麻痺する感覚
テレビ番組のとあるコーナーで、ぶっ倒れそうなモノを見た。
最近、注目されている「汚ギャル」なるものだ。
部屋は汚し放題、お風呂には１ヶ月も入らなかったりする。 それでも別に平気♪
そんな若い女の子をこう呼ぶらしい。 若い人（特に女の子）って人一倍、清潔を好んで、
潔癖症であるような印象を持っていた自分には信じられない光景だった。
『片付けられないオンナたち』なんて言葉が数年前に流行った。 自分では片付けようと思うのに
どこからどうして手をつけていいかわからないまま、結局、上手く片付けることができなくて、
やがて家がゴミ屋敷のようになってしまうという女性たちがクローズアップされたのだ。
これはやがて、ある種の病気なのだということが医学的にわかってきた。 決して、怠け者
なんかじゃないのだ。 だから、このような人たちは「汚ギャル」とは根本的に違う。
テレビで映し出される「汚ギャル」たちは、部屋の中にゴミが散乱し、食べたものの残骸や
食べかけたものがそのまま腐ってしまって異臭を放っていたり、その辺をゴキブリが
這いずり回っていても、あまり気にならないのだという。 取材に訪れた人がその凄まじさに
苦悶する姿を平気で笑って見ていられる様には唖然とするばかりだ。
１ヶ月近くお風呂に入っていないという、とある女の子の頭皮を特殊カメラで映し出してみると
頭皮が皮脂でベッタリ汚れていただけでなく、ノミまで生息していたというのを見て
これは完全に異常事態だと感じた。
自分も偉そうに人のことを言える立場じゃないのはわかっている。 結構、散らかしてしまうし、
最初は散らかっててイヤだな、イライラしちゃうなと思っていても、片付けるそばから子供や
主人に汚されたり散らかされたりすると、もういいや！！ なんていう気になってしまう。
それでも、さすがにこれはヤバイと思うと綺麗に掃除するし、病気や何らかの理由で
長い間、お風呂に入れなかったりすると、自分が気持ち悪くて仕方なくなってくる。 どう考えても
「汚ギャル」たちのようにまで汚れ放題になるなんてことはあり得ない。
こうしてみると、なんだか人間（とりわけ若い人たち）の清潔感に対する感覚が麻痺しているように
思えてならない。 「すぐ『最近の若い人は』って言うな！｣って言われちゃいそうだけど・・・
よく見かける風景として、どこにでもペッタリと座り込んでしまう人たちがいる。
コンビニの前、短いスカートで地面にそのまま座ってる女子高生。 電車の中で床に座り込む
若者たち。 路上のどこにでも関係なく座って楽しそうに話しに花を咲かせている人。
みんなそれが汚い行為だとは思っていない。 まったく平気だから座っている。
でも、そこは誰がどんな靴で踏んでいるかわからない場所なのだ。 もしかしたら誰かが
ツバを吐いたかもしれない。 犬がオシッコをしているかもしれない。 うっかり犬の糞を踏んだ
靴で通った場所かもしれない。 そんなこと、考えてもみないのだろうか？
週始めの保育所。 親は子供たちのお昼寝用の布団を各教室まで持って行くために
上がらなくてはいけない。 来客用のスリッパが何足か用意されているけど、それが出払って
しまっている時は、みんな裸足（靴下は履いてる）で上がる。 スリッパがないのだから
仕方ないのだけど、廊下はとても汚いのだ。 砂が散乱しているし（子供の足にくっついてくる）
虫の死骸や綿埃、給食の食べカスなど、毎朝、きちんと掃除がされていても、あっという間に
汚れてしまう。 自分にはこれが気持ち悪くて仕方なかった。 だからいつも自分専用のスリッパを
持って行く。 それでもうっかり忘れてしまった時には、まるで泥棒のようにつま先で歩く。
だけど、他のお母さんたちを見ていると、たいていは平気でペタペタ裸足で歩いているのだ。
気持ち悪くないのだろうか？
その汚い廊下や教室を歩いた靴下で自分の家に上がるのだろうか？
それとも家に帰ったら靴下を脱ぐのだろうか？
子供はどうしても、ことあるごとに裸足のまま廊下を歩くことが多いので、我が家では家に帰ったら
玄関で靴下を脱いでから上がることを厳命している。 人に言わせると、神経質らしいのだけど、
自分から言わせると、逆にそのことが平気なのが不思議でならない。
なんだか、いろんな場面で、人の感覚がおかしくなってる気がしませんか？
自転車泥棒をしても、ちょっと用があったから貸してもらっただけ・・・万引きしても、お金を
払えばいいんでしょ・・・程度で罪の意識を感じないだとか、これぐらいの暴力をふるうと
相手がどうなるか、もしかしたら死に至らしめてしまうかもしれないなんてことを何も
考えてないだとか・・・
いいのかな？ このままで。 本当に大丈夫なのかな？
それとも、やっぱり自分が神経質なだけなのかな？
ねぇ、あなたは、どう思いますか？
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