新しい1日がはじまる。
なにも変わらない1日が…。
休み時間になって俺は北川に、昨日の考えを説明した。
「良いじゃんそれ」
「だろ?」
北川は俺が思っていた以上に喜んでくれた。
ふう…。
とりあえずは俺の肩の荷が軽くなったな。
「それで、美坂達にはいつ言うんだよ?」
「ああ…それなんだが…」
と、その時。
教室のドアが思いっきり開けられる音がした。
「相沢君!あっ、北川君もちょうど良かった。急で悪いんだけど、明日の日曜日暇?」
「な、なんだよ急に…」
俺が聞き返すと香里は流れるように言った。
「特に理由は無いわよ。暇なの?暇じゃないの?」
「いや…暇だけど…」
「じゃあ遊園地に行かない?名雪も誘って四人で」
「えっ…」
「なによ」
「いや、今俺と北川でそういう計画立ててたから…」
「じゃあOKなのね。待ち合わせ場所とかは後で連絡するわ」
「あ…ああ」
そう言って香里は、またどこかへ走り去って行ってしまった。
後に残された俺と北川は、ただ呆然とするだけだった。
「…北川………」
「…なんだ相沢…」
「ほんとにあれが良いのか?」
「…ああ……」
「そうか…」
家に帰ってからは特にやることも無かったので、ぼーっとしながら過ごした。
風呂に入るために下に降りると、リビングに名雪がいた。
テレビ見てんのか。
そういやー明日は名雪も一緒に行くんだよな。
俺は名雪に話しかけた。
「明日、楽しみだな」
「えっ、うん、そうだね」
なんだか慌てたような返事。
「なんだよ。楽しみじゃないみたいだな」
「そんなことないよ。楽しみだよ」
振りかえった名雪の顔は笑顔だった。
なんだ。
いつも通りに戻ってんじゃん。
「それにしても奇遇だよな。そっちもこういう計画たててたなんてさ」
「そうだねー」
とっ…。
さっさと風呂に入らなきゃな。
名雪はなんか妄想にふけってるみたいだし…。
俺は風呂場へと足を運んだ。
風呂から上がって部屋に戻る。
明日は遊園地か…。
北川と香里…。
どうにかしなきゃな…。
そういやー、さっきの名雪の顔…。
少し紅潮してたような気がしたけど…。
風呂上りだからか。
名雪…か…。
俺は名雪のことどう思ってんのかな…。
そういえば7年前のことがどうたらって言ってたけど…。
俺の過去…か…。
やめた!
難しいこと考えてもどうにもならないよな。
外の白さを目に焼き付け…。
俺は暗闇の中へと潜っていった…。