エギルがリアルでやってる店、ダイシー・カフェ。昼ならば客は居ないに等しい喫茶店
兼バー。俺はそこでエギルにとある相談をしていた。

「やたら深刻な顔で相談があると言うから何事かと思ったら……何とも思春期の少年らし
 い悩みだな」
「正直、こんなのはあんたにしか相談できないんだよ」
「まぁ、クラインの奴にリアルでもゲームでも……相談をしたら問答無用で殴られる事に
 なるだろうな」
「だろ? 頼む。こんな相談できるのあんたしか居ないんだ」
「はぁ……まったく。要はアスナとのエッチで満足……させれているかどうか不安で仕方
 がないと」
「それもある」
「まだあるのか」

 溜息を尽きつつも話は聞いてくれるらしいので言葉を続ける。

「アスナにもその……色々としてほしいんだが」
「本人にそれを言え」
「それが出来ないから困ってるんだが」
「まったく……嫌われるとか考えてるんだろ。どうせ」
「うっ……」

 エギルは再び溜息をつく。まったくその通りなので反論など出来るわけがなかった。

「そんな程度で嫌われるとか考える辺りは……年相応で安心だな」
「こっちは真面目なんだけど」
「こちらだって真面目だ。俺から言える事は一つだけだ。ちゃんとしたい事やしてほしい
 事は彼女に言え。別れた理由がセックスでの不満でしたなんて笑うに笑えない」
「わ、別れたりなんかしないっ!!」
「それは絶対と言い切れるか? 不満を抱えたままの性交渉なんざいずれ破綻すると断言
 してやる。重要なんだぞ。そういうのも」
「わ、分かった」

 何となく分かるような釈然としないような。とりあえず重要なのはきちんと言葉で伝え
るという事かと納得はする。

「まっ、キリトがこの調子となると、アスナの方も同じような事は思ってそうだがな」
「そういうものなのか?」
「ああ、そんなものだよ」

 同時刻。ALO内にて。

 NPCが運営してるレストランにて私は親友のリズにとある相談をしていた。

「ねぇ、聞いてる。リズ」
「つまりキリトに気持ち良くして貰ってるばかりじゃ、駄目な気はするけど自分もしてあ
 げたいとは言えないと」
「うっ……」
「はぁ、まったく。キリトの事で相談があるって聞いた時には何をやらかしたのかと思っ
 ていたら。こんな相談をされるなんてね」
「ごめん。でもこんな事を言えるのはリズしか居ないのよ」
「私だってこんな恥ずかしい相談を受けたのは初めてよ。それにしても、ちゃんとする事
 はしてるのね」
「する事はって……もう」

 顔が熱くなる。それを見ながらリズはやれやれと言いながら。

「声に出して言わないとちゃんと伝わらないわよ。そういう事は」
「そ、そうなんだけど」
「どうせ、キリトにエッチな女の子と思われたくないとか、嫌われちゃうんじゃないかと
 考えてるんでしょ?」
「そ、そんな事……ぅ、そ、その通り……よ」

 事実なので、躊躇いつつも肯定する。だってそんな風に思われて最悪……嫌われたらっ
て考えると、とてもじゃないけど言えない。

「んー……キリトだって現実では年頃の男の子なんだし。似たような事は考えると思うん
 だけどなぁ」
「似たような事って?」
「今アスナがしたような相談。誰かにしてそうな気がする」
「ええっ!? そ、それはそれで恥ずかしいんだけど」
「まっ、あくまで予想だからね。ただ、似た者同士だからどうなのかなぁ」
「り、リズ……」
「ああ、もうはいはい」

 リズは私の頭を撫でながら一言。

「とりあえず、きちんと伝えてあげなさい。キリトがアスナの事を嫌ったりするわけない
 んだから」
「う、うん。頑張ってみる」

 その夜ログインしてホームに入った俺をアスナが出迎えてくれた。

「お帰り、キリト君」
「ただいま、アスナ」

 リアルでは互いの都合で一緒に出掛けたりする事もままならないが、こちらではその分
を埋めるように二人きりの時間を作るようにしている。
 まぁ、学校の事を話したり、今度の休みのときはどうするかとかクエストの事を話した
りして、それから……。

「えっと、じゃあ、シャワー浴びてくるわね」
「あっ、ちょっと待って、アスナ」

 思わず呼び止めてしまう……こ、この一言は本当に勇気が要るが言わないと先に進めな
いわけで。ええい、ままよ!!

「一緒に入らないか?」
「えっ……えっと……う、うん」

 顔を赤くしつつ、小さな声で返事をしてくれた。

「き、キリト君……胸ばっかりだめぇっ」
「感じすぎちゃう?」
「ば、ばかぁ……ああっ、やっ、いく、いっちゃうっ!!」

 いっちゃったアスナの頭を撫でつつ、落ち着くのを待つ。最初は普通に洗うだけのはず
だったんだけどなぁ。アスナの背中を洗っていたら、我慢が出来なくなってしまい、背後
から手を回しこのような行動をしてしまった。

「キリト君のエッチ……」
「ごめん、アスナを見てたらつい」
「そんなに触りたかったの? わたしの胸」
「う、うん……触りたかった」

 顔が赤くなるのを自覚しつつきちんとその事を伝える。エギルも言ってたしな。きちん
と伝えろと。

「でも、おっぱいばかりじゃなくてちゃんと他のところも洗って」
「わ、分かった」

 少し呆れつつも怒ってはないようだ。恥ずかしがってるのは表情で分かるけど……と今
度は下半身へと手を伸ばし、明らかに普通の水ではない感触が伝わってくる。

「アスナ、すごく濡れてる」
「き、キリト君があんなにするから……んっ」
「ここもきちんと洗うからな」
「あ、洗うって……そこは自分でああっ」

 アバターなので当然毛は存在しないその部分を思う存分なぞりあげ、敏感な部分も当然
刺激する。

「き、キリト君……また、いっちゃう、いっちゃうよぉ」
「良いよ。何度でもいってアスナ」
「いくっ、いっちゃう!!」

 身体を何度も痙攣させながらアスナはまた上りつめる。落ち着いたのを見計らって軽く
シャワーで流す。

「も、もう。キリト君ばかりずるい」
「ず、ずるいって言われても……なぁ」

 そういう俺に顔を向けてアスナはこう言う。

「わたしも……キリト君がわたしを気持ち良くしてくれたように、キリト君を気持ち良く
 してあげたい。だめ?」
「お、お願いします」

 そう告げると、アスナは体勢を変えて、こちらを向いて下半身に手を伸ばしてくる。

「お、大きくて……硬いね。いつも思うんだけど苦しくないの?」
「苦しくはないけど……歩き辛くなるかな」
「そ、そうなんだ。こうすると気持ち良いのかな?」

 恐々と触りながらゆっくり"しこしこ"としごき始める。正直な話それだけでもかなりの
興奮で……やばい事に。

「気持ち良い? キリト君」
「ああ、良すぎる……ご、ごめん、アスナ、出るっ!!」
「えっ、きゃぁっ!!」

 勢い良く出たそれはアスナの顔にかかってしまい、それはそれでなかなかエロい光景に。

「今までじっくり見た事なかったけど……あんな風に出るんだ」
「あ、ああ……ってアスナ。ほら顔を洗って」
「えっ、あっ……うん……でも」

 あっ……と思ったらアスナは顔についたそれを掬い取って口に含んでしまう。

「これがこの世界でのキリト君の味なんだね」
「あ、ああ……」

 その言葉に少し興奮を覚えつつ、やはりするならきちんとしたいと思う。このままする
のも魅力的だけど。

「ベッドに行こうか」
「うん……きゃぁっ」

 アスナを抱きかかえてそのままベッドに行ってゆっくり下ろすと同時に正常位の体勢に
なり、一気に入れて腰を動かす。

「ああ、良いよ……キリト君。また、いくっ、いっちゃう!!」

 アスナがいったのを確認して、まだ出してない俺は今度は彼女に上になってもらう。

「ああ、こ、こんなの恥ずかしいよ」
「そう言いながらもう腰が動いてる」
「い、言わないでっ、ああ、と、止まらないの!!」
「もっと動いて良いよ。そんなエッチなアスナも俺は好きだよ」
「こ、こんな時に言われてもあんまり嬉しくな……わ、私も好きぃ。エッチなキリト君も
 大好きぃっ!!

 アスナだけに動いてもらうのもあれなので、下から突き上げると更に可愛い声で鳴いて
くれるアスナを見てまた限界が来る。

「出すよアスナ」
「うん、出してそのまま……出してぇっ!!」

 中に全て出した後……俺はこちらに身体を預けてきたアスナの身体を受け止め労るよう
に頭を撫で続ける。
 どのくらいそうしていただろうか……不意にアスナが口を開く。

「キリト君……ひょっとして今まで激しくするのとか結構我慢してくれてた?」
「……。はい」
「そうなんだ。ごめんね気付けなくて」
「良いんだ。俺の方も多分気付けてなかった事が多かっただろうしお互い様だよ」

 何となくだがそんな気がした。俺が嫌われたくなくて我慢していたように、彼女もきっ
と我慢してた事はあると分かる。
 だって俺達は恋人であり……ゲームの中では家族なのだから。

「さっき言ったけど。エッチなキリト君も大好きだからちゃんと言って欲しい。嫌ったり
 なんてしないから」
「分かった。ちゃんと言うからさ。アスナもな……俺だってアスナを嫌ったりなんてしな
 いんだし……大好きだからな」
「う、うん……んっ」

 お互いの気持ちを確認したところで軽くキスを交わすのを何度も繰り返す。アスナが愛しすぎる。

「ねっ、キリト君。腕枕してよ」
「ああ、どうぞ」

 腕を伸ばすと早速そこに頭を置いて横になる。現実でやったら腕が痺れるんだよなこれ。

「こっちだけじゃなくて、リアルの方でちゃんと言ってね……努力するから」
「う、うん。分かった」
「一杯したからかな。眠くなっちゃった」
「少し寝ようか」
「うん、おやすみなさい。キリト君……愛してる」
「おやすみアスナ。俺も愛してるよ」





 おまけ

「その様子だとうまくいったようだな」
「お蔭様でね」
「の割にはまだ何か不満がありそうだな」
「時間がいくらあっても足りない」
「……。諦めろ」
「ところで……クラインは何で昼間から酒飲んでるんだ?」
「悪夢のような出来事があったらしい」

 店の片隅で一人なにやらぶつぶつ言いながら何杯も酒を飲んでるクラインを見てただ思
う事は一つ。ああはならないように気をつけておこう。




あとがき

 ひゃっはーーーーーーーー。書ききった。書ききったぞ俺w そして本当にエロは全部
削ろうかと思ったくらい疲れたorz
 結局書いちゃったけどなぁぁぁぁぁ。書いたよマジでorz 書き方はいまだに要研究だ
なこれ(汗) 何度やり直しても納得できる領域じゃないし。流れなども考えるとちょいと
ねと思いつつ。
 クラインの身に起きた事は別の話できちんと書きます(ぉ

追記

 このあとがきを書いてるのはかなり前なので、まぁ、見逃して(汗
 クラインのはぼちぼちと書いてます。