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アホトラQ 「エンペリアル編」
7〜10話 11〜14話 15〜17話
アホトラQ 第2部 「麻理亜の鐘 編」
1〜3話 4〜6話 7話
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200X年、地球のいたるところに怪獣が現れ、破壊活動を行う事件が多発した。
人類は怪獣に対抗するため防衛組織を設立、日本でも黒部隊長を中心に怪獣攻撃隊が
結成された。
ある日、剛獣パゴドンが町を襲った。黒部隊長は森次隊員、団隊員、高峰隊員と共に
戦闘用の高速装甲車に乗って出撃した。
森次「隊長、パゴドンが見えました。」
黒部「よし、攻撃開始!」
装甲車の上部に付いている光線砲から激しく光線が飛ぶ。が、パゴドンも口から炎を吐いて
応戦する。と、急に装甲車のスピードががくんと落ちた。
黒部「これでは戦えない。危険だが降りて直そう」
黒部隊長は装甲車を降り、故障個所を確認した。タイヤの一つがだめになったのが原因
だった。
黒部「装甲車の中にスペアのタイヤがあるだろう、タイヤを持って来い」
森次「はい、もう持ってきました」
森次は持ってきたものを、ばちで叩き始めた。
黒部「おい・・・それは『タイコ』だろ!俺の言っているのはタイヤだ!パゴドンもそこまで
迫っているんだぞ!」
団 「隊長、持ってきました!」
黒部「何だ、これは指輪じゃないか」
団 「宝石が付いているでしょう、これが・・・」
黒部「それは『ダイヤ』だろ!俺の言っているのはタイヤだ!」
高峰「隊長、これでしょう」
黒部「これは紙袋じゃないか」
高峰「中にはいっているでしょう、あたたかくてあんこが詰まったやつが」
黒部「それは『タイヤキ』だー!!!」
この様子を聞いていたパゴドンはあまりの寒さと馬鹿馬鹿しさのため凍りつき、
活動を停止していた。
(第1話・終り)
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200X年、地球のいたるところに怪獣が現れ、破壊活動を行う事件が多発した。
人類は怪獣に対抗するため防衛組織を設立、日本でも黒部隊長を中心に怪獣攻撃隊が
結成された。
ある日、都心をメカ怪獣スプレッガーが襲った。スプレッガーは強力な酸を含んだ霧を
両腕から噴射、建物は次々とぼろぼろになった。自衛隊の戦闘機もスプレッガーに
攻撃しようとするものの、近づいた機体は酸にやられて戦闘不能に陥った。
黒部隊長のチームも戦闘機ガードビートルで出撃し、スプレッガーのちょうど真上で
停止した。
森次「隊長、どうやって攻めますか?」
黒部「奴の出す酸のため、接近戦ができないし、逃げ遅れた人達にも被害が出ている。
まず酸性の霧を中和してから戦うんだ。『アルカリ』を用意しろ!」
森次「用意できました。投下します!」
ガードビートルの下部が開き、カプセルがスプレッガーに向かって投下された。
カプセルはスプレッガーのすぐ上で開き、液体が降り注いだ。するとあたり一面に
酒のにおいが広がった。
黒部「おい・・・あれは『アルコール』だろ・・・俺が言っているのは『アルカリ』だぞ!」
団 「わかりました、今度は大丈夫です。」
再びガードビートルからカプセルが投下された。カプセルが開くとたくさんのぬいぐるみが
降り注いだ。よく見ると、貝を背負ったカニのぬいぐるみばかりだった。
黒部「こらー!あれは『ヤドカリ』だろ!俺が言っているのは『アルカリ』だ!」
高峰「今度こそ大丈夫です。カプセル、投下します!」
三たびカプセルが投下され、スプレッガーの頭上で開いた。今度は大きな斧のようなものが
落下した。
黒部「あ、あれは『まさかり』だー!!!」
この様子を集音マイクでとらえていたスプレッガーはあまりの寒さと馬鹿馬鹿しさのため
凍結し、活動を停止していた。
(第2話・終)
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200X年、地球のいたるところに怪獣が現れ、破壊活動を行う事件が多発した。
人類は怪獣に対抗するため防衛組織を設立、日本でも黒部隊長を中心に怪獣攻撃隊が
結成された。
今度は巨怪人テッキュウネッガーが出現した。身長50メートル、人間に近い姿をした巨人で
鎖の付いた直径10メートルほどの鉄球をブンブン振り回して街を破壊するのである。
黒部隊長のチーム(チーム名募集・・・といっても送ってくる人はおるんかいな)は
ガードビートルで出撃した。現場へと向かう途中、森次隊員が黒部隊長に話かけた。
森次「隊長、最近現れる怪獣なんですが・・・自然発生したものとは思えないんです。」
黒部「うむ、自然界の怪獣なら、熊や狼のように、住んでいた場所の環境が変わって人間の
世界に出て来たり、食料や縄張りの確保のために暴れたりと、行動にそれなりの
理由がある。だが、パゴドンも今度の巨人も街の破壊のため、人間を攻撃するために
現れているとしか思えん。」
森次「スプレッガーなど、メカですからね。」
黒部「うむ、何者かが怪獣を操っている・・・・・・」
団 「隊長、ところでテッキュウネッガーとはどう戦いますか?」
高峰「相手は『巨人』です。『阪神』をぶつけてはどうでしょう」
黒部「冗談を言っている場合か。だいいち、今の阪神ではPL学園にも勝てん(2000年当時)。」
森次「た、隊長、それは問題発言です。本当のこと(2000年当時)でも言っていい事と悪い事が・・・」
などと、真面目なのか不真面目なのかわからない会話を交わしているうちに、巨怪人の
暴れている現場に到着した。
黒部「よし、奴の動きを止めてやる。麻酔(マスイ)を打ち込むんだ。ランチャー用意!」
ガードビートルの下部が開き、ランチャー(爆弾や薬品の入ったカプセルを打ち出す装置)が
姿を現した。
黒部「麻酔、発射!」
森次「麻酔、発射します!」
ランチャーからカプセルが発射された。カプセルは巨怪人のすぐ上で開き、緑色の液体が
巨怪人の顔面にかかった。すると、巨怪人はもがき、苦しみだした。
黒部「なんか違うぞ・・・あの液体は何だ。」
森次「ケールの絞り汁、つまり青汁です。」
黒部「それで苦しんでいるのか・・・コラッ!それは『まずい』だろ!俺が言っているのは
『麻酔』だ!」
団 「隊長、用意できました。撃ちます!」
ランチャーから再びカプセルが打ち出された。カプセルが開くと、時代劇の火消しのシーンで
おなじみの物が宙を舞った。
黒部「コラー!あれは『まとい』じゃないか!俺が言っているのは『麻酔』だぞ!」
高峰「今度こそ大丈夫です。撃ちます!」
ランチャーから、今度は緑色の石の塊がうちだされ、テッキュウネッガーの後頭部を直撃した。
黒部「あ、あれは宝石の『ヒスイ』だー!!!」
森次「でも隊長、今回はちゃんと倒しましたよ。」
硬度のあるヒスイの一撃を受けたテッキュウネッガーは失神し、活動を停止していた。
(第3話・終)
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地球を離れること十数光年、そこにモンストロ星があった。天然の剛獣が生息し、メカ獣を
作るための資源も豊富にある、宇宙の犯罪組織「エンペリアル」にとって基地を置くには
格好の星だった。「エンペリアル」はこの星に捕獲した剛獣を改造・洗脳する施設やメカ獣を
製造する施設、そして空間を捻じ曲げて短時間で怪獣を地球へ送り込むワームホール装置を
造り、地球へ攻撃を仕掛けていたのだ。
この日、作戦室では「エンペリアル」の幹部達が集まって会議を行っていた。作戦室の
中央の椅子にはリーダーで自称「宇宙の帝王」ことバート星人(バド星人ではない)が、
3人の幹部−−剛獣担当のヒット星人(ピット星人ではない)、メカ獣担当のテブル星人
(チブル星人ではない)、巨怪人担当のナベネツ星人(ナベツネではない)−−と向かい合って
座っていた。バート星人が口を開いた。
バート「地球侵略の計画がはかどっておらん。我々の繰り出す怪獣が地球人どもに
ことごとく倒されているからだ。なぜだ!なぜ地球人ごときに我々の怪獣が
勝てないのだ!」
ヒット「地球ではくだらないギャグを聞くと寒くなって凍ってしまう、という話を聞いたことが
ありますが・・・」
バート「そんな非科学的なことがあってたまるか!われわれが地球人に負けるはずは
無いのだ!・・・だが、なにか見落としていることがあるのかもしれん。今日は我々の
怪獣と地球人どもとの戦闘シーンを見直すことでそれをチェックしようと思う。
戦闘シーンのビデオを用意しろ。」
ヒット「はい、今、映します。」
作戦室にある巨大なモニターに画像が映し出された。マラソンの中継だった。カメラは1位の
選手を延々と追いかけてゆく・・・・・・
バート「・・・これは『先頭シーン』ではないのか?俺が言っているのは『戦闘シーン』だ!」
テブル「お待ちください、今度は大丈夫です。」
モニターに新たな画像が映し出された。広い川を小さな船が進んでいく。船には何人か人が
乗っているが、棒を使って船を操っている男をカメラはクローズアップした。
バート「ばか者!これは『船頭シーン』ではないか!俺が言っているのは『戦闘シーン』だ!」
ナベネツ「落ち着いてください、今度こそ大丈夫です。」
モニターに別の画像が映し出された。広い部屋だった。手前では裸の男達がシャワーを
浴びたり体を洗ったりしている。奥には大きな湯船があり、そこにも男達が浸かっている。
バート「こ、こ、これは『銭湯シーン』だー!!!」
このとき、エンペリアルの基地はあまりの寒さと馬鹿馬鹿しさのため凍結していた・・・・・・
(第4話・終)
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関東のとある街・H市、深夜のその街を一人の少女が走っていた。小学四年生くらいの
子で、腕には長さ50センチほどの像を抱えていた。ハァハァと荒い息をさせて時々後を
振り返る少女。何かに追われているのだ。その「何か」は、もう少女の20Mほどまでに
迫っていた。全身黒づくめの服装で素顔を金属製の仮面で隠した男達が5、6人、
少女めがけて走っている。
少女「あっ!」
何かにつまづいたのか、少女はいきなり前につんのめり、倒れこんだ。慌てて身を
起こしたが、その時にはすでに男達が少女の周りを取り囲み、逃げられない状態だった。
キッとした目つきで男達を見返し、像を強く抱きしめる少女。その少女に男の一人が手を
かけようとした。その時・・・
「ダーッ!」
という声とともに別の男が黒づくめの男達に飛びかかった。黒づくめの男達は慌てて応戦
する。だが、あるものは投げられ、あるものは蹴り倒された。男達の一人が地球の言葉では
ない、「何か」をしゃべった。すると、男達は一斉にその場から走り去った。退却の合図だった
らしい。少女を助けた男、彼は地球防衛チームの森次隊員だった。森次は少女に近づいた。
森次「もう、大丈夫だよ」
少女は、まだきつい目をしたまま森次を見ていたが、安心したのかその場にへたり込むと
声をあげて泣き始めた。
森次「本当に大丈夫だから、泣かないで・・・弱ったな、任務の途中なのに」
その時、森次とともにH市に来ていた高峰隊員が駆けつけた。二人は、この街から普通の
生き物の物とは思われない強烈な生物反応が出ている事から調査のために来ていたのだ。
森次「高峰隊員、生物反応の発信元はわかったか。すまないが、俺はこの子を安全な所まで
送らなければならない。一人で調査をしてもらう事になるが」
高峰「いえ、発信元はわかりました。」
森次「そうか、どこだ」
高峰「それが・・・その女の子が抱えている像なんです。」
高峰隊員が手に持っている探知機を例の像に近づけた。すると、「ビー、ビー」と探知機は
強い音を発した。
次の日の朝、少女は保護されて、地球防衛隊の作戦室にいた。黒部隊長のほか、防衛隊の
メンバーもそろっている。
黒部「お嬢ちゃん、名前は?」
由記「由記。谷沢由記いうねん」
黒部「あの像はどういう像なのかな。由記ちゃんを追っていた連中は何者なのかな。」
由記「あの像はうちのパパが東南アジアへ出張した時に、お土産に買ってきたんや。でも、
中からなんか、変な音がするんや。爆発でもしたら大変やから、明日にでも警察に
持っていこうか、とかパパと話をしていたら、あいつらが家にいきなり入ってきて、
寝ていたママを捕まえ、パパも捕まえて・・・うち、あの像を持って家を飛び出して・・・
夢中で逃げたんや」
団 「あいつらの目的が像なら、由記ちゃんが像を捨てればあいつらは由記ちゃんを追うのを
やめたんじゃないかな?」
由記「それはうちも考えた。でも、人の家に土足で入る奴らにあっさり渡すなんて、くやしくて
できなかったんや」
団 「気丈な子だな・・・・」
像を調べていた高峰隊員が像を抱えて戻ってきた。
高峰「隊長、確かにこの像の中に何かいます。それも、強力なエネルギーを持っています。」
その時、作戦室の通信用モニターに外部から通信が入った。モニターに現れた姿、それは
侵略者の幹部ヒット星人だった。
ヒット「地球人の諸君、私は『エンペリアル』の幹部ヒット星人だ。女の子の家族は我々が
預かっている。無事返して欲しければ、例の像を持って今日の夜10時にH市のR公園
まで来い」
黒部「お前が侵略者の一味か。あの像にどんな秘密があるというんだ!」
ヒット「誰が教えるものか。あの像の中に貝獣コーガがいて、それを洗脳・巨大化して地球
攻撃のために使うなどと、口が裂けても言わんぞ!その像を古代遺跡から発掘したが
戦闘員の一人がゲーム代欲しさに勝手に人間の骨董品屋に売り、それをその女の子の
父親が買ったなどと、股が裂けても言うものか!」」
黒部「・・・我々はこんなアホと戦ってきたのか・・・人命が第一だ、取引に応じよう。」
そして夜10時、あの像を持って、黒部隊長、森次隊員、そして由記はR公園に来ていた。
ひとけのない公園、と思っていたら、由記を追っていたのと同じ服装をした黒づくめの男たち
(戦闘員)がばらばらと現れた。そして、ヒット星人も姿を現した。星人の後ろには由記の
両親が連れてこられていた。父親は両腕を後手に縛られていた。そして、母親はなぜか
病院で使うような移動用ベッドに寝かされ、ロープで括り付けられていた。体重が
100キロ以上ありそうな大女で、ベッドに寝ている姿はまるでマグロである。
ヒット「よく来たな、地球の諸君」
由記「パパ!ママ!」
森次「おい、この子の両親に何をした!父親はともかく、母親はなぜ眠っているんだ!」
ヒット「それは誤解だ。あの女は我々が捕まえたときから、ずーっと寝たままなんだ。」
由記「それはほんまや。うちのママ、一度寝たら気がすむまで起きないのや。」
ヒット「さあ、コーガの像を渡してもらおうか。」
黒部隊長はヒットを信用していなかったが、人質を取られている以上、従うほかはなかった。
黒部「像は渡した。由記ちゃんの両親を返してくれ。」
ヒット「返すのは父親だけだ。母親はもう一つ条件をのんでくれたら返そう」
ヒット星人達は由記の父親を黒部達へ押し出した。由記が父親にすがりついた。
黒部「もう一つの条件とは?」
ヒット「お前だよ。地球防衛隊の幹部に、地球防衛の秘密をしゃべってもらう。さあ、どうする!」
黒部「・・・わかった。おとなしく連れて行かれるとしよう」
父親の腕を縛っていたロープをほどいていた由記が、急に叫んだ。
由記「隊長さん、あんな奴らの言いなりになったらあかん!ママ、目を覚まして、起きて!!」
由記の叫びに答えるように、由記の母親が目を覚ました。
由記ママ「うーん・・・よく寝た・・・ん?なんでうちは縛られてるのや?」
由記「ママ、その黒い連中、悪者なんや、やっつけてえな!」
由記ママ「悪者?よし、こらしめたるで!」
由記ママが腕に力をこめると、体をベッドに括り付けていたロープがブチブチブチッと切れた。
戦闘員達が起きあがった由記ママを取り押さえようと次々と飛びかかった。だが、
由記ママ「ぎゃらくてぃか・まぐなむ・張り手!」
の叫びとともに次々と繰り出される張り手を受け、戦闘員達は片っ端から宙に舞った。
中には30メートルは飛ばされた者もいる。
森次「・・・由記ちゃん、これは、どういうことなんだ?」
由記「うちのママ、怒ったら手がつけられへんねん」
形勢不利と見たヒットはついに命令を出した。
ヒット「退却だ!なに、目的のコーガの像は手に入れた。次はコーガを使って地球を攻撃だ!」
ヒットたちは去り、由記の一家は再会を喜び合った。
黒部「形はどうあれ、みんな命が助かって良かったな。」
森次「はい。でも、貝獣コーガ・・・どんなやつなんでしょう」
黒部「次は厳しい戦いになるかもしれんな・・・」
黒部と森次の心に一抹の不安がよぎった。
(注・この話はフィクションであり、実在の人物に関係・悪意は一切無いことをお断りしておきます)
(第5話・終)
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夕方の市街地に突然地鳴りが響いた。大音響と伴に地面がわれ、巨大な貝が姿を現した。
20メートルはある、サザエに似た形の貝だ。少しして、巨貝はゆっくりと傾き始め、貝の下から
カタツムリの様な「本体」が現れた。貝獣は動き始め、その巨体をぶつけて建物を破壊し、
目から溶解光線を発射して人々を襲った。貝獣をくいとめるため、黒部隊長と高峰隊員の
乗ったガードビートルが出撃した。
黒部「あれが『コーガ』か」
高峰「凄い貝獣だ」
黒部「だが、森次隊員達が作戦の準備を終えるまで時間を稼がねばならん。コーガに電極を
打ち込み、高圧電流を流して動きを止めるんだ。電極発射用意!」
ガードビートルの下部が開いてランチャーが用意された。
高峰「了解、発射します。」
ランチャーから大きなガラスの球が飛び出した。中にはフィラメントが入っている。
黒部「おい、あれは『電球』じゃないか。私が言っているのは『電極』だぞ」
高峰「了解、用意できました、発射します」
ランチャーから再び何かが飛び出した。上に数字の入ったボタンが並んでいる。
黒部「コラ!あれは『電卓』じゃないか!こっちの言っているのは『電極』だぞ!」
高峰「了解、発射します」
ランチャーからまた何かが発射された。今度は一冊の本だった。
黒部「あ、あれはダンテの『神曲』だー!!!」
黒部達が遊んでいる間にもコーガは市街地の破壊を続けた。
コーガを追うガードビートルに森次隊員からの連絡が入った。
森次「隊長、作戦の用意ができました。直ちにコーガの所へ向かいます。」
ビル街を破壊しながら進むコーガの前に一台の大型運搬車両が現れた。
車両の上には直径10メートルはあろうかという巨大なスピーカーが取り付けられている。
黒部「森次隊員、作戦を開始してくれ」
森次「了解、作戦開始します」
スピーカーがコーガに向けられ、スイッチがONになった。
森次「先生、お願いします」
森次はスピーカーの後方に設置された小部屋に向かっていった。その小部屋の中には
某直木賞を受賞し、タレントとしても活躍している志茂田過激氏(注・仮名)が歌う用意を
していた。
志茂田「うん、今日は調子がいい。気持ちよく歌えそうだ」
森次「先生、期待してますよ」
そう言う森次の顔はなぜかひきつり、手には耳栓がしっかりと用意されていた
志茂田はマイクを握り締めると歌いはじめた。
志茂田「あなたに今夜は〜ワインをふりかけ〜」
スピーカーから音程もリズムもはずれたわめき声が最大出力で放出された。そして、
その直撃を受けたコーガは苦しみのたうち始めた。
志茂田「ぎんぎらぎんにさりげなく〜それが俺のやり方〜」
2曲目に入るとコーガは飛び上がりながら苦しんだ。パニックになっているのだ。
志茂田「かっこいいゴールなんてね〜あっという間におしまい〜」
3曲目にはコーガは痙攣を起こして失神してしまった。
ガードビートルが降下し、黒部隊長が森次のところへ来た。
森次「作戦は成功ですね」
黒部「うむ、志茂田さんの歌がこれだけ効果があるとは・・・だが、この手は2度と使えないな」
森次「なぜです?」
黒部「まわりをよく見てみろ」
森次隊員はあたりを見まわして絶句した。周囲のビルはすべてひび割れだらけになり、
使い物にならなくなっていた。志茂田の歌にやられたのはコーガだけではなかったのである。
(第6話・終)