エコール

〈・・Innocence/Ecole,L'・・〉

2004年フランス/ベルギー合作映画

カラー121分

 

 

 

【STAFF&Cast/スタッフ&キャスト】

 

監督.....................................................ルシール・アザリロヴィック

制作............................................................パトリック・ソベルマン

原作......................................フランク・ヴェデキント(「Mine-Haha」)

脚本.....................................................ルシール・アザリロヴィック

撮影......................................................................ブノワ・デビエ

編集....................................................................アダム・フィンチ

音楽..................................................................リチャード・クック

プロダクションデザイン....................................アルノーデ・モレロン

出演

イリス...............................................................ゾエ・オークレール

ビアンカ............................................ベランジュール・オーブルジュ

アリス..................................................................リア・ブライダロリ

セルマ.................................................................アリソン・ラリュー

ローズ...................................................................アストリ・オーム

マドモワゼル・エディット(足の悪い教師)...エレーヌ・ドゥ・ブジュロール

マドモワゼル・エヴァ(バレエ教師)...................マリオン・コティヤール

 

 

 

【Nominations&Awards/受賞&ノミネート】

 

2004年サンセバスチャン映画祭:新人監督賞受賞

2004年ストックホルム国際映画祭:最優秀作品賞、最優秀撮影賞受賞

2005年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭:審査員特別賞受賞

他、全部で5つの映画祭で高い評価を受けたミステリアスで幻想的な映画です。

 

 

劇中のクラシック曲

一度見たら、決して忘れられないこのミステリアスな映画に相応しく

ヤナーチェクやプロコフィエフの曲も使用されていますが…

敢えてこのレヴューのMIDIは

フランス印象派の作曲家、ドビュッシーの「アラベスク(1番)を使用してみました。

 

 

 

【Outline/映画概要】

 

日本では2006年11月に首都圏を中心に公開されました。

監督のルシール・アザリロヴィックは女性監督ですが

「カルネ」(1994年)、「カノン」(1999年)、そして…

カンヌ映画祭パルムドール賞にノミネートされた問題作「アレックス」(2002年/モニカ・ベルッチ主演)など

その斬新な映画作りで知られる仏のギャスパー・ノエ監督の公私に渡るパートナーです。

「エコール」は、「ミミ」(1996年/12歳の少女が主人公の異色ファンタジー短編)に続く監督2作目。

 

 

 

原作はドイツの劇作家フランク・ヴェデキント

1903年に書いたミステリアスな中篇小説『Mine-Haha(ミネ・ハハ)』です。

(『Mine-Haha(ミネ・ハハ)』とはインディアン語で、「笑う水」と言う意味)

『Mine-Haha(ミネ・ハハ)』は多くの作家や映画人を魅了し続けてきた古典名作で

日本でも1977年に大ヒットした「サスペリア」はこの『Mine-Haha』を

イタリアのホラー映画の鬼才、ダリオ・アルジェント監督がホラー映画として映画化した作品です。

 

そんな謎めいた原作を「エコール」では

アザリロヴィック監督が、繊細でミステリアスなファンタジー作品に仕上げています。

 

 

 

【Story/映画ストーリー】

 

いつの時代か?どこの世界か?

わからない…

森の奥ふかくにある、純粋無垢なその場所に

少女達は、何処からきて…何処へ行くのか…?

 

 

人里離れた深い、深い、名も知れぬ森の奥深くに

外界から隔絶された大きな屋敷を思わせる寄宿学校があった。

その寄宿学校は、6歳から12歳までの少女達が7年間暮らす謎に充ちた学校…。

少女達はみな純白の制服を着て、髪には年齢別で色分けしたリボンを結んでいる。

例えば…

最年長の少女のリボンの色は…

最年少の少女のリボンの色は…

 

学校には男性はいなかった。

少女達の面倒をみるのは、年取った召使の女性2人と

生物の勉強を教える足の悪い教師マドモワゼル・エディット

そして、バレエを教えるダンス教師マドモワゼル・エヴァ。

 

 

ある日、6歳の少女イリスが棺の中に入れられ運ばれてくる

この学校では誰もが皆

こうして不思議な象徴の刻印がある、木製の棺に入れられて運ばれてくる。

そして、7年間この外界から隔絶された学校でバレエと生物学を学ぶ。

7年を待ちきれずに、小船で漕ぎ出し水死する少女…

バレエ特待生として選ばれ、普通より学校を早く出ることを夢み

しかしその夢が破れ、脱走を試みる少女…

 

 

しかし…やがてある時間が来たら

最年長の少女達は、紫のリボンを髪から外し箱に返して

時計塔の下に隠されている入り口から

地下の秘密の通路を通り…

不思議な列車に乗ってこの学校を去って行く……

 

 

 

【Impression/私的映画感想】

 

それは、水を潜って見た夢…蝶になって飛び立つ前に

――私たちは、どうなるの?

外の世界に出たら、すべてみな忘れてしまうわ――…

 

 

私達の目に触れる、多種多様の映画があります。

その中には謎めいた映画もよく見かけます。

でも、この映画ほどその’謎めく’と言う言葉が相応しい映画はないと思います。

どんなにミステリアスで、不可思議な映画でも

見終わった後、映画のどこかに何かの回答を観客に与えてくれる作品が多い中…

この「エコール」は見終わった後も

そして、何度回数を重ねて見ても…

’謎’とその’謎に対する回答’は得られない作品です。

 

 

 

人は

一遍の美しい「詩」を読んだとき

一枚の謎めいた「絵画」を見たとき

一曲の甘美な「音楽」を聴いたとき

 

その言葉を失います…。

 

 

それと同じ現象がこの映画を見たときに起る…

そんな思いに捉われました…。

 

 

〈静寂〉…〈謎〉…〈耽美〉…〈幻想〉…〈夢〉

 

〈恐怖〉…〈郷愁〉…〈過去〉…〈未来〉…〈永遠〉

 

 

この映画のイメージに重なる言葉です。

 

 

 

映画冒頭、激しい滝壺のような水の流れを潜りぬけて…

また、映画ラストは溢れ落ちる’噴水’の水の流れを越えて

同じ激流の’水’の中へと還っていきます。

劇中、生物学を教えるマドモワゼル・エディットが

生物はみな’海から生まれた…’と少女達に教えるそのままです。

 

 

 

原作、フランク・ヴェデキントの『Mine-Haha(ミネ・ハハ)』=「笑う水」

アザリロヴィック監督が、女性独自の感性で描ききった世界観の素晴らしさに息をのむ逸品です!

決して、ジャンル向けの作品ではないと思いました。

男性ではなく、女性にこそぜひ見て、そして…

遥か過去と未来に思いを廻らせながら

何かを感じて(思い出して)欲しい作品です。

 

 

 

《キャストについて》

生徒たちを演じるのは全て映画出演経験のない素人の少女達ですが

バレエ教師、マドモワゼル・エヴァを演じるのは

『エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜』 でピアフを演じるマリオン・コティヤールです。

 

 

 

 

 

 

 

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