新製品

     『あの、高級ハイブリッドカーが、グレードアップ! 今度はなんたらかんたら・・・』
     『いろいろ、新しい製品を取り揃えて、お客様をお待ちしております』
     『この秋の新製品、○○チョコにあなたも虜・・・』 などなど。

     よく見ると、世の中、恐ろしいサイクルで新製品が出てると思いません? ひとつの製品にしても
     どんどんバージョンアップしちゃってる。 よくもまぁ、これだけ新製品(改良点)を見つけることが
     できるもんだと感心するばかり。 だけど、ちょっぴり困ることもあるのだわ。

     男性諸氏には、ちょいと赤面ものかもしれないけど、これを書かずにはいられないってお話をひとつ。
     それは、ほとんどの女性なら経験するであろうナプキンについて。 もちろん、お食事の時に
     優雅に口元を拭いたりするあのナプキンではない。 れっきとした生理用品のナプキン。
     赤ちゃん用の紙おむつと並んで、生理用品ほど進化が著しいものはなかったのではないかと思う。
     自分は小学6年生の冬に初潮を迎えた。 そのころは、ナプキンというものは、たんに綿を
     包んだような分厚いものだった。 種類だって片手で足りるくらいしかなかったように思う。
     小学生なんて体だけはデカクても、まだまだ子供。 学校へナプキンを持っていくとなると
     これがかさばるのなんの。 トイレに行く時に密かにひとつだけポケットに忍ばせても、膨らみが
     目立っちゃってバレバレ状態だった。 恥ずかしくて、イヤでイヤで・・・  おまけに吸収力も
     あまりよくなく、今みたいに、昼用だの夜用だのと用途別になってなくて同じ長さばかりだったから、
     使いづらいことこのうえなしだった。 それでも、まだナプキンがあるだけマシ。 もっと昔の
     まだナプキンがちゃんとした形でなかった時代の人は一体どうやって乗り切っていたのだろう。

     高校生になるくらいから、ナプキンは恐ろしいスピードで進化し始める。
     最初に目立ったのは、吸収力が段違いによくなったこと、そして薄型化してきたことだ。
     テレビCMもひところに比べて放送される率が多くなっていた。 女性専用の品物でありながら
     当時、男性タレントを起用したCMは話題を呼んだ。 生理用品という『隠されるべき物』が
     堂々と人々の前に現れて、恥ずかしいものではないという波が広がった。

     時が流れ、今や生理用品は、その頂点を極めようとしている。 匂いを抑えるデオドラント
     用途別に細かく分かれた寸法横漏れを防ぐための工夫あれこれ。 夜も安心して眠れる
     フィット&吸収機能などなど。 自分の愛用の製品なんか、最新の製品が出た時の
     CMで、『これでダメならごめんなさい』なんていう、最終回宣言みたいなセリフを流していた。
     それはいい。 改良に改良を重ね、どんどん女性に使いやすく優しいものになったのは
     喜ばしいことだ。 ただひとつのことをのぞけば・・・

     新製品が出ると、当たり前のことだけど、それまでの旧製品は製造打ち切りとなり、
     市場から姿を消してしまうのだ。  自分が愛用している製品。 何度か他のメーカーの
     ものに替えてみたけど、やっぱりそれが一番にゃおにはよかった。 改良を重ねられたそれは
     自分にとってはベストとも言えるくらいのもので、とても使い心地がよかった。 けれど、
     新製品が出ちゃったのだ。 当然、今までの製品はなくなってしまう。 ところがその
     新製品、どこがどう変わったのかよくわからない。 CMでは盛んに「すごい」を連呼してるけど
     使ってみた感じ、さほど変わってないような気がする。 なのに、ひとつ前の製品よりも
     サイズが少し短くなり、一包装あたりの個数も減った。 なのに値段は高くなっているのだ。
     ああ、これがイヤ。 それでも他のメーカーよりはいいから使うけど、買うたびに、前の製品が
     恋しくなってしまう。 頼むからさぁ、せめて新製品とその前の製品くらいは一緒に売って
     もらえないかしら(無理な相談だ)。 CMでもう今以上の製品は作れないなんて
     言ってるくせに、また新製品を出して、しかもまたしても個数が減ったり、値段が上がったら
     今度はキレるぞぉ(爆)

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