最初の18禁のアレとは全く別のお話として考えてください
歩とひよのは付き合ってはいますが。一応、肉体関係は一度あり(ぉぃ)
ひよのは、原作どおり、鳴海さんと呼ばせます(死)


昼休みの学校の屋上
いつものように昼飯を食べていると
聞きなれた声が耳に届く


「なーるーみさん」
「なんだ、ひよのか」
「元気がないようですけど、どうかしたんですか?」
「別に…」
「悩みがあるんだったら、恋人であるひよのちゃんで良ければ聞いてあげますけど」
「本当に何でも無いんだ。悪いけど一人にしてくれ」
「そうですか…」


そう言って、ひよのはすごすごと屋上から去っていった
悪い事をした。そう思いながらも思い悩む


「俺は本当にあいつを幸せ出来るのか?」


考えていても仕方が無い事ではある
自己満足の領域かもしれないが、ふと考える
前に聞いた時、ひよのはこう言い切った


「鳴海さんと一緒なら、どんな不幸にだって耐えられますよ」


答えはわかっている。だが、俺には無い…
あいつを幸せにしてやれるという自信が





時は過ぎ放課後…



「何で俺はここにいるんだ…」
「誘ったからだ」


目の前にいる男、アイズ・ラザフォードは俺の呟きにそう答える
ここは、浅月の部屋らしい。居候させてもらっているとの事である
放課後。ひよのがいるであろう新聞部の部室には行かずに
夕飯の買い物をしていたら、突然こいつに拉致された


「拉致とはひどいな。せめて、お茶に誘ったと言ってくれ」
「どっちもどっちだろうが」
「その通りかもな」


そう言うと、ラザフォードの奴はコーヒーを俺の前に差し出した
飲んでみるとかなりうまい。なかなかのものだなと素直に思う



「さて、ここに連れて来た理由は他でもない」
「何だよ」
「いやに暗い顔をしていたので、強制的に連行しただけだ」
「ちょっと待て。俺をそんな理由の為だけにここに連れてきたのか?」
「たまには、相談にのってやろうと思っただけだ」
「ちっ。帰るぜ」
「何をそんなにいらついている? ヒヨノに関する事か?」
「なっ!?」
「図星のようだな」
「……」
「まぁ、何を思い悩んでいるかは知らないが。そんな調子だと
 ヒヨノを悲しませるだけだ」
「分かっている」
「なら良いが。話ぐらいは聞いてやろう」
「どういう風の吹き回しだ?」
「他意はない。ただ、興味はある」
「興味?」
「他人の恋愛とはどんなものかがな」
「悪趣味だな」
「良く言われる」
「そう言う、お前は誰かと付き合ってるのか?」
「いや。全くだ」
「てっきり、理緒辺りと付き合っていると思ったが」
「リオは大切な仲間ではあるがそういう目では見た事はない」
「そうか」
「では、聞かせてもらおうか」



ラザフォード相手に複雑だが今の自分の心境を話し始める
熱心に聞いてくれるせいか、色々と雑談を交えながら
何とか、話終えた…


「なるほど…。幸せか」
「ああ」
「はっきりと言えば、良くある悩みだ」
「良くある悩みか」


少し疑わしい目でラザフォードを見る
それを全く無視して話を続けやがる


「良くあるというのは大抵誰しも似たような事を考えると言う事だ。分からないでもない」
「……」
「昔、聴いたことがある。自分を好きになれないものが他人を好きになれる
 はずがない。 それと、同様に自分が不幸と思っているのであれば
 他人を幸せに出来ないと思うが。 ナルミ弟。お前は今不幸と思っているか?」
「そんな事、あるわけないだろ」
「そうか。なら良いが」


言葉を続けて言おうとした瞬間、部屋のドアが開き
陽気な声が聞こえてくる


「アイズ君、いる〜?」
「リオか」
「アイズ君、何でここに弟さんがいるの?」
「拉致した」
「おい…」
「冗談だ。 まぁ、半分は本当だが。話をしていた」
「へぇ〜。まぁ、それは良いんだけど。何のお話?」



仕方ないのでもう一度話をする事にした
こういう場合、女の意見も聞いた方が参考にはなるはずだ


「なるほど。幸せについて話していたんだ」
「ああ。ナルミ弟は非常に悩んでいるようだがな」
「うるさい」
「簡単に考えれば良いと思うけどなぁ」
「簡単に?」
「うん。私の場合はこーすけ君やアイズ君が傍にいてくれるだけで
 幸せだよ。ひよのさんも弟さんが傍にいてくれるだけで幸せだと
 思うんじゃないのかなぁ」
「そうだな。好きな人が傍にいてくれる。それが何よりの幸せだと思うぞ」
「……すまないな。ラザフォードに理緒こんな簡単な事を忘れてたなんて」
「礼は今度何かを奢ってくれれば良い」
「私にも〜」
「ああ、分かった。ひよのの所に行って来る」



そう言って俺はすぐに駆け出した。
ひよのがいる場所多分、それは…



新聞部の部室…


ひよのはただ一人そこにいた。予想通りだった
ドアを開けて入った時、俺の顔を見てびっくりしていた
まぁ、それはそうだろう。汗をだらだらかいて
必死の形相だったに違いない
今はとりあえず、自分の思っていた事を話終えてコーヒーを飲んでいたりする


「はぁ、びっくりしましたよ。いきなり現れるんですらか」
「すまない」
「でも、嬉しかったですよ。鳴海さんが私の事を色々と考えててくれて」
「言うな。どうして、こんな簡単な事に気づかなかったのかと思う」
「そうですね。それが当たり前だからじゃないですか?」
「ひよのが俺の傍にいてくれるように、俺がひよのの傍にいる事がか」
「ええ。だから、見落としてしまいがちなんですよ。幸せを」
「そうだな…」
「さてと。それじゃあ帰りましょうか」
「そうだな…だが、その前に」
「えっ?」


こちらを見た瞬間にその唇を奪う…
ひよのが一瞬驚くが素直に受け入れてくれる。
触れ合うだけのキス


「不意打ちは酷いですよ」
「悪い。でも、どうしてもな」
「くすっ。じゃあ今度は私からです」


再び唇が触れ合う
幸せそうな二人を夕日だけが見ていた





後書き…

なんじゃらほい…(ぉぃ)
書いてたら、すらすらと。こんな内容に
1話とはまた別の角度から違った話で
とまぁ、Hシーンを書こうかと思ったけど
合わないので止めて。


幸せはまぁ、気づきにくいものだなと
このSS書いている間に思ってみたり
何気ない事が幸せなのだと、書きたかったと言うか
だああ、どう言って良いのか分からん
まぁ、そんなところです
この二人にとっては、ああいうのが幸せだろうと
思ったりしてます。それでは、また