携帯電話

     もしかしたら、全国民の半数以上が持っているのではないかと思える携帯電話。

     最初は話すだけの道具だった携帯も、今はメールができる、ネットができる、銀行振込もできる、
     さまざまなチケットの予約もできると、ただの電話の域を越えてしまった。 便利な世の中に
     なったもんだなぁ。  ま、それはいいとして・・・

     ふと気がついてみると、多くの人が携帯を手にして歩いている。  ある人は電話中、ある人は
     じっと手元を見ながら歩いているから、メールでも読んでいるのだろう。 立ち止まったり
     バス待ちなどで座っている人は、しきりに指先が動いている。 おじさまやおばさまの年齢の人も
     携帯をストラップにつけて首から下げて歩いている。 この間はリュックを背負った小学生が
     携帯で誰かと話していたっけ。

     台風だとか、交通機関のストだとかのニュースを映像で流す時、駅などのホームに居る人が
     みんな、それぞれに携帯で誰かと話している場面を見ると、だんだん気持ちが悪くなってきた。
     みんな同じ場所にいるのに、全然違う人と話してるんだ。 なんだかすごく不自然な光景。

     学生さんなど(特に高校生くらい)は携帯が手から離せないらしい。 いつも誰かとメールを
     交換したり、話してるんだって。  いつも誰かとつながってないと不安だって。 そうしないと
     自分が一人ぼっちのような気がして寂しいって。 こうして友達と話をしてると安心するって。 
     ちょっぴり悲しい気がするね。 

     自分もこの年になって、子供が保育所へ通うようになったから、家の外でも連絡がつくようにって
     携帯を初めて購入した。 幸いにまだ、保育所から携帯に電話がかかってくるような事はないけど。
     携帯は緊急の連絡手段として買ったものだから、携帯の番号は自分の周りのごく一部の
     人にしか教えていない。 それだって、一応教えただけで、携帯に電話がかかってくることはない。
     時々、妹からメールが入るくらい(妹はパソコン持ってないからね)。  パソコン持ってる人は
     大抵、パソコンのメールアドレスに送ってくるしね。 だから、携帯電話はいつもひっそりとしてる。
     自分も電話をかける時は自宅の黒電話(にゃお家はまだダイヤル式の黒のアナログ電話)を
     使うし、そうでなかったらパソコンからメールを送る。 う〜ん・・・ もしかしたら無用の長物?(苦笑)

     自分はどうやら、携帯電話をいつも使ってないと落ち着かないっていうことはないと思う。
     (もっとも、その代わり、パソコン使ってないと落ち着かないけど・・・(≧∇≦)にゃっはっは♪)
     そのうち子供が大きくなったら、やっぱり使うのかな? いつも指を動かして誰かとメールしたり
     電話したりするのかな? 「そうしないと寂しいんだもん」って言いながら。
     ここに居るじゃない。 おそらくこの世で一番の理解者で、保護者で、愛をそそいでる親が・・・
     それでも寂しいの? そんな親でも埋められない寂しさが、会ったこともない、携帯の向こうに
     居る誰かで癒されるの? 

     自分は・・・ 子供が携帯で寂しさを埋める前に、まず、頼ってもらえる人間でありたいな・・・

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