全ての始まり
降り続ける雪。
街のいたるところを白く染めてゆく。
大きいもの、小さいもの。色々な形や大きさをした雪がある。
そして、そのまま積もる雪、すぐに融けて、無くなってしまう雪。
色々な表情を残して・・・
すべての雪は、やがて無に帰る。
人間、誰もが雪のような存在。
大きな雪雲から生まれでて、ゆっくりと、ただゆっくりと降りていく。
その途中で融けて雨になってしまうものもある。
かと思えば、地面に降り立った後でも、雪のままでいようとするものもある。
私は、どんな雪だろう。
まだ落ちている最中かな。
もうそろそろ地面に着いてしまうのかな。
それとも、もう地面に降り立っているのかな。
コンビニを出ると、もう雪は止んでいた。
「もうちょっと、見ていたかったな・・・。」
白い息を吐きながら呟く。
本当に、もう少し見ていたかった。
雪が降りつづける風景を。
色とりどりの街が、白一色に染め上がっていくのを。
もう少し、考えていたかった。
人を降り積もる雪に置き換えながら。
私は、どんな道をたどるんだろう、と。
雪。白く、ただ白く、地面に積もる結晶。
私は消えゆく雪。
今にも融けそうで、まだ融けない、というくらいの、儚い雪。
地面に突いた瞬間、蒸発してしまうくらい、弱々しい雪。
そして、周りの雪から「どうしてそんなに急いでいるんだい?」
と、声をかけられそうなくらい、速く降りて行く雪。
見慣れた並木道を歩く。
木々に積もり地面に積もり、全てを白く染める、雪。
いっそのこと、私も雪に染まって、消えてしまいたい。
どうせもう、長くは続かない命だから。
これ以上生き続けても、迷惑がかかるだけだから。
私が今、一番大切に思っている人に、悲しい顔をさせるだけだから。
白い道を歩く。
少しでも多く、記憶に残せれるようにと、ゆっくりと、ゆっくりと。
もう、見るつもりの無いこの気色を。
思うのは、自分の姉の事ばかり。
いつもいつも、優しく笑っていてくれた姉。
その姉が、私が病気である事を私に教え、そして私に心を開いてくれなくなった。
どうして?私がお姉ちゃんに笑顔を見せると悲しい顔をするのは。
一緒に笑いたい。色々な話をしたいのに。
どうして私を避けるの?
そうだ・・・。きっと私がいるから、こんなに悲しいんだ。
お姉ちゃんは私の事を心から心配してくれている。
心から思ってくれている。
それが、今となってはお姉ちゃんには・・・重荷になっていて、
私の笑顔は・・・耐え難い苦痛になっているんだ。
ごめんね、お姉ちゃん。
私といる事が、苦痛になっているんだよね。
今すぐにでも、その苦痛から解放してあげたい。
もう、いいよ。心配しなくてもいいよ。
どうせすぐに消え行く命だから。
すこしくらい早く消えてしまったって、多分許されるよね。
「お姉ちゃん・・・」
その時、私の上から何かが降ってきた。
物思いにふけっていた私は、その落ちてきたものを避ける事が出来なかった。
そこに走り寄ってくる人影。
力が抜けて座り込んでいて、雪を体中にかぶっていて。
私に起こる「奇跡」は、あたかも少女マンガのように始まった。
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・・・いまいち。ところで、文章(一太郎とか、Woadとか。)のファイルって、貼り付けて送る事できないんでしょうか?
もし出来るのなら、やり方を教えて下さい。
それでは。
<管理人からのコメント>
どうも、ありがとうございます。栞SS・・・。書いたこと無いので参考になる作品でもあります。
さて、コメントを・・・。栞の思いが書かれてとても良いSSだと思います。死のうとした栞・・・。
しかし、そこにあの二人が出て来た・・・。これで栞の決意は変わるわけで・・・。そこから始まる
「奇跡」。運命は何が起こるか分からないから楽しいんですよね。
あう、コメントで無いですが・・・。無人さんありがとうございます。