
     どうしても散らかったり、あちこちに物が置かれた状態になってしまっているけど、そうで
     なかったら何もかも見えないところにしまっておきたい性分だ。 

     「あなたって、潤いのない人なのね」
     ・・・確かにその通りだと思う。 こんな自分って変ですか? 人間としてダメなんでしょうか?

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