〜マイ・ブルーベリー・ナイツ〜
<・・MY BLUEBERRY Nights・・〉
2007年香港・フランス合作映画/95分
【STAFF&Cast/スタッフ&キャスト】
監督...............................................................ウォン・カーウァイ
制作......................................ウォン・カーウァイ&ジャッキー・パン
原案...............................................................ウォン・カーウァイ
脚本.................................ローレンス・ブロック&ウォン・カーウァイ
撮影..................................................................ダリウス・コンジ
プロダクション美術デザイン.................................ウィリアム・チャン
衣装デザイン...............ウィリアム・チャン&シャロン・グローバーソン
音楽.....................................................................ライ・クーダー
Cast
エリザベス(リジー)...............................................ノラ・ジョーンズ
ジェレミー..............................................................ジュード・ロウ
アーニー...............................................デイヴィッド・ストラザーン
スー・リン.........................................................レイチェル・ワイズ
レスリー........................................................ナタリー・ポートマン
【Nominations&Awards&Music/受賞&ノミネート&音楽】
2007年《第60回カンヌ映画祭》オープニング作品
そして、パルムドール賞ノミネート作品。
日本公開は3月22日から。
カンヌ映画祭でオープニングを飾った際、開会式前のレッドカーペットでも
主演のジュード・ロウ(意外にも、彼はこの時がカンヌ初登場)とノラ・ジョーンズが
ウォン・カーウァイ監督(夫妻で出席)と共に仲良くレッドカーペットを歩いて
この作品を強烈にアピールしました。
本作はそのカンヌ映画祭の常連、香港の名匠カーウァイ監督が
アメリカを舞台に描いた’初の英語版映画’です。
同時に、グラミー賞8冠の栄光に輝く受賞歌手ノラ・ジョーンズの映画初主演作。
そして、彼女の相手役を務めるのがジュード・ロウと言うこともあり
映画祭ではかなり華やかな大きな話題となりました。
劇中の音楽ですが
ノラ・ジョーンズがこの映画の為に書き下ろした新曲「ザ・ストーリー」を始め
オーティス・レディングの名曲や
音楽を担当したスライドギターの名手、ライ・クーダーの演奏など
全編に凝ったとても個性的な音楽が溢れています。
なので映像と共に音楽も凄〜く楽しめる作品。
ただ、その音楽が余りに素晴らし過ぎて前面に出過ぎているためか
見方によっては、プロモーション’ミュージックVideoクリップ’を見ているよう…
そんなきらいも無くはないのですが。
ともかく、美しい映像と音楽で雰囲気を存分に楽しむ映画です。
尚、このReviewページのMIDIは
雰囲気を楽しむ映画、と言う意味合いもあり
また主演のノラ・ジョーンズが、カーウァイ監督の撮影ぶりを
まるで’ジャズのセッションのよう’と賛辞した言葉をイメージして
私的にも大好きなジェローム・カーン作曲のクラシックJazzナンバー
「Smoke Gets In Your Eyes」(煙が目にしみる)を使用しました。
【Story&Outline&Impression/映画ストーリー&概要&私的感想】
――距離が離れるほど…
新しい出会いを重ねるほど…あなたが近くなる――
失恋したエリザベスは、もと彼の家の近くでカフェに立ち寄る。
そのカフェでオーナーのジェレミーが作った
甘酸っぱいブルーベリー・パイに慰められ、毎晩のように通うのだが
でも、失恋から立ち直れないエリザベスは
ある日、思い立ってニューヨークから旅立つことにした。
失恋から57日、そしてニューヨークから1120マイル、メンフィス。
そこで彼女は、過ぎ去った愛に束縛された夫妻に出会う……
また、失恋から251日、ニューヨークから5603マイル、ラスベガス。
そこでは人間不信に陥った、若く美しいギャンブラーに出会う……
彼らの人生を自分の人生と照らし合わせて、エリザベスは思う。
人を信じ、人を愛することとはいったい何なんだろうかと。
それを真っ先に伝えたい相手は、ニューヨークにいるジェレミーだった……
エリザベスはジェレミーに逢ったら、こう言いたかった。
「あなたのブルーベリー・パイは世界一美味しい…!」
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世界3大映画祭の一つ
フランスのカンヌで毎年5月に開催される《カンヌ映画祭》ですが
私的にもとても楽しみで、CSで放送の「開会式やレッドカーペット&受賞式」を毎年見ています。
アカデミー賞が’過去上映の作品に対して栄誉を贈る’イヴェント(映画祭)ならば
カンヌ映画祭は
’未来、これから世界中で上映される映画に対してその前途を讃え栄誉を贈る’イヴェントです。
なので、カンヌ映画祭でオープニング&エンディング上映された映画や
パルムドール賞他を受賞した作品は
必ず’映画祭の後で’私達の目に触れることになります。
と言う訳で、この『マイ・ブルーベリー・ナイツ』も
長かったですが、略1年近くの月日を経てようやく日本上陸です。
カーウァイ監督の作品は
彼独特の幻想的でスタイリッシュな映像美が特色で、私的にも強く魅かれます。
なので過去作品は殆ど鑑賞済みですが
中でも「2046」「愛の神エロス」「恋する惑星」は特に好きな作品です。
そのカーウァイ監督の初の英語作品、そして主演にはグラミー賞受賞歌手のノラ・ジョーンズ。
そして、その恋のお相手にはあのジュード・ロウ、です。
もうこれ程Love-Storyを語るのに充分なお膳立てはないです(笑)
で、この作品、早く言えば「恋に破れた一人の女性の成長物語」なのですが、、、
それだけには決して終わっていない所が
中々味わい深く、かつ印象深い作品でした。
まずノラ・ジョーンズですが
本当に自然体な演技がとても良かったです。
恋に破れた一人の女性が’人生の荒波に揉まれながら少しずつ成長していく様’を
ある時は自由奔放に、ある時は硝子のように繊細に演じていました。
カフェのオーナー、ジェレミーを演じるジュード・ロウはと言えば
本当に彼らしい良さが上手く出ている役柄で
決して全編出ずっぱりの主役ではないのですが
でも物語の’最初と最後はきちっと締める役得な役’です。
こんな役にジュード・ロウをキャスティングするカーウァイ監督
やはり、ただ者ではないです。
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――ブルーベリー・パイの、ヴァイオレット色に染まる…――
このLove-Storyに大きな深みを与えているのが
ノラ・ジョーンズが旅の途中で出会う人たち、です。
特に’夫に愛想をつかした女’を演じるレイチェル・ワイズ
そして’若く美しいギャンブラー’を演じるナタリー・ポートマンが本当に素晴らしい。
正しくオスカー女優達の卓越した演技力でとても感動的です。
彼女達が…
一人は別れた夫の死
一人は心が離れた父親の死
それぞれに直面して後悔の涙を流すシーンには、思わず胸が熱くなります。
因みに
映画のイメージPhotoとして使用されている《ノラ・ジョーンズとジュード・ロウのKissシーン 》
映画冒頭にも少しそれらしきものが登場します。
が、重要なのはラストシーンの方です。
ノラ・ジョーンズが眠っている場面で、彼がカフェのカウンター越しにそっと…vv
と言う、とっても斬新な場面に出てきます。
このKissシーンからして
正しくカーウァイ監督らしい、意識した’スタイリッシュ’ぶりでしたvv
この映画のキーポイントになるのは「鍵」です。
ジュード・ロウが大きなガラス瓶に入った客達から預かった
「わけ有りの鍵」について語るシーンはとても詩的でロマンティックです。
それと、彼が焼く美味しそうな
でも店では何故かいつも売れ残っている’ブルーベリー・パイ’もvv
ある意味この映画は、この甘酸っぱい’ブルーベリー・パイ’が主役かも?!
そんな思いも抱かせるようなストイックで素敵な作品です。