甘枝りりとMissYのかしまし映画雑談 Vol.5

差出人:MissY <rocknroll@104.net>                    宛先:甘枝りり <nasusu@do.enjoy.ne.jp>

件名:どこまでも人を食った映画 『FISHING WITH JOHN』            送信日:2002年5月18日(土)

■どこまでも人を食った映画 『FISHING WITH JOHN』

甘枝さんへ

MissYです。こんにちは。今回、返信が遅くなってゴメンナサイね。

さてさて。甘枝さんが話題に出していた映画は、どれもレスをつけずにはいられないッ!というくらい思い出深い映画でした。
まずは石井聰亙監督の『逆噴射家族』。これはですね、石井聰亙監督の大ファンと公言している私が、公開当時見ていなかった唯一の石井映画なのでした。理由は、先のメールで書いた『家族ゲーム』を一緒に観たBFが『逆噴射家族』を見た当時すごく怒っていて「あんな映画、見らんでイイ!(見なくてよい、の意味の北九州弁ね)」と言ったので、素直な私はずっと見なかったのですよ。で、やっと一昨年ビデオ屋で見つけたので思いつきで借りて見て「なぁーんだ、面白いじゃん!」と、あまりに素直だった(っつーか従順だった)自分を悔やみました。でもまぁ、当時の石井聰亙監督のファンだった人たちがコレに怒ったのは、なんとなく判る気もします。「Rockな映画を撮っていた人が、なんでこんなふざけた映画を......」って思ったんでしょうね。私は守備範囲広いんで、ぜんぜんOKでした。あの作品は植木等もスゴイですよね。
そして、トム・ハンクスとメグ・ライアンの『YOU'VE GOT MAIL』ですが。『ユーガッタメール』というタイトルをレンタルビデオ屋で見るたび、私は吉川晃司ばりに足をあげて(上がらないけど)「ユーガタチャン、ユーガタチャン、チャーーーンッス!」と歌いたくなります。甘枝さん、同類ですね。うふ。更に恥ずかしい話をカミングアウトすると。ちょうどこの映画が公開される少し前に、私は初めてメール友達と実際に会うことになったので、「なんか『YOU'VE GOT MAIL』みたいだね!」と、双方えらく盛り上がったのです、この映画の話題で......。うわぁー、赤面! その後2度ほどお会いしたんですが、特にケンカしたとかではないけど、その人とは、なんとなーく疎遠になってフェイドアウトって感じです、とほほ。今はどうしているのやら......(遠い目)。そういや、この映画で「スターバックス」を知って東京でスタバ第一号店(映画の公開ごろに銀座にオープンした)にも、いそいそと行った私でございました。もうミーハーの王道行ってますね。くくく。という訳で、メグ・ライアンには何ら罪はないけど、この映画に関しては、どうも「ほろ苦い思い出」って感じの私なのでした。でもサントラ盤は、すごい久々のキャロル・キングの新曲が入っていたりで、なかなか良いサントラ盤でしたよ。
そしてそして。『(ハル)』に関する、甘枝さんの考察。私も「なるほど、なるほど」と共感しました。「ネット使用前/使用後とそれぞれに観られた」というのは、すごくよくわかります。そして、「『(ハル)』は、パソコン通信がまだ普及していない頃の、あの頃ならではの良さが感じられる作品」というのも。私が思うに、ケータイでメールが出来るようになって以降、「ネット上の距離感」というのがガラリと変わった気がしますね。距離感が縮まりすぎてしまった。それも「ヴァーチャルな距離感だけが縮まりすぎてしまった」という気がしますね。それがイイ悪いではなく。これ以上は「映画の話」というより「インターネット上でのコミュニケーション」という話になってしまうので、この話題はこの辺で止めておきますが(後日、個人的にメールででも。)
そうそう、『(ハル)』にはザ・ブームの宮沢和史が出ていました。試写会で見たとき、私のそばで、赤の他人の女性たち二人が「あの人、歌手よね。ええーっと、Bがつく名前のバンドの......」「ビギン?!」「そうそう、確か、そんな感じの」と話していて、私は「ちっがーう!」と訂正したくてたまんなかったことも、不意に思い出しました。

『ナイト・オン・ザ・プラネット』は、私、まさに同じような時間設定で観たことありますよ。最初に見たのは昼間の映画館でしたが、その数年後、イベントのオールナイト上映会で。この映画がラストだったのです。なので、まさに見た後に映画館を出ると朝の5時ごろだったという。そして、このオムニバスのどの話だったかで、いきなりフィルムが燃えだして上映が中断するという一幕もあったのでした(笑)。見ている客は、ほとんどが熱心な映画ファンだもんで、「『ニューシネマ・パラダイス』みたいだ〜」と笑っちゃったのも覚えています。(フィルムが燃えだして火事になるシーンがありましたよね。)このときは幸いにして火事にはならなかったけど。ちなみに私はヘルシンキのエピソードが一番お気に入りです。

さて、『ナイト・オン・ザ・プラネット』のジム・ジャームッシュ繋がりということで、私は『FISHING WITH JOHN』(1997年・アメリカ・日本 監督ジョン・ルーリー)を思い出しました。私はジョン・ルーリーもトム・ウェイツも、ジム・ジャームッシュ監督の映画『ダウン・バイ・ロー』(この映画も、すごーくすっとぼけてて面白い!)を見て知ったのですが、そのときは「うわっ! トム・ウェイツってゴリラみたいな顔だ!」と驚いたものでした。(ファンの方、スミマセン!)その後、本職はミュージシャンだと知ってからはCDも数枚買って、あの独特の声にすっかり惚れ込んでいます。なので今では「ありがとう、ジム・ジャームッシュ!」と思っています。で、『FISHING WITH JOHN』は、「ジョン・ルーリーが友達と楽しい釣りをする(しかも全編いわゆるヤラセ)」という短編(噂によるとアメリカでは「れっきとした釣り番組」としてTVで放送されたと聞いたけど、ホント?! だとしたら、すごい洒落が通る国なのね!)なのですが、この「友達」の顔ぶれがスゴイ! ジム・ジャームッシュ、トム・ウェイツ、マット・ディロン、ウィレム・デフォー、デニス・ホッパー。しかも、どのエピソードも、釣りをしているシーンよりも「男同士でウダウダとくだらない話をしているシーン」のほうが圧倒的に多いという、もう、どこまでも人を食った映画なのです。なんたって「ジム・ジャームッシュとの巻」では、とんでもないカタコト日本語「あほがみーるー、ぶたのけーつ」ってのまで飛び出すし!(しかも使い方としては、まぁ正しい。誰がこんな日本語を彼らに教えたんだ?! ウケたけど。日本人クルー、なめられてますな。)でも、このウダウダだらだら具合、馬鹿さ加減が「ああー、如何にもジョン・ルーリーだなぁ」という感じで面白い。これはかなりピン・ポイントな映画かもしれません。ツボな人には、たまらなくツボな映画だと思いますね。 なお、全編通して1時間半くらいなのに、なぜかビデオは3本に分かれています。もちろん、せっかくなので3本まとめて借りることをおススメします。でも、これを置いてあるレンタルビデオ屋って、かなりカルトな品揃えの店かもなぁ。甘枝さん、頑張って探して、見てみてください。

という訳で、またまた長くなりました。では、またね。

MissY

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