黒いカーテンにより外部からの光すら刺さない部屋に彼 カノン・ヒルベルトは居た。世間はクリスマス。 しかし、彼はそんなものとは一切拒絶するかのように ただ一人闇を見据えていた…… 「あー、もうカノン君。カーテンを閉めっぱなしで」 「キリエか」 「そうよ。全く、精神衛生上悪いわよ」 「かつてはこんな部屋で精神を集中させてたからね。 慣れればそうでもないよ」 「カノン君……」 カノンが言うかつてとは語るまでもあるまい。ハンターとして 仲間を自らの兄弟を手にかけようとしたあの頃の事だ。 一瞬、カノンはかつての自分を思い出したのか身体を震わせるが すぐにそれも収まった。 「とりあえず、カーテン開けるわよ」 「ああ……」 外からの光が一気に刺し込む。カノンの目に写ったのは一面の銀世界。 「雪か……」 「ええ、今日はホワイトクリスマスよ」 「そうか。今日はクリスマスだったんだね」 自らの宿命を知っていても幼い頃はアイズと一緒にクリスマスを過ごす事が 多かったカノン。しかし、今は彼らとは距離を取り一人で居る事が多い。 そんな彼の側に何故キリエが居るかと言うと、カノンの監視役である。 歩によって一応全てのブレードチルドレンは結果として救われた。一応と 付けているのは20歳ならなければそれが事実か分からない為である。 清隆辺りは大丈夫だと太鼓判を押していたが、それでもウォッチャー達は 警戒をし、極秘にではあるが今でも監視を続けている。キリエの場合はとある 事情からここ数日カノンと共に生活をしている。 「一応ケーキ買ってきたんだけど食べる?」 「んー。じゃあ、貰おうかな」 「じゃあ、ちょっと待ってなさい。支度するから」 「うん」 人懐っこいカノンの笑顔。だが、その裏には今でも忘れられない忌まわしい 過去が存在している事の裏返しでもある。ケーキを切り終わり紅茶と共にテーブルへと 運ぶキリエ。互いに向き合うように席に座る。 「「いただきます」」 終始無言。食べ終わり、紅茶を飲み終わるまで二人の間に会話はなかった。少し経って 沈黙をキリエが破った。ここで生活する際に聞けなかった事に関してである。 「カノン君。何も聞かないのね」 「突然、僕と一緒に暮らすと聞いた時は多少驚いたけどね。大方の事情は理解してるよ。 まさかキリエが来るとは思わなかったけど」 「貴方の監視を出来るのは私ぐらいなものだと言われたわよ。貴方が本気にならいつでも 巻けると思うけど」 「学園で起こした事件を圧力で揉み消した代わりとして厳重な監視を付ける。清隆が 警察に突き付けた条件なんだろう?」 「そうよ、だから私が来たわ。一応知り合いと言う事でね」 「知り合いね……ここに来たのは清隆からの依頼かい?」 「それもあるわね。後は興味かしら」 「興味?」 「こういう事よ……」 突然キリエは身を乗り出しカノンにキスをする。カノンは身体を動かそうとするが動かない。 「なっ……」 「即効性にしては良く効いたわね……。貴方の紅茶にはちょっとした薬を入れておいたのよ」 「何故……だい?」 カノンは言葉を紡ごうとするが上手く喋れない。痺れ薬なのだろうか。 「そうね。貴方が悲しそうだからじゃ理由にならないかしら」 そう言ったキリエのは笑みを浮かべる。悲しい笑みを…… 「ふふっ、カノン君のこれ大きいわね」 「くっ」 部屋のベッドでカノンは腕を縛られ横たえられたまま、下半身を剥き出しにされていた。 彼にとってはこの上ない屈辱だろう。そんなカノンの顔を見ながらキリエはそれを手にしていた。 「溜まってるかしら……びくびくしてるわよ」 「そ、そんな事はな……くぁぁっ」 否定しようとした瞬間、キリエの手が物の先端を優しく刺激する。数多くの戦闘により カノンの身体は痛みには慣れているが、この手のにはなれてないのだろう。快楽に身体が震える。 「や、止めろ……」 「駄目よ。今から私の色にカノン君を染めて上げる……」 そう言ったキリエの笑みは妖絶でカノンは底知れぬ恐怖を覚えた。 「んっ……カノン君はここが弱いのね」 「くっ、そこは……ぐぁっ」 キリエの舌がカノンの物を這いそっていく。ちゅるちゅると先端を吸いたてたかと思うと一気に 喉奥まで飲みこんだり、玉の部分を片手で刺激しカノンを翻弄する。 「止めろ……それ以上されるとで、出る」 「出して良いのよ。全部、私の口の中にね」 「くっ、出る!!」 次の瞬間。凄まじい量の精液がキリエの口の中に出されたがキリエはそれを苦ともせず 全て飲んだかと思うと綺麗にする為に先端を吸いたてる。 「一杯出したわね。ふふっ、でもまだこんなに元気……」 「止めろ……」 「駄目よ。言ったでしょう。私の色に染めるって。それに私のここはもうこんなになってるのよ」 キリエはスカートを捲り上げるとそこに下着はなく濡れそぼった秘部がカノンの目に写った。 「ふふっ、入れるわよ……」 カノンの上に跨ったかと思うと次の瞬間、一気に腰を下ろし入った瞬間軽くいったらしい。 少しの間身体を痙攣させてその余韻に酔いしれていたかと思うとゆっくりとだが腰を使い始める。 「くっ……」 「んぁぁっ、か、カノン君の大きい……奥まで届いてる」 「き、キリエ……そんなに動かれると」 「また気持ち良くて出るのかな?」 「そ、そうだ……だから」 「駄目よ……今日は私がカノン君に教えて上げる」 「えっ?」 「ふふっ、最初に言ったのも本当よ。でもね、愛してもいるわ」 「だからと言っていきなりこれは……くっ、そんなに締め付けると」 「こんな関係は嫌かしら?」 そう言って腰を寄り大きく動かして行くとカノンは射精しかけるが辛うじて耐えて答える。 「嫌じゃない。けど、キリエの事を愛しているかどうかは微妙だよ。それでも良いのかい?」 「今は良いわよ。絶対に振り向かせるから」 「強気だね……」 「当然よ。んっ、そろそろいきそうよ」 「こっちもだ……キリエ、キリエ……」 「カノン君、一緒に。んっ、あぁぁぁぁぁぁぁ」 情事の後。カノンは腕を解放されてゆっくりと回している。 「キリエ」 「何?」 「今度は僕がキリエを僕の色に染めて上げるね」 「カノン君……あっ」 とりあえず、二人のクリスマスはこんな風に過ぎて行くのであった。 後書きならぬ失敗談…… 最初に浮かんだのはアイズと理緒でしたが次に浮かんだのが香介と亮子。 三番目にこいつら……で、書いてるのはこいつらが最初(ぉぃ) おかしい。こいつらのは退廃的なHを書く予定がなんでキリエ攻めなんですか。 しかも、理由がなぁ……良いんですけど。女性攻めはちょっと研究しないと不味い。 正直書きたい事の半分くらいしか書けてねぇ。まぁ、これの続きを書くとしたら 別枠作りますよ。こいつらが好評であればですが(ぉ やっぱカノンからじゃないと駄目だろうとか言われそうだし(誰もいわねぇよ) とりあえず残りも書くとしますかねぇ。ああ、考えて見たらカノンをSSで書くのは 二回目だ。上手く口調とか書けてないのでこれも研究しよう。 失敗談で語るとすれば。退廃的でないのはこのさい置いておくとして。 やっぱあれかな……個人的に満足行くエロの領域ですらないのかな。 まぁ、女性攻めのは何本か書いてますが。納得できてないのが多いし。 少々スパイラルのキャラではエロを書く事に限界を感じる作品でもあります(ぉ