このSSはef latter taleのネタバレを多大に含みます。 むしろ、終章ED後の話です。まぁ、ここであれこれ書く のも面倒なので、SS本編をどうぞ。 「はぁ……やっと終わったぁ」 「終わったね」 「終わりましたね」 わたしは羽山ミズキ。従兄の麻生蓮治とその恋人で ある新藤千尋先輩に荷物整理を手伝ってもらっていた。 「明日でお別れか。今度はいつ来るつもりだい?」 「えーと、本当は春休みに来たいけど、入学の手続き とかで忙しいから夏休みかな」 「そうですか。それまで寂しくなりますね」 「そうだね。ミズキが居ないと少し寂しいかな」 「何言ってるのよ。その分二人がラブラブしていなさい」 「ラブラブ……」 「ラブラブって」 二人とも顔を赤くしながら俯く。うーん、良い反応。 そんな二人を置いてわたしはキッチンへ向かう。 「あら、終わったのね。お疲れ様」 「おば様、今日までありがとうございました」 「いえいえ、どういたまして。それにそういう挨拶は明日 の方が良いと思うけどなぁ」 「あはは……明日は明日でまた言うかもしれませんけどね」 「でも、本当に見送りは良いの?」 「ええ、おば様も料理教室で忙しいですし、あの二人は いちゃいちゃしたいでしょうし」 「それに、久瀬さんと二人きりで居たいかしら?」 「お、おば様!?」 当然の事ながら気付いてはいたでしょうけど。今日の今日 まで直接言及される事はなかっただけに……緊張する。 「私からはどうこう言う事はないわ」 「えっ? て、てっきり反対されるのかと」 「反対するなら……そうね。気付いた時には言ってたわよ。 後悔はしないつもりでしょ?」 「はい。後悔しませんし、久瀬さんにも後悔させません」 「そう。姉さんも同じ事を聞くとは思うけど頑張ってね」 「はい」 「さてと、それじゃご飯にしましょう。二人を呼んできて」 「はい」 俺、久瀬修一は部屋で少しのんびりしていると、久々の 見知った顔が合鍵を使って入ってきた。 「よう」 「おや、火村戻ってきたんだ。てっきりそのままかと」 「しばらくしたら戻ってくると言っただろう」 学生時代の幼馴染の火村 夕。職業 建築家。であると 同時に、たまに青春をする仲である。 「それでも、結構早くない?」 「向こうでの用件は終わったからな」 「そう」 向こう、本来の音羽。火村が何を確認しに行ったのかは 急な事だったから知らない。いつか聞くかもしれないれど、 前よりは良い顔になりすぎてるかな。 「何か良い事あったの? 向こうで」 「まぁな……。ちょっとした再確認が出来た」 「そう。少し聞かせてもらえるかい?」 「まぁ、良いだろう」 クリスマスの奇跡といえば良いのか、そういう事を聞き つつ、夜は更けていく。 翌朝。空港に着いた私の目の前に火村さんが居た。 「あれ、戻って着てたんですか?」 「ああ、昨日の夜にね」 「そうでしたか。ところで久瀬さん知りませんか? 見送り に来てくれると言ってたのに」 「いや、知らないな。電話も繋がらないのか?」 「何度かけても繋がらないんですよ」 「ふむ、それはそれで困ったものだな」 本当に困った人だ。約束しておいて最後の最後で破るとは。 「あっ、そろそろ乗らないといけないから行きますね」 「ああ。また遊びに来てくれよ」 「はい。今度は夏休みにでも来ようかと思いましたが。久瀬 さんに文句を言いたいからGWになるかもしれません」 「はは、そうか。まぁ、何にしてもそれまで元気で」 「はい」 そして、わたしは搭乗口の方へと向かう。だから火村さん の最後の呟きは聞こえなかった。 「あいつをよろしく頼む」 搭乗口に向かう私の目の前にいきなり見知った顔が……。 何で、こんなところに? 「やぁ、ミズキちゃん」 「ど、ど、ど、どうして久瀬さんがここに」 「まぁまぁ、説明はするからとりあえず静かに座ろうか」 「そうですね」 昨夜の事を思い出す。 「ところで、お前は何をしてるんだ?」 「ちょっとしたサプライズ?」 「目的は羽山ミズキか」 「うん。明日帰っちゃうんだよ」 「それで、これか」 「そういう事」 「まぁ、確かにサプライズにはなるだろうが大丈夫なのか?」 「ここ最近は安定してるから大丈夫かな。ミズキちゃんの お陰かもしれないね」 「だが、向こうでの泊まる場所はどうするんだ?」 「実家に電話しておいたし、まっ、何とかなるでしょ」 今では半分勘当されている身。本来はするべきではないんだ けど。ミズキちゃんを紹介しないといけないのと、電話越しに 言ったとはいえ、病気の事もきちんと言わなければならない。 「そうか」 「じゃあ、明日は朝早いから寝るよ」 「久瀬。戻っては来るんだろうな?」 「そのつもり」 「分かった。何かあれば連絡は寄越せ」 「そうするよ」 「まぁ、そう言う訳で、一緒に日本に行く事にしたんだよ」 「そ、それは嬉しいんですけど身体は?」 「大丈夫。それは一昨日も一緒だったミズキちゃんが一番良く 分かってると思うけど?」 「う、それはそうですけど」 「それに数ヶ月も離れ離れはちょっと耐えられないかな」 「久瀬さん……でも、んっ」 何かを言いかけた唇を唇で塞ぐ。触れ合うだけのキスも二日 ぶりか。 「あの時に言っただろう? 君を愛せない方が死んじゃうってね」 「分かりました。でも、危ない時はきちんと言ってくださいね」 「うん」 少し心配そうな顔で俺を見るミズキちゃんの顔を見てると、 またキスをしたくなるが、人が多くなってきたので止めておく。 俺は見られても平気なんだけど、キスばかりしてると、したく なっちゃうし、流石にそれはまずいから。 「そういえば、久瀬さん飛行機の席は?」 「かなり急いで取ったからね……離れてるだろうね」 「あぅぅ、それは残念かも」 「まっ、その時はその時で日本に着いたらね」 「は、はい」 顔を真っ赤にしながらきちんと頷いてくれる。嬉しいなぁ。 そして、やっぱり虐めたくなる。あぁ、どSだな俺。 「さて、乗ろうか」 「はい」 隣だった……偶然かはたまた神様の気まぐれか? いや、運命 でも良いかなこの場合は。 「えへへ、隣でしたね」 「そうだね」 無難に同意しておく。離陸までする事もなく、話に終始徹する。 「そういえば、久瀬さんは日本ではどこに泊まるんです?」 「とりあえずは実家かな」 「だ、大丈夫なんです?」 「半分勘当されてるとはいえ、そこまで薄情ではないよ」 「いえ、そうじゃなくって」 「ああ……どうだろうね。病院には連れて行かれるかもね」 「でも、それだと」 「入院するつもりはないよ。モルモットなんて勘弁だしね」 入院はしない。どうしてもさせるなら強引にでも逃走するしか なくなるかな。 「もし、その時はわたしの家にでも」 「魅力的なお誘いだね。でも、ミズキちゃんのご両親は何て言うか」 「きっと大丈夫ですよ。わたしが保証します」 「いきなり不安になった」 「あー、酷いです」 「いや、実際に問題ありすぎだと思うけど」 「んー、その時はその時で何とかなりますよ。きっと」 何とかか。ミズキちゃんが言うと不思議と本当何とかなりそうな 気がする。 「それに、ちゃんと久瀬さんを両親に紹介したいですし」 「それは俺もだけどね」 「はい」 残された時間を大切に生きよう。そして、彼女が俺を幸せにして くれる分、俺も彼女を大切にそして幸せにしよう。今はそう思える。 「あっ、そろそろ離陸ですよ」 「うん」 飛行機がゆっくり動き、やがて離陸する。久し振りの日本へ思い を馳せながら、ひとまずは眠りにつく為、二人で目を閉じた。 あとがき 正直な話。書くのを本気で躊躇い、構想してる間にも何でこんなの 考えてるんだろうと思ったのはここだけの話です。 まぁ、日記にしつこいくらい書いてから後悔すると言ったのもこれ だったりしてます。 まぁ、この二人の会話はゲームを実際にプレイした方が100倍くらい 面白いですが、極力頑張ってはみてます。 とりあえず、4章とそれ以降の話は何度かやり直して書いてみたり。 それでも、全然近づけない。悔しい、でも書いちゃうとか気持ち悪い にも程があるなこれorz とりあえず、日本に戻ってからも構想はありますが、二人の両親は どうしてくれようか。それを除いた大体の道筋は考えてますがミズキ の母親の赤白黄色は分からんにも程があるorz まぁ、後日談のドラマCDも聴いてから別の話も考えてみようかなと 思いつつ。これにて。