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アホトラQ 「エンペリアル編」
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アホトラQ 第2部 「麻理亜の鐘 編」
1〜3話 4〜6話
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アフオーカーが人間界に造った基地の一つでアフオーカーはポルチス達を前に怒っていた。
アフオーカー「ポルチス!アンラッキー・エアメイルに先に麻理亜の鐘を見つけられるとは失態だぞ!」
ポルチス「面目ありません」
アフオーカー「奴からなんとしても麻理亜の鐘を奪わねばならん!」
ポルチス「それなら、もう次の作戦の準備はできております。マリアの鐘を、必ず我々の物にして
みせます」
麻理亜の鐘が見つかった翌日,防衛隊の基地の作戦室に黒部達とアンは集まっていた。机の上には
薄黄色の鐘・・・麻理亜の鐘が乗っている。
高峰「あっけなく見つかったな。こうして見ると普通の鐘だがな」
団 「アン,これで元の世界へ帰れるな。アフオーカー達も、麻理亜の鐘が元の世界へ戻れば
それを追って我々の世界を去るだろう」
高峰「団隊員はアンに早く帰ってもらいたいんですか?やっかい者みたいに」
団 「そうじゃない。アンにも待っている仲間がいるんだろう。早く会いたいんじゃないか?」
アン「・・・そうはいかないと思う。アフオーカー達はこの世界でエネルギーを集めることも目的に
しているし、麻理亜の鐘を持ち返らなかったら彼らは東界大帝から罰を受けるから、
この世界で麻理亜の鐘を手に入れようとするはずだよ」
そのとき、作戦室に通信が入った。テレビ電話の画像に犬の顔をした男が写る。
森次「ポルチス!」
ポルチス「アンラッキー・エアメイルに告ぐ。我々はこれからT都のS区で生命エネルギーの収集活動を
行う。やめさせたければ麻理亜の鐘を持って来い!」
一方的な通信の後,ポルチスの画像は途切れた。
森次「活動を予告するとは・・・誘っているな」
黒部「しかし行かないわけにはいかん。ただ、麻理亜の鐘はこの基地に置いて行った方がいいだろう」
アン「いや、持って行くよ。必要になるかもしれない」
団 「必要に?」
防衛隊とアンは装甲トラック「コオロギ」で出動した。
コオロギが現場に着いたとき、既に半魚人キシダ兵の群れが人々を次々と捕らえては、エネルギーを
手にしたエネルギー吸収機で奪っていた。
森次「おのれ!」
黒部「高峰隊員は麻理亜の鐘とともにコオロギの中に残れ。もし、奴らが襲ってきても絶対
渡すんじゃないぞ」
高峰「了解!」
黒部「行くぞ,街の人達を助けるんだ!」
車を飛び出した黒部達とアンはキシダ兵を次々と倒し,人々をその手から奪い返した。防衛隊の
救護班のトラックもかけつけ、襲われて倒れている人達の収容作業をはじめた。
「キャアアァ!」
悲鳴が聞こえた。全長40センチほどの、鯛(たい)の形をしたメカが宙を飛んで逃げ遅れた人達を
追い回し、パニックを起こしていた。
森次「こいつをおみまいしてやる!」
森次がビーム銃を撃ち、鯛型メカはビームに弾かれて人々を追うのを止め,ある方向へ飛んだ。
そこには身長1.8メートルほどの人間の姿をしているが、両腕に鯛型のメカを付けている「男」がいた。
飛んでいた鯛型メカは帽子がかぶさる様にその「男」の頭へと「着陸」した。
団 「妖械人か?」
アン「ショット・ウインド!」
アンが攻撃しようとしたとき、別の方向からビームが何本もアン達へ襲いかかった。
黒部「危ない!」
アンや黒部達は地面に伏せ、やっとのことでビームをかわした。
ビームの発射された方向を見ると一人の「女」がいた。身長1.7メートル、スラリとしていて顔も
整った女性で,その周囲を直径20センチの機械の眼球が幾つも取り囲む様に浮かんでいた。
そして、その女の後ろからポルチスが姿を現した。
ポルチス「どうだ!鯛型メカを使って群集にパニックを起こさせる妖怪人『タイパニック』と
22の浮遊眼球と本体の二つの目から光線を発する妖怪人『二十四の瞳』だ!」
森次「隊長、我々は10年に1度現れるアホを相手にしているのでは・・・」
黒部「いや、20年に1度現れるアホかもしれん」
コケそうになる黒部達を気にも止めず,ポルチスは話を続けた。
ポルチス「これだけではない、空を見ろ!」
黒部達が空を見上げると、直径5メートル程の円盤状の物体が飛んでいる。
ポルチス「妖械メカ『エンババン』だ!」
団 「エンババン?」
ポルチス「正式名称は『エンババンババンバンバン ハァ ビバノンノン』だ」
森次「隊長,帰って寝たいのですが・・・」
黒部「気持ちはわかる、だが,今は我慢するんだ」
ポルチスはアンに向かって話を続けた。
ポルチス「アンラッキー・エアメイル,麻理亜の鐘をこちらに渡せ。でないと、この妖械メカがこの街を
破壊する。」
森次「誰がお前達に渡すものか」
団 「そうとも。脅しなどに屈する我々ではない」
ポルチス「脅しだと・・・・・エンババン!」
エンババンは突如として高度を上げながら輝き出した。周囲にエネルギーシールドを張っているのだ。
アンはハッとして叫んだ。
アン「ポルチス、やめなさい!」
エンババンはある高度まで来るとその付近で一番高いビルに突っ込んだ。ビルが爆発を起こし,
無数のコンクリートのかけらが地上に降り注ぎ,逃げ送れた人達や救護班の隊員を何人も
傷つけていく。
ポルチス「ワハハハ、どうだ、見たか!」
森次「お前ら,よくも関係のない人達を・・・許さん!」
銃を構えてポルチス達に突撃しようとする森次、だが、なぜかアンが森次の腕を掴んで引きとめる。
森次「アン?」
アン「ここは、私がやる」
ポルチス達の前に出るアン。
ポルチス「麻理亜の鐘をよこさぬ限り,この街は地獄になるぞ」
アン「あなた達にとっての地獄にね」
ポルチス「何だと?」
アンは両手を上げて叫んだ。
アン「風よ,我が意のままに!」
突風が吹き,台風でも割れないビルのガラスが次々と割れ,ガラスの破片がキシダ兵の頭上に
降った,というより意志ある者の様に破片はキシダ兵に向かって襲いかかった。
キシダ兵1「グギャ〜!」
キシダ兵2「ギエエ〜!」
キシダ兵3「タワバ!」
悲鳴を上げてキシダ兵は遁走していく。
森次「風が・・・風が怒っている!」
ガラスの破片はポルチスも襲った。
ポルチス「ウワアアアァ!」
だが、破片はポルチスには当たらなかった。二十四の瞳とタイパニックがポルチスをかばって
立ちはだかり,その体で破片をすべて受けとめたのだった。
ポルチス「お前達・・・すまん・・・エンババン,アンラッキー・エアメイルを倒せ!」
エンババンはアンにビームを発した。アンはジャンプしてよけるとそのまま空を飛んだ。エンババンは
なおもアンにビームを発射し,直撃を受けてアンは吹っ飛ばされ、ビルの壁に叩きつけられる。
アン「強いね・・・なら、こっちもやるよ。風よ,そびえる壁を打ち砕きたまえ!」
アンに向かって風が吹き,アンが風の力を蓄える。そしてアンの前髪がはね上がり,あらわになった
額が輝き出す。
アン「ショッキング・ソニックブーム!」
アンの額からリング状のエネルギーが連続発射され,それを受けたエンババンに衝撃が走りひびが
入る。ヒートストリームの様に熱で溶かすのでなく、エネルギーの固まりをぶつけるショックで破壊する
技だった。エンババンはひび割れだらけとなり,爆発する、というより砕けて消えてしまった。
ポルチス「おのれ、だが、次こそは麻理亜の鐘を奪ってやるぞ!タイパニック,二十四の瞳、退却だ!」
ポルチス達は去った。だが、街のいたるところで傷ついた人達が苦しんでいた。
団 「はやく手当てをしないと・・・でも、病院へ運ぶにしても時間がかかる」
森次「やるしかないだろ」
アン「待って。麻理亜の鐘を使ってみる」
黒部「使う?」
アンはコオロギに戻ると麻理亜の鐘を持ち出し,飛び上った。そして街の上空へ来ると,麻理亜の鐘を
両手で包み込む様にして言った。
アン「鐘よ,多くの傷つき者達に新たな力を与えたまえ」
鐘が優しい音色を奏でながら黄色く輝き始めた。そして、鐘から光る粒子が放出され,雪の様に、
しかし、確実にケガを負い、あるいは倒れた街の人達のところへ舞い降りた。光る粒子に触れた人は、
傷で苦しんでいた物は傷があっという間に治り、倒れていた者は目を覚まして起き上がった。
誰もが自分が無事であることを信じられない顔をしている。
森次「回復の力、これが麻理亜の鐘の力か」
街の人達が回復したのを見届けて、アンは地上に降り、黒部たちのところへ駆け寄った。
森次「アン,助かったよ」
黒部「多くの人が救われた」
アン「そう・・・良かった・・・」
森次は、そう言うアンの息が荒いことに気づいた。
森次「アン,どうかしたのか?」
アン「ううん、たいしたことない・・・」
だが次の瞬間、アンは意識を失って倒れた。
森次「アン!」
団 「どうしたんだ,アン!」
防衛隊の隊員たちの声が街に響いた。
(第7話・終)