予定してたのとは別のブツです…
強いて言うなら、何となく浮かんだので書きます。



「同じ日に二度も来る事になるとはね」


カノン・ヒルベルト。ブレードチルドレンであり、
それを狩る者「ハンター」として来日した男。
彼は今。理緒が入院している病院の前に居た。
先程も来て襲撃をかけたが阻止された。
同じ日にまた来る理由は不明である…



こんこんっ


「はい、どうぞ」
「やあ、お邪魔するよ」
「カノン君!!」
「そんなに怖い目で見ないで欲しいな」
「ついさっきの、今だよ」
「今度はちゃんとした見舞いだから安心してよ」
「……」
「まぁ、武器は生憎と持ってるから預けておくよ」
「預かった瞬間、撃つ可能性もあるよ」
「だろうね」
「どうして、アイズ君を刺したの!?」
「言わなくても分かっているだろう。ハンターとして来たからさ」
「分かってる。でもっ!!」
「例え、どんなに親しい友人でも、肉親だろうとその手にかけてしまう。
 それが、呪われた子の……ブレードチルドレンの運命さ」
「だからって……だからって……」



そう。ブレードチルドレンはその手を血に染める呪われし存在…
決して逃れられない宿命と言っても過言ではない。



「だから…今は一人の友人として理緒、君を見舞いに来た。アイズの方は面会謝絶だからね」
「その言葉信用して良いの?」
「今、ハンターは一休みと言ったところさ。なかなか武器の調達には苦労するんだよ。これでも」
「一休みって」
「ウォッチャーもわざわざ見舞いにまでは口出ししないと思うけどね」
「つまり…今この場だけは休戦と考えろと言う事?」
「うん」
「じゃあ、念の為に武器を渡して」
「良いよ。はい」


懐から違法改造エアガンを取りだし、理緒に渡す。
理緒はそれを後ろに隠すと。少しだけ普段の顔に戻る。


「それで……カノン君」
「何だい」
「清隆様には会ったの?」
「唐突な質問だね」
「答えて……」
「会ったよ」
「説得されたの? それとも……」
「その辺は清隆の弟の推理かな。説得とは言わないよあれは」
「何を言われたの?」
「これは、僕のプライドに関わる問題だから秘密」
「そう。一応、弟さんの言ってた事は正しかったと言う事」
「何て言ってたんだい?」
「カノン君が敵対するように仕向けたって」
「まぁ、正解だね」



あの時、清隆はカノンに言った言葉。それは、ハンターとして動こうとした
カノンを挑発するかのような一言。


「君はもう誰も殺せないだろう」



カノンはその一言に反発した…だが、清隆は不敵な笑みでそれを一蹴した。
そのせいもあってか。カノンはアイズを会った直後に刺した。
だが、結果としてアイズはまだ生きている。意識不明ではあるが。


「まぁ、それはともかく。今日のところはこれで退散させてもらうよ」
「……」
「次に会った時はまた敵同士」
「分かってるよ」
「それじゃ、武器を返してもらえるかな」


理緒はカノンに武器を返そうとしたが…いきなりエアガンの銃口をカノンに向ける。
その目はかつて、歩と敵対していた時の冷酷な目だった…



「何のつもりかな」
「動かないで」
「動いたら撃つようだね」
「カノン君、私達を殺す事を辞める気はないの?」
「ないね。それと……」
「何……その笑みは?」
「僕は用心の為にいつも2丁持ち歩いている…ただ、一つは玩具でね」
「えっ?」
「ひょっとしたらそれは、玩具かもしれない。そう思わないかい?」


一瞬、理緒の思考が止まり隙ができる。カノンはその一瞬の隙を見逃さず
懐から銃を取り出し、理緒に向ける。


「さて、どっちが本物なんだろうね?」
「くっ……」
「大人しく銃を下ろしてくれたら僕も下ろすよ」
「……」


仕方なく、理緒は銃を下ろす。それを確認するとカノンも銃を下ろした。



「さてと、それじゃ今度こそ去るよ。次会う時は本当に殺すから」
「絶対に止めてみせるよ…カノン君」
「ああ、そうそう。今持って来ていた銃は全部玩具だから」
「えっ!?」
「ほら、こんな風に」



そう言ってカノンは引き金を引く。二丁とも弾は出ず、代わりに各国の旗が出てくる。



「それじゃあね」



カノンが出ていった後、理緒の悔しそうな声が部屋に響き渡った。




「ふう。どうにか切り抜けられたかな。理緒には可哀想な事をしたけど」


そう言って空を見上げる。夕暮れで赤く染まる空…
それはまるで血の色を象徴しているかのように見える。



「この手はもう血塗られている。今更、何を躊躇っているのかな僕は」



先程、理緒を殺さなかった理由。どこかに躊躇いがあった事を多少なりと
自覚している。あの時は邪魔が入ったから殺せなかった。
だけど、今は? いつでも殺せていたはずだ。



「まぁ、考えても仕方ないか。次の機会があるさ」



そう言って街を歩くカノン…
歩とカノンの戦いはこの数日後に起きる事になる。










後書き…


とまぁ、4コマを見て突発的に書きたくなったブツ…
しかし、どこをどう間違ったらこんなのになるんだろうか。
本当はカノンとひよのをストーリーにする予定だったが。
(ほら、カノンの父親うんぬんかんぬんのところを題材に)
あの4コマで運命は変わってしまった(爆)

更にだ、ラブラブまではいかないにしても多少ほのぼのを
入れる予定が。入ってねぇよ。一個も(ぉ
まぁ良い。たまにはこんな事もあるさ。
もう一個書いている、歩とひよのはうまく行く事を願おう。

とまぁ、これにて…