相沢君、親友や従兄弟と共に4人で帰ります。
その時、ふと秋子さんに出会いました。
祐一「秋子さん、今から何処に行くんですか?」
秋子「ちょっと食料の買い足しに。」
そこで名雪が怪訝な顔をします。
名雪「でも、冷蔵庫にはまだ食べ物残ってたよ。」
秋子さん、少し考えてから。
秋子「ええ、ジャムを作ろうと思って。」
祐一「ジャムって、まさか・・・。」
秋子「ええ、『甘くないジャム』です。」
祐一と名雪と、香里の顔が真っ青になります。
秋子「もう在庫が少ないですから。」
祐一「在庫が・・・」
香里「少ない・・・?」
誰が食べたというんでしょう。
その疑問は恐すぎて、誰も聞く事が出来ません。
秋子さんはそのまま商店街へ行きました。
北川「なぁ・・・もしかしてそのジャムって・・・。」
名雪「そうだよ・・・。」
祐一「そう、その昔はその原点とも言える食べ物がマンモスの狩りに使われ、
戦国時代には火縄銃の次に渡来した兵器として重宝され、
さらにナチスドイツのヒトラーが愛用した毒薬といわれている、
あの、『毒性はないはず』の毒薬だ!」
どんなジャムなんでしょう。
北川「なるほど、それが噂の・・・。」
何処で噂になってるんでしょう。
香里「どっちにしても、あの材料が何かは興味深いわね。」
名雪「そうだね。」
北川「相沢・・・何を使っているか調べてみないか?」
相沢「いや、俺もずっと思ってたんだ。」
そしてみんなは、商店街へと赴きました。
祐一「こちら本部、各人配備は完了したか?」
北川「大丈夫だ。」
名雪「OKだよ。」
香里「私も大丈夫。」
祐一「そうか、出は秋子さんを見付け次第尾行してくれ。」
・・・数十分経過・・・
香里「来たわ。追尾するわよ。」
秋子さんが来た所は・・・
祐一「化学薬品の店!?」
香里「そうなのよ。何に使うの?」
祐一「そりゃぁ・・・ジャムだろ?」
香里「そうだと思うんだけど・・・。」
祐一「で、今は秋子さんは?」
香里「名雪がはってるわ。」
名雪「お母さんがスーパーに入ったよ。」
祐一「さっきのとこに比べると普通だな・・・。」
名雪「そのままたばこ売り場に・・・。」
祐一「なぬぅ!?本とに何を材料としているんだ?」
名雪「さぁ?あ、そうそう、今お母さんは北川君が追ってるよ。」
北川「あ、相沢・・・。」
祐一「北川!どうした!?」
北川「水瀬の母さんって、本当は何をやっているんだ?」
祐一「さぁ?」
北川「なんかの売人から何か買ってたぞ。」
祐一「売人・・・。」
とりあえず祐一君達、一緒に水瀬家に忍び込みます。
そして台所を覗き込みます・・・。
秋子「さて、作りましょうか。」
祐一「おい、今からいろいろ取り出すぞ。よく見とけ。」
そして出てきたものは・・・。
トリニトロトルエン、ホルムアルデヒド、ニトログリセリン、ギ酸、
ジエチルエーテル、パラジクロロベンゼン、ニコチン、タンニン、タール。
それから、覚醒剤、マリファナ、コカイン、ヘロイン、阿片。
・・・阿片って、その前の何かと一緒じゃなかったっけ?
香里「こんなの混ぜたら・・・反応が進んで爆発するわよ。」
名雪「そう言えばお母さん、隠し味がミソだって。」
祐一「隠し味・・・か。」
と、そこで秋子さんが取り出したもの葉・・・。。
北川「紫色のビン・・・?」
それを・・・おもむろにいれます。
そして秋子さん、鼻歌交じりでジャムをかき混ぜます。
香里「爆発・・・!」
祐一「しないぞ。」
不思議な事に、味見までしています。
北川「毒性も消えてるみたいだな。」
あの紫色のビンのせいでしょうか?そうだとしたら・・・。
祐一「ノーベル賞もの、だな。」
秋子さん、台所を出て行きます。
祐一「よし、北川。あの紫色のビンを手に入れてこい。」
北川「なっ!なんで俺がっ!」
祐一「おいしいシーンだぞ。」
北川「よし、行くぞ!」
なんて分かりやすい性格でしょう。
ともあれ、北川君はビンを取ろうとしました。
すると・・・。
秋子「そこっ!!」
秋子さんが猛スピードで突撃してきました。
火花。閃光。そして叫びが・・・。
祐一「聞こえない!北川の断末魔の叫びが聞こえない!」
北川は・・・。秋子さんと手を組み合わせ、力勝負を展開していました。
香里「北川君・・・。」
ジャムの正体を知られない様、北川を抹消しようとする秋子さんと、
目立とう精神でその秋子さんと互角の力を出す北川。
祐一「どう考えても最強の闘いだな。」
皆同意しました。
その均衡は・・・秋子さんによって崩れました。
ふっ・・・と秋子さんが後ろに倒れ、北川の体が宙に浮きました。
香里「・・・巴投げだわ!」
そして落ちてきた北川を引き寄せ、北川のみぞおちに・・・
祐一「あ、あれは・・・崩拳!」
そうです。かつて某リーフ作品でヒロインの一つが放った技です。
ちなみに無人がそのヒロインを好きだというのは秘密です。
どっちにしろ、秋子さんの力にそんな技が合わされば、
北川もどうしようもありません。
そのまま吹っ飛びました。
祐一達は北川に駆け寄りました。
香里「北川君は!?」
祐一「・・・多少致命傷が見受けられるが、まぁ大丈夫だろう。」
ちなみに、名雪は途中から寝てました。
「くー、いちごジャムおいしー。」