短歌Gallery

これまでに作った短歌集とそれに含まれる歌を紹介します。

「秘密結社」

 学食で君を見かけてうれしくてかけて行ったらトマトをくれた

 冷蔵庫なんにもないと知りながら何度も開けてなんにもなくて

 いいことはいつも風呂場で思いつく 君に電話をしよう今夜は

  愛猫や何処へ行くのか我を捨て 何という名の秘密結社か

「呼吸の仕方」

 来てみればお互い黄色のTシャツで 愛が地球を救うなら今!

 遺伝子のひとつに胸のつまるような雨の匂いを残すのもいい

 流星を数えてぼくら冬の子供 チ・ヨ・コ・レ・イ・トで上りきる坂

 ザッザッとフェンスに指を遊ばせて呼吸の仕方考えている

「ナンヨウビ」

 水曜日 エレベーターは今日もまた宇宙まであと一歩届かず

 やさしさをいろんな意味にとりだした世界の隅で転がる土曜

 僕たちは試す疑うひねくれる そして金曜またゼロになる

 金曜の夜道誰かがついてくる ペンギンということもありえる

「満月前夜」

 ピースピース 言葉が意味がすたれても 一たす一は永遠のニ

 そっけない君のメールは何文字の削除を超えてやってきたのか

 ビタミンのタブレット噛み砕いても 涙が出たらそれでおしまい

 満月は眠れず夜中ニ時三時出向く勇気がある人のため

「ドロップスキップ」

 ふたりだね ひとりひとりでふたりだね 受話器はひとつ だから話そう

 大人はさ子供の進化形だから くじら雲には充分間に合う

 いっちばん最初の直感裏づけるために思考はあるんじゃないか

  同情はつまりこうだよ泣く君とおんなじだけの情けなさだよ

「クワイエット」

おごそかに土鍋のふたを開く時 猫の耳たぶマイナス6℃

しまいには洗濯されるレシートのために神様 手乗り子やぎを

クワイエット 罪深き愛 クワイエット 雪の音すら聴こえる夜明け

「それじゃあ」が「それじゃあ、また」に変わる夜 ほら見てラッキーセブン(イレブン)

「アメダスを追え」

Now printing

アクロンの足りない袖で抱きしめる 抱きしめられる 淋しい日暮れ

牛乳の賞味期限と告白は似たり 早いか もう手遅れか

我が足にタックル、トライ、タッチダウン ”ひとりスクールウォーズ”の肉球

影踏みは夏の刻印 帰れないのはふたりだけ 流れゆく雲

ブランコの一番上で蹴りあげたズックよはるかアメダスを追え


     ※これらの歌集は広島のいくつかのお店で展示・販売しています。全国発送の通信販売もあり。

お問い合わせは nasusu@do.enjoy.ne.jp まで 

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