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■一緒に観る人を選ぶ映画『マルホランド・ドライブ』
甘枝さんへ
こんにちは、MissYです。
映画をモチーフにしたコラボレーションへのお誘い、嬉しくガッシとお受けします!
では、第一弾は私から。
先日、友達と観た『マルホランド・ドライブ』のことを書こうと思います。
この映画、言わずと知れた”難解な映画作り”監督デビット・リンチなので、私はハナから理解しようとは思ってなかったのですが。そのくせ「でも一人で観て、一人で謎を抱えたまま帰路に着くのもイヤかも」と軟弱な気持ちもあり、結局は友達二人を誘って一緒に観たのでした。
まだ観ていない方のために、なるべくネタバレにならないように書きますが
「いや、私はまっさらな気持ちでこの映画に望みたいのだ!」という方はここまでで読むのを止めたほうがよいかも.......。
しかし私は結局、あんまり理解してないので、ネタバレも何も。
この映画を「家」に例えると、多分、私の文は「家の周りをぐるぐる回って、窓からのぞきこんでいる」程度の理解でしょう。ううっ、情けねーっ!
あらすじは。
オープニング、暗闇に浮かぶ「マルホランド・ドライブ」の標識。
黒髪の美女が車の中で事件に巻き込まれ、今まさに撃たれようとしていた時、対向車の暴走車と衝突してしまいます。彼女は命からがら逃げて、街まで夜通し、ふらふらと歩き、やがて「サンセット大通り」の豪邸前に。もちろん全然見知らぬ他人の家なのだけど、その玄関先の茂みに倒れ込んで、寝入ってしまいます。
一方、このハリウッドでスターになることを夢見てカナダから出てきたベティ。金髪でスレンダーな彼女は叔母を頼って出てきたのですが、その叔母の家が、黒髪の美女が忍び込んだ家だったのです。それで二人は出会い、共に事件に巻き込まれていくのですが。
......と、映画の内容に関してはココまでにしておきます。
結果から言うと、私はすごく気合いを入れて望んだにも拘わらず、やーっぱり「わ、わからーん!」と頭を抱えました。 映画が終わった瞬間「えええーっ?!
ココで終わるの?!」という感じ。そして一緒に観た友達と帰り道に、ああだこうだと言い合って帰ったのですが、その日の結論は「3人とも同じ箇所からわからなくなった」ということだけでした。とほほ。
でも、それでも楽しかったのはナゼか?!
「3人とも判らなかったのね」っていうので安心したのもあるだろうし、謎は謎として楽しむというか、矛盾しているけど
「あそこの思わせぶりなシーンったらナイよね」
「前作の『ストレイト・ストーリー』はイイ人になっちゃって、どうしたの?!って感じだったけど、また怪しい世界に戻ってきたね〜、リンチ!」
「あのセクハラまがいの女優オーディションのシーンはエロかったねぇ〜」とか 面白がり方が似ているから楽しかったんだと思う。ただ面白がる、という姿勢。
これは、まさにパンフに永瀬正敏が書いてますが、リンチの映画の楽しみ方は、鈴木清順監督の映画の楽しみ方と同じじゃないか、と。訳がわからなくても心地よければそれでいいじゃないかと。
(ちなみに鈴木清順監督の最新映画『ピストル・オペラ』も訳わかんなさ度では、この作品と、ごっつです。そうそう、永瀬正敏はリンチ大好きだけど『ストレイト・ストーリー』だけは観てないらしい。判る! 観たくないんでしょうね、よっぽど。)
これが、例えば、すごいリンチ・マニアな男が、つきあい始めて間もない彼女を連れていって、一緒に観た後、あれこれと解釈たれたとします。
「君は、あのシーンのあの伏線に気づいてたかい?! あれはね、つまり......」とか。
きっと男は一人悦に入っているだろうけど、彼女は内心「何?! コイツ!」と思うでしょう。すごーく優しい女の子なら、ウンウンと聞いて「スッゴーイ。あたし、そんなこと全然気づかなかった〜」か何か言ってくれるかもしれませんが。心からホントにそう思っているかどうか。心から思っているとしたら?! それはそれで従順関係が成立しているカップルでしょうから、まぁご勝手に(笑)。でも、いつか小さな不満が積もりつもって逆ギレされても知らないですヨ。
もしくは、リンチ・マニア同士で一緒に観たとしたら。
それはそれで、お互いの解釈をぶつけあって真偽を競い合い、血を見る争いに発展するかも。いや、そこまではいかずとも、言葉での罵り合いになって心に傷を負いそうだ、かなり。お互いだからお互い様かもしれませんが。この場合、お互いにすごくクールに討論出来るタイプの人同士だったらOKかも。でも、こーゆー人の隣には居合わせたくないなー、私個人としては。
てな感じで、リンチ映画は、一緒に観る人をかなり厳選したいとヤバイっすよ、というお話でした。
じゃあいっそ一人で観たらイイじゃん、と思うでしょう。
そう、一人でこの謎に満ちた映画に立ち向かって、一人で謎を噛みしめつつ「ふーむ、そうなのか、多分そうなのだ」と自己完結出来る”大人なヒト”は大丈夫。
しかし、私のように「ウウッ、わ、わからーん! あのシーンはどう解釈したらイイんだっ?!」と頭をかきむしった挙げ句、同じ上映時間に観た見知らぬ他人をガシッと捕まえて「あなた、どー思いますっ?!」と問いたい衝動にかられそうな恐れがある人は、ともかく誰か”連れ”を捕まえて一緒に観ることをお薦めします。
一人で見に行って見知らぬ人をナンパしたい人には向いている映画?!
もしくは彼女(彼氏)の自分に対する忍耐度を推し量るにはイイ映画?!
くれぐれも、つきあい始めた二人のデートムービーでないことだけは確かです。
<追伸>
この映画、パンフを読むと、B・ワイルダー監督の『サンセット大通り』を観たくなります。私はワイルダー監督のってコメディーものしか観てなくて、これは未見なのですが、ちょうど今月の28日にNHK教育TVでオンエアらしいので、そのとき観るつもりです。
MissY
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