憂鬱な朝…。
頭が痛くて…。
心が痛くて…。
それほどまでに苦しんでるわたしに…。
祐一は気付いてくれてるのかな…?
朝食は取らずに一人で家を出た…。
そんなわたしの姿を見て、祐一とお母さんは不思議そうな顔をしていた。
学校に着く…。
いつもと同じ席に座る。
そしていつも通りの時間割がスタートする。
休み時間には香里が話しかけてくれたけど、愛想笑いをするのがいっぱいだった…。
そして気が付けば放課後…。
わたしは体調も優れなかったため部活を休んだ…。
家に着く…。
すでに祐一は帰ってきてるようだったけど、顔を合わせることができなかった…。
夕食を食べる…。
ほんの少しだけ、口元に運ぶがあまり喉を通らなかった。
お風呂に入って自分の部屋に戻る…。
そしてベッドに入って電気を消す。
わたしの平凡な1日が終わっていく…。
「名雪ー、北川君から電話よー」
どれくらい時間がたっていたのだろう?
わたしはお母さんの呼ぶ声で目を覚ました。
時計に目をやると、まだ9時半だった。
わたしは電話を取りに部屋から出た。
「もしもし…」
『あっ、水瀬か?』
「うん…そうだけど…」
『いや、ちょっとな…相談したいことがあるんだけど…良いかな?』
相談したいこと…?
わたしの方が相談したいよ…。
「別に良いよ」
『おっ、そうか。良かったー』
「それで相談って?」
『ああ。実は美坂のことなんだけどな…』
「あっ、北川君って香里のこと好きなんだったよね」
『えっ…なんで水瀬知ってんだよ?』
「態度見てればわかるよ。わたしそういうの結構敏感なんだ」
『へー、そうは見えないけどな』
「北川君、ひどいこと言ってる?」
『言ってない、言ってない。で、美坂なんだけど…』
「うん」
『この前遊園地行ったよな。実はその時相沢に頼んで色々とやってもらってたんだよ。で、観覧車ん時なんだけど、なんか美坂、相沢のことばっか見てたから…。いや、別に好感触はあるから良いんだけど…。もしかしてと思って水瀬に聞きたいわけ』
えっ?
北川君の話を聞いて、わたしははっとした。
もしかしてわたしと香里、祐一と北川君で同じこと考えてたの?
それでお互い勘違いして……。
「あのね…。実はわたし達も―――――」
わたしは北川君に、自分たちも色々と計画を立てていたことを言った。
そしてわたしが今悩んでることも…。
『な…そうだったのか。だから美坂、相沢のこと見てたのか』
「たぶんそうだと思うよ」
『そっか…。うん、そうだよな。悪かったな電話までしちゃって』
「ううん。ありがとうね」
『あっ…。水瀬も…頑張れよ!たぶん相沢も俺らのこと気にして、必要以上に意識してたんだと思うから』
「うん。そうだね」
『それじゃあな』
「おやすみ」
わたしは電話をもとの場所に戻した。
そして自分の部屋へ戻ると、またベッドに横になった。
なぜだかわからないけど体が軽くなっているような気がした。
そっか…。
うんそうだよね…。
きっとそうだよ。
わたしは自分に言い聞かせた。
まだわたし…。
諦めなくて良いんだね。
またわたし…。
祐一のこと想っても良いんだね。
明日…。
そう明日…。
勝負は明日…。
わたしは心の中でなにか、揺るぎ無い決心をした。
もうわたしは…逃げない!
もうわたしは…待たない!
そして…。
わたしの非凡な1日が終わっていく…。