A型の悲哀

   世の女性人は特にそうだと思うけど、占いって好きです。 
   中でも一番信じてるのは「血液型での性格診断」。
   読んでても、そうよ、そうなのよ。 ああ、ぴったりだわって思うことがいっぱい。
   だけど、よく考えたら血液型ほどあいまいなものはないらしい。 
   だってこの世の中の人間をたった4種類に分類するのだから。 
   しかもO型だって言っても両親ともO型だということでもなくて、たまたまOが出ただけのこと。 
   それなのに自分は血液型での性格診断を信じて疑わないところがある。
   ちなみに私はA型。 「几帳面・責任感がある・・・言い換えれば頑固。 事務職、教師などに向く」
   どの本でも絶対と言っていいくらい書いてある。 うん。 そのとおりなんだな。 自分で言うのもなんだけど
   モロA型なのだ。 各血液型の代表を選出するとしたら必ず選ばれるんじゃないかなってくらい。
   でも、これが反って自分の首をしめることもしばしば。
   まず「物事に対して慎重」。 先の先の先くらいまで考えておかないと行動に移せなかったりする。 
   いわゆる決断力がない。 うっかりファミレスなんかに入ると、いつまでもメニューとにらめっこしかねない。 
   だからはじめから何にするかある程度決めてから行くようにしている。 ただ、その結果、大抵同じメニューに
   なるところがミソだ。 そう、浮気が出来ないのである。 今日こそは違うものを食べてみようと思いながら
   オーダーはいつものだったりする。 ファミレスとかに度々行くチャンスがあればいろんなものをオーダー
   するのかもしれないけど、年に一度か二度くらいしか行かないと、どうしても定番を頼んでしまう。 
   冒険できないのだ。 何とも情けない。
   だけど、高価なものを買うとか、大きな決断を強いられるような時はこの慎重さは結構役立つ。
   おかげでほとんど失敗したことがないのだから。

   「物事に対して粘り強さがある」。 責任感があるってことなのかはよくわからない。 なんだかひとつのことに
   固執する傾向があるような・・・ 人と打ち解けることが苦手なのだけど、一度、第二の扉を開くと(扉の話は
   また別の機会に)その人に忠実になってしまう。 自分からその人を裏切るような行為はしない。 
   ところが相手は自分が思うほどに思っていてくれるわけではなく、当然のことながら傷つけられたりする。 
   ショックを受けながらもどこかで相手をいい方へ理解しようとしてしまう。 そして許す。 どうしてこんなに
   ひどいことをされたのに(相手はしたとは思ってないかも)自分は愛想よく笑ってるんだろうな・・・なんて
   虚しくなることもあるけれど、やがてその思いも薄れてゆく。
   ところがやっと忘れた頃にまた傷つけられたりする。 ほら、やっぱりこの人はそういう人だったんだ。
   こうなると第二の扉は硬く閉ざされて二度と開くことはない。 違った意味での頑固さが発揮される。
   以前、何人かの人に「あんたを本当に怒らせたら怖い」って言われたことがある。 
   あの人たちはこのことを言ったのかな?

   「ちょっと待った! 私はA型だけど、あんたとは全然違うよ」
   そう言う人もたくさんいるだろうなぁ・・・ だから血液型での分類なんてあいまいなんだってば。

             目次へ       HOME