○○の神様

                   アナタハ 神ヲ 信ジマスカ?

     自分は信仰としての神(もしくは仏)というものをあまり意識したことがない。
     苦しい時のなんとやら・・・っていうことわざがあるけど、まさにその通り。
     自分の都合のいい時だけすがっておいて、あとは見向きもしないというバチあたりもんなのだ。
     そんな自分でも、ちょっとだけ信じてることがある。
     それが「洗剤の神様」
     結婚当初は、ガソリンを入れるごとにポイントがついて、その得点に応じて景品がもらえる
     というサービスがまだなんとか生き残っていた時期で、主人はそれまで一人暮らしだったから
     景品に洗剤と箱ティッシュを主にもらっていた。 それが押入れに10箱以上も積んであった。 
     洗剤って結構値も高い代物だし、これは家計の助けになるわぁ〜と喜んだ記憶がある。

     それでも使えば減るのは当たり前。
     そのうち1箱、また1箱と洗剤が消費されていく。 不思議なもので10箱以上あったものが
     半分くらいまで減ってくると、へんな緊張感が出てくるのだ。 1箱で2ヶ月近くもつものが
     5箱あったらそれだけで1年近くは洗剤の心配がないはず。 それなのになんともいえない
     不安感が襲ってくるのだ。 安売りがあった時には買っておいたほうがいいのかもしれない。
     腐るもんじゃないんだし・・・ いままで気にもならなかったチラシの生活雑貨コーナーに目が行く。
     そんな時、「洗剤の神様」が舞い降りてきた。

     当時、結婚して引っ越していきなり、にゃお家にその年の組長(町内会がいくつもの小さなブロックに
     わかれていて、〜組と名前がついている。 場所によっては班長などというところもある)が
     回ってきた。  まったくのよそ者で新参者。 すべて上の人の言う事に従って行動しておけば
     とりあえず問題ない。 それから何か会合があっても絶対に先に帰らない。 最後まで残っておく。
     これが新参者がみんなに受け入れられる第一の条件。 この町内会は妙にはぶりがよく
     会合のたびに参加賞として何かが配られていた。 それは大抵が生活雑貨だ。 もちろん
     多めに用意しておくから最後には必ずあまりが出る。 これが最後まで残っていると会長さんの
     一存であまった品物がみんなに分配されるのだ。 「あなたには、これ。 あなたには、これどうぞ」
     そして、不思議と自分の手には洗剤があるのだった。

     こうして、ことあるごとに「洗剤の神様」は自分の元に洗剤をよこしてくださった。
     それは上のように何かの集まりの景品でだったり、スピードくじの景品だったり、
     お中元でたくさんもらったから・・・と誰かからわけてもらったり・・・ とにかく洗剤が
     なくなりそうになると、どこからか洗剤がにゃお家にやってくるのだった。
     けれど、6年目の今年、もう家には洗剤がこの1箱だけ、それも残りあと1/3くらいしかないという
     切羽詰った頃になっても神様の舞い降りる気配がなかった。
     とうとう運も尽きたのか・・・ しようがなく結婚6年目にして初めてスーパーで洗剤を買う。
     重い洗剤の入ったスーパーの袋を下げて家に帰ると玄関に荷物。 
     出産祝いを贈った知り合いからのお返しで中身は洗剤だった。 
     あいたぁ〜  買ってきたばっかりなのにさぁ・・・ 
     神様はその後もせっせと舞い降りてくる。 おそらくもう1年くらいは洗剤を自分で買うことはないだろう。
     今度は神様を信じよう。 この次もきっとピンチになったら舞い降りてくるに違いない。

     ちなみに、もう一人の神様がいる。 それは「アイスクリームの神様」だ。
     アイスクリーム系のくじや懸賞によく当たる。 だけど、こっちの神様はちょっと厄介。
     だって、舞い降りる時期が決まって冬なんだもの。 これって「イヤガラセ」としか思えない(笑)

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