<もう一つのエピローグ>
「祐一、栞ちゃんおめでとう!」
今日は祐一達の結婚式。
当然わたしも呼ばれたわけで。
でも…。
ほんとはあまり来たくなかったよ。
だって…わたしはまだ……。
新郎である祐一と、新婦である栞ちゃんが、赤い絨毯の階段を降りてくる…。
栞ちゃんの腕と祐一の腕はしっかりと組まれていた…。
その栞ちゃんの片手には綺麗なブーケが握られていた…。
そして栞ちゃんがそのブーケを空に向かって投げた瞬間…。
ザザー…。
いきなり強い風が吹いて、ブーケは飛ばされてしまった。
そして数十秒後ブーケはわたしめがけて落下してきた。
女の子達がわたしに群がってくる。
そんな中、わたしはブーケを手にしていた。
式が終わって数日後。
わたしにお見合いの話が舞い込んできた。
かなりルックスも良く性格も良いとのことだった。
でも…。
わたしは断った。
わたしは…。
まだ忘れられないから…。
そんな自分が嫌になる…。
でも…。
それでも…。
わたしは……。
わたしは……。
結婚式で受け取ったブーケ。
それにわたしは願いを込める。
『祐一と栞ちゃんがいつまでも仲良く暮らしていけますように』
わたしの信じる心…。
ちゃんと伝わったかな?