君だけを

 

今日は名雪の誕生日・・・



しかし、ある事で喧嘩をしてしまった



何をしているんだろうな・・・



ちゃんとプレゼントだって用意しているのに・・・



未だに渡せずにいる・・・



ふう・・・



ちゃんと謝って、このプレゼントを渡すとしよう



コンコン・・・


「名雪、入ってもいいか?」
「駄目・・・」
「本当に。俺がどう考えても全面的に悪いんだよな・・・」
「・・・」
「本当に俺が悪かった・・・。だから、部屋にいれてくれないか」
「心から本当にそう思って、謝っている?」
「ああ・・・」
「じゃあ、良いよ。入って・・・」

こうして、俺は何とか名雪の部屋に入る事は許された・・・
さて、どうやってプレゼントを渡そうかな。喧嘩をした理由・・・
実は、最近バイトをしている。名雪にプレゼントを買うためだが。
まさか、本人に話せるはずも無い。名雪にあれこれと問い詰められたけど
喋らなかったため、名雪は怒ってしまったのである。まあ、名雪が怒る
理由も分からないではないのだが・・・。結構心配していたようだし
あまり、遊んでやれなかったし・・・・
ふう何にせよ、ようやくプレゼントを買ったのは良かったのだが、その矢先に
喧嘩である。精神的に辛いものがあった・・・。夕食時など目すら合わせて
いない状況。流石に秋子さんも心配していたようだが、大丈夫だと言っておいた
で、今名雪の部屋で名雪と向かい合っている・・・

「祐一・・・。私ね・・・。本当は怒っていないんだよ」
「えっ?」
「ただね、祐一が何をしていたのか凄く知りたかった・・・。子供みたいな奴だと
 言われるかもしれないけど、恋人同士だし、祐一の事をもっと知りたかったから
 だから、何も話してくれなかった時とても悲しかった。辛かったよ」

名雪が、突如俺に抱き着いてきた・・・。まあ、なんとか受けとめる俺・・・

「ごめん、名雪・・・」

名雪の頭をなでながらそうつぶやく・・・

「ふう・・・。まあ、もう言っても良いな。今日、名雪の誕生日だろう。でも、俺は
 あまり、財産の持ち合わせが無かった・・・。そこで、アルバイトをしていたんだ」
「アルバイト?」
「ああ、まああれこれとやって、どうにかこうにか金がたまって・・・。でも、何を
 買って言いか悩んだがな」
「祐一・・・。私の為にバイトをしていたんだ・・・」
「まあ、そんなところだ・・・」

恥ずかしくなり、頬をぽりぽりと掻く・・・

「それに、クリスマスもあるしな。何も渡さないのは失礼だと思ったんだよ」
「ごめんね。祐一がそんな思いでいる事なんて私、考えてもいなかった・・・」
「良いんだよ、何も話さなかった俺も悪い・・・。名雪誕生日プレゼント受けとって
 くれるか?」
「もちろんだよ」
「じゃあ、俺の部屋に一応置いてあるから行かないか」
「うん」

俺の部屋に移動する
異常にでかいネコのぬいぐるみが鎮座していた・・・
ちなみに、定価50万円で8000円まで値下がりしていた・・・
注意しておくと、ONEで出て来たあのぬいぐるみとは違うものです
何でも、誰も買ってくれないので値下げしたらしい

「わあ、大きいネコさんだ・・・。ありがとう祐一」
「いや、気に入っていただけたなら何よりだよ」

名雪が、潤んだ瞳で俺を見ている・・・
恥ずかしいが、これはキスをして欲しい時の目だ
余程嬉しいのだろうか・・・、まあいいか・・・
名雪を抱き寄せて、その唇にキスをする・・・
そして、二つの人影は一つになった・・・

時刻は・・・。午前0時。クリスマスイブの日だな
名雪は、俺の隣で眠っている・・・。だから、そっと
起こさないように、ベッドを抜け出しあるものを取りに行く
クリスマスプレゼントとして用意したもの・・・
それは、指輪・・・。少し高かったが、名雪に渡すのである
別に金は惜しくない。名雪の喜ぶ顔が見たいだけだから
そして、またベッドに入り、名雪の横に寝る・・・
名雪の手を取り、指輪を左手のくすり指にそっと・・・
はめた・・・。

「メリークリスマス、名雪」

外は、雪・・・

「ホワイトクリスマスになるな、今年は・・・
 好きだよ、名雪・・・。君だけを愛している」

一瞬名雪が微笑んだ気がしたが、気のせいだったのだろうか
寝心地の良い寝息をたてて、眠っている・・・

「おやすみ、名雪・・・」

こうして、祐一も眠りについた。朝起きた時の名雪の反応を楽しみにしながら・・・

終わり

−あとがき−

はう、いかがでしたでしょうか・・・。初のラブラブ短編もの・・・
短編として書くのは初です。長編だと色々と書きやすいのですが。
ふう、あれこれと、指摘されそうですが・・・。ラブラブかどうかすら
不明ですが・・・。このSSはdaiさんに捧げたもので、daiさんのHPでも
見る事が出来ます。ちゃんと許可は取っていますよ。こちらに載せても
良いという事なので・・・。では・・・。君だけを・・・。これは、スピッツの
歌にもある題名ですね・・・。ああ、伝え忘れたな・・・。後で連絡しておこう。