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落下の王国
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<・・The Fall・・〉
2006年インド/イギリス/アメリカ合作映画
カラー・118分
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【STAFF/スタッフ】
監督&制作.................................................................ターセム
Produced & Directed...........................................TARSEM Singh
製作総指揮...................................アジット・シン&トミー・タートル
Executive Producer.................AJIYT SINGH & TOMMy TURTLE
脚本..........................ダン・ギルロイ/ニコ・ソウルタナス&ターセム
Screenplay By....DAN GILROY. NICO SOULTANAKIS & TARSEM
音楽................................................................クリシュナ・レヴィ
Music..............................................................KRISHNA LEVY
プロダクション・デザイン..........................................ゲド・クラーク
Production Designer............................................GED CLARKE
編集..................................................................ロバート・ダフィ
Editor...........................................................ROBERT DUFFY
衣装デザイン..............................................................石岡瑛子
Costume Designer..............................................EIKO ISHIOKA
撮影..............................................................コリン・ワトキンソン
Director of Photography..............................COLIN WATKINSON
Present...........................................David Fincher & Spike Jonze
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【Cast/キャスト】
ロイ・ウォーカー/黒山賊...........................................リー・ペイス
Roy Walker/The Black Bandit...................................LEE PACE
アレクサンドリア.........................................カティンカ・アンタルー
Alexandria...........................................CATINCA UNNNNTARU
看護師エヴリン/エヴリン姫.............................ジャスティン・ワデル
Nurse Evelyn/Sister Evelyn.........................JUSTINE WADDELL
シンクレア/総督オウディアス..................ダニエル・カルタジローン
Sinclair/Governor Odious.....................DANIEL CALTAGIRONE
アレクサンドリアの父/黒山賊..........................エミール・ホスティナ
Alexandria's Father/Bandit................................EMIL HOSTINA
ダーウィン/病院職員..................................................レオ・ビル
Darwin/Orderly........................................................LEO BILL
インド人/オレンジ農園の使用人..................ジートゥー・ヴァーマー
Indian/Orenge Picker.........................................JEETU VERMA
霊者/オレンジ農園の使用人..........................ジュリアン・ブリーチ
Mystic/Orenge Picker.....................................JULIAN BLEACH
オッダ・ベンガ/氷配達人..............................マーカス・ヴェズリー
Otta/Benga/Ice Delivery Man........................MARCAS WESLEY
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【Nominations&Awards&Music/受賞&ノミネート&音楽】
2006年9月トロント国際映画祭にてプレミア上映
2007年2月ベルリン映画祭出品、同映画祭最優秀長編映画賞受賞
2007年シッチェス、カタロニア映画祭最優秀作品賞受賞
2008年5月オランダ、スペイン、など欧州各国で上映開始
日本では2008年9月6日から関東圏で上映中、以後順次全国上映予定
2000年にジェニファー・ロペス主演の作品⇒『ザ・セル』で
その斬新で摩訶不思議な映像世界を確立させ
映画界でその名を広く知られるようになったインド出身のターセム・シン監督が
24年間も構想を練り、温め、CGは一切使用せず、世界中20ヶ国以上の国々
インド、イタリア・ドイツ、南アフリカ、エジプト、バリ、フィジー
アンコールワットやピラミッド、万里の長城など
各地の世界遺産も含めた’オールロケーションの映像’作品です
そして、ターセム監督彼自身の私財を導入してでの丹精込めて作り上げた
渾身の怪作&傑作です
劇中、映画のオープニングとエンドロールで(モノクロシーン)
ルートヴィヒ・v・ベートーヴェン作曲「交響曲第7番イ長調Op.92 第2楽章」が
それはそれはとても印象的に聴こえてきて
本作のMain Theme的に使用されています
なので、このReviewページのMIDIにも使用しました
尚、曲の詳細については
ベートーヴェンの晩年を描いた映画『敬愛なるベートーヴェン』の中にレビュー&記しています
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【Story&Outline&Impression/映画ストーリー&概要&私的感想】
―――汝、落下を畏れるなかれ、この美しき世界を仰ぎ見よ―――
時は 1915年
映画の撮影中に橋から落ちて致命的な怪我を負い
半身不随となり病院のベッドに横たわるスタントマンの青年ロイ
追い討ちをかけるように、彼は恋人にも去られ、絶望に沈み死を願うようになる…
そんなある時、一人の少女が病室に迷いこむ
少女はオレンジの木から落ち、腕を骨折して入院してきた5歳のアレクサンドリア
もやは自分の力では身体を動かす自由さえも失い自暴自棄になったロイは
彼女を利用して自殺を遂げようと考え、痛み止めの薬(モルヒネ)を
薬剤室から盗んでこさせようとする
そして、アレクサンドリアの気を引くためにロイは思いつきである冒険物語を語り始める
それは6人の勇者が世界を駆け巡り、悪に立ち向かう《愛と復讐の叙事詩》だった……
………………………
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―――それは、絶望の死の果てに訪れる救済と生きる希望―――
本作はターセム監督の2作目の作品になりますが
彼を語るのはどうしても第1作目の⇒『ザ・セル』について触れなければ話が始まりません
『ザ・セル』は2000年USで公開時2週トップを維持した大ヒット映画ですが
同時に大きなセンセーションを呼んだ作品でした
…と言うもの、その斬新で奇妙でそれでいて途轍もなく幻想的な映像美もさることながら
残酷で血生臭いグロテスクな映像シーンも多く
又、Storyもサイコ殺人鬼の精神世界を映像化&探索するという内容
それに加えてラストは
そのサイコ殺人者の心の救いとカタルシスに焦点を置くという作風になっていたので
そう言った点ではバッシングも多く、好き嫌いの別れる至極見る人を選ぶ作品でした
けれどもこの「落下の王国」では
『ザ・セル』のような残酷でグロテスクなシークエンスは殆どと言って良いほど姿を潜めてます
(若干、ラストあたりの戦いのシーン及びアレクサンドリアの悪夢のシーンで
少し『ザ・セル』と重なる不気味なショットがありますが)
なのでずっと一般受けする作品です
むしろ主人公が少女というのもあり
心に深く浸透してくる御伽噺的な寓話に仕上がってて素直に感動することが出来ます
特にラスト30分位からは、ロイとアレクサンドリアが父と娘にシンクロして
見る人の胸を熱くし涙腺を刺激します…
けれども彼の作品の根底はやはり『ザ・セル』と同じく
’ダリやルドン、レメディオス・バロなど、シュールレアリズム絵画の世界’です
端的に言えば’途方もない悪夢’の世界
そしてこの『落下の王国』は’悪夢(絶望)の果ての希望’の世界
彼自身のイマジネーションと
経験から(何年もCM撮影の為に世界中の風景を撮り続けてきた)
土台を築き上げきた現実と幻想が織り成す不可思議で強烈な絵画的世界です
また主人公青年ロイが人生に絶望して死を選ぼうとするくだりの悲壮感と虚無感は
前作の『ザ・セル』と共通します
………………………
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―――アメリカン・エキゾティカ、君は空想の世界で飛び回る蝶―――
『ザ・セル』でもその奇抜で絢爛とした美しい衣装を楽しませてくれた
石岡瑛子の衣装コスチュームが本作で本当に本当に群を抜いて素晴らしいです!
東洋的でもあり、中近東のエスニックと西洋のモダン&ゴージャスな香りもします
それにプラス何時もながら
カラフルで強烈な原色の色彩と奇抜で斬新なデザインに魅了され、目が釘付けになります
CGを一切使用していない’オールロケーション’の迫力映像に度肝を抜かれます!
正しく’世界一周の映像絵巻’で世界旅行気分です
バタフライ礁の遠景シーン…
気持ち良さそうに、象が泳ぐシーン(ニコバル諸島)…
イタリアの古い教会や遺跡シーン…
またこの作品はオープニング&エンドロールシーンで
ベートーヴェンの⇒「交響曲第7番イ長調Op.92 第2楽章」をバックに
チャーリー・チャップリンやバスター・キートン、ハロルド・ロイドのモノクロ映像が多用されています
それは映画スタントマンの主人公青年ロイともリンクしているのですが、ある意味
ターセム監督のサイレント映画への深い’オマージュ’も感じさせられる仕組みになっています
そして、鬼才スパイク・ジョーンズ監督とデヴィッド・フィンチャー監督が制作に協賛したので
彼等の名前もネームロールされています
最後にキャスト
少女アレクサンドリアを演じるカティンカ・アンタルーの自然体の演技が秀逸です
彼女はルーマニア人なので劇中英語文字を勘違いする場面もありますが
彼女の存在自体がこの映画の救世主のようです
青年ロイを演じるのは「上海の伯爵夫人」や「グッド・シェパード」でも
端役ながら脇でキラリと光っていた新進リー・ペイス
エヴリン姫と看護師役のジャスティン・ワデル(吸血鬼映画「ドラキュリア」)も素敵です
この映画は、ヴィジュアル・モンスター 映像の魔術師:ターセム・シンが魅せる
《無限大のカタルシスの世界》です
大画面で見てこそ作品の価値も倍増する稀にみる逸品