俺は生命の危機に陥っていた・・・
何でこんな目にあっているのだろうか?
今、俺は秋子さんに追われているのであった
「祐一さん、覚悟してください」
「俺はまだ死にたくありませんよ」
「大丈夫ですよ。痛いのは一瞬ですから」
「嫌だーーーー」
話を数時間前に戻そう・・・
その日の天気はあいにくと雪だった
雪が降りしきる中、祐一と名雪は学校から帰る途中であった
「なあ名雪、秋子さんはどんな仕事をしているんだ?」
「うーん、私も良く知らないんだよ。今度お母さんに聞いてみたらどう?」
「そうだな、そうするか・・・」
こんなやり取りをしながら帰宅の途に着いていたが・・・
「祐一、家から煙が出ているよ!!!」
「何? 大変だ」
良く見てみると、水瀬家から煙が出ているのである
火事かもしれない。走って家に急ぐ・・・
だが、俺はこの時周りを良く見てみるべきだったんだ・・・
とりあえず、家に戻ると火事ではないが、どうやら台所から煙が出ているようだ
そこで、台所に入ってみると・・・
そこには、黒いマントを羽織って、魔術師のような服をきた秋子さんがいるではないか!!!
しかも、良く見てみるとその手元にあるのは例のジャム・・・
まさか・・・。いつもこうやってジャムを作っているのだろうか。それともあのジャムだけが
例外なのだろうか。しかも、更に良く見てみると、正体不明の生物や、訳の分からない物体が転がっていた
「な、名雪?」
「振り向くと、名雪は失神していた。まあ、秋子さんのあんな姿を見るとは思わなかっただろう」
しかし、煙を少し嗅いで見たが、とてつもなく変なにおいがする・・・
一体何なのだろうかこのにおいは。まさかあのジャムなのか。もしそうだとしたらとんでもないものを
食べた事があるという事なのか? 凄く気分が悪くなってきた・・・・
だが・・・
「そこにいるのは誰ですか?」
秋子さんがこちらに気付いたようである・・・
「あの、今帰ったんですけど・・・」
「祐一さんですか。はっ、まさかみてしまったのですか?」
「はい?」
「そうですか。見てしまったのですか。仕方ありませんね・・・」
「あの、秋子さん?」
「祐一さん、覚悟してくださいね」
「覚悟って何を?」
「これを見てしまった以上・・・。死んでもらいます」
「な、待ってください秋子さん?」
「問答無用」
いきなり、秋子さんがとんでもないスピードでこちらに迫ってきた
大急ぎで秋子さんを避けた俺。そして、そのまま家をとりあえず出る
「逃がしませんよ・・・」
とんでもないスピードで追ってくる秋子さんから逃げつつ、あたりを見まわしてみると・・・
人が倒れている。いや、人だけじゃない。植物はしおれかけているし、枯れかけているのまである
まさか、あのジャムのにおいが原因なのか?
そう考えている間にも秋子さんは迫ってくる
「ふふふ、覚悟してくださいね。祐一さん」
「見逃してください。秋子さん」
「駄目です」
即答だった。必死に追いつかれないように逃げる俺。しかし、体力には限界がある。やばいこのままだと・・・
目の前に商店街が見える。しかし、このままだと本当にやばい。そう思った時・・・
「あっ、祐一君」
「あゆ!!! ちょうど良いところに。俺のために犠牲になってくれ」
「えっ!?」
俺は、あゆを捕まえると、秋子さんに向けて投げ飛ばした
「うぐぅーーーーー」
「邪魔ですよ」
容赦無く、あゆを叩きのめす秋子さん。許せあゆ。その間に俺は一気に商店街の人ごみの中へとまぎれこんだ
「それで逃げたつもりですか?」
懐から例のジャムを詰めたビンをとりだす秋子さん。そしてそれを一気に口に含む
「ふふふ、これでもう逃げられませんよ」
いきなり右手から炎が噴き出し・・・。そして、それを俺のほうに振りかざす
「ぎゃあああーーー」
商店街にいた人々が炎の犠牲になっていく。北川や香里、栞もいたような気もするがこの際だから気にしない事にしよう
それよりも、どんどん迫ってきているし・・・
「祐一さん、覚悟」
「だああ・・・。まずい」
今度こそ終りだと思ったその時・・・
バキーーーン
目の前に舞と佐祐理さんがいて、舞が秋子さんの攻撃を剣で受けとめていた
「あははー、大丈夫ですか祐一さん」
「祐一・・・。大丈夫?」
「なんとかな・・・」
「じゃあ、ここは舞と佐祐理にまかせて逃げてください」
「祐一、逃げて・・・」
「すまない、二人とも・・・」
「あははー、舞行くよ〜」
「はちみつくまさん」
「無駄ですよ」
そして・・・
とんでもない爆音が背後で鳴り響いた・・・
焼き尽くされる商店街・・・
そんな中、秋子さん一人が立っていた・・・
まさか、あの二人を一瞬で倒したというのか?
「さあ、覚悟を・・・」
そして・・・。秋子さんの腕が伸びてきて・・・
俺の意識はそこで途絶えた
次に目を覚ましたとき、それは俺の部屋だった
何事も無かったかのような朝・・・
あれは、夢だったのだろうか
下に下りてみると、何事も無かったかのように秋子さんは朝食の準備をしていた
「おはようございます。祐一さん」
「おはようございます。秋子さん」
名雪はいつものように、遅れて起きてきて、いつもの学校に行く
そして、いつものように1日は過ぎ・・・
何気ない日常の中で・・・
再び悲劇は繰り返される・・・
「祐一、家から煙が出ているよ!!!」
「何? 大変だ」
終り・・・
このSSうちのHPの10000ヒット記念を踏んだ松田健一さんに贈ったSSを本人の許可ありで
載せています。壊れ方はいまいちかもしれませんが、気に入っていただけるとありがたいです。
しかし、壊れ方が中途半端なSSです。やはり、秋子さん以外を壊さなかったのは失敗だったな。
他のキャラも壊す努力をする予定。気まぐれなので壊れは滅多に書かないと思いますけど。
では、これの感想も聞かせてくれるとありがたいです。