中東の核兵器についてイスラエルの核告発者、バヌヌ

2004年9月17日

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ワシントン − 9月17日 − 

米国政府はイランの核開発について要求を続けている。木曜日の午後、国務省のス
ポークスパーソンであるリチャード・バウチャーは「イスラエルの内部告発者、モル
デハイ・バヌヌ」について質問を受け、バヌヌの提案、つまり「イランの核プログラ
ムとイスラエルの核プログラム終結の交換取り引き」を尋ねられた。バウチャーはそ
の提案に対してコメントするのを拒否した。

イスラエルの核能力について質問されて、バウチャーは「それについては判断も推測
もしません。我々は核拡散防止条約に普遍的に忠実であるべきという見解を持ってお
り、それは何度も表明しており、全てのケースに当てはまることなのです」と述べ
た。イスラエルは核拡散防止条約の加盟国ではない。米国政府高官は一貫してイスラ
エルの核兵器工場を認めることを避けてきた。

モルデハイ・バヌヌ vanunumvjc@hotmail.com

バヌヌは1986年、イスラエルの核兵器工場を暴露した。彼はその多くが独房生活で
あった18年の刑に服役した後、2004年4月に釈放された。バヌヌは限られた数のイン
タビューに対応している。彼は今日、次のように述べた。

「米国は、大量破壊兵器に対する戦いの名分でイラクへ侵攻しているが、一方、イス
ラエルのその能力については認めていない。はっきりとすべきことは、イスラエルと
イランを含めた地域の全ての国家が核兵器を持たないことだ」

「1986年、私はロンドンのサンデータイムズにイスラエルの巨大な核兵器工場のこと
を明かした後、ローマでイスラエルによって誘拐されました。私は世界に対し真実を
明らかにしたために18年服役しました。私はイスラエル当局による残酷で野蛮な扱い
に18年間苦しみました。今はいくらか自由を味わうことができてうれしいですが、外
国人に話しかけたり外国に行くことは1年間許されていません。私は米国へ行きたい
のです。そこにはもっと自由があります。イスラエルでは安全を感じません。脅迫さ
れ続けていますし、通りでは裏切り者と呼ばれます。特にクリスチャンとなったため
に平等な権利を持てないのです。ここではイスラエル政府とメディアが私のケースに
ついてとても悪いイメージを作り上げてきました」

「核兵器を持っているためイスラエルはより攻撃的になっています。だから、パレス
チナ人あるいはシリア、レバノン、ヨルダンとの真の平和をもたらすことはないので
す。その核兵器は政治力として使用されています。たとえそれらを使わなくても、核
兵器はイスラエルが欲することを行なうのを助けています。だから国際法も尊重しま
せん。シャロンは国防相だった時、この地域の他のどの国家も核兵器を保有できない
よう、1981年、イラクの原子炉を破壊しました」

最近のバヌヌ氏へのインタビューは下記を参照。
http://www.democracynow.org/article.pl?sid=04/08/18/136217

イスラエルの核兵器工場についての更なる情報は下記を参照。
http://www.msnbc.com/news/wld/graphics/strategic_israel_dw.htm

フェリス・コーヘンジョッパ
メールアドレス: freevanunu@mindspring.com
ホームページ: http://www.vanunu.com/

コーヘンジョッパは「バヌヌ自由のための米国キャンペーン」のコーディネーターで
ある。彼女はバヌヌ氏がちょうどオノ・ヨーコから平和助成金を受賞したことを記し
ている。(次のURLを参照:
http://www.newsday.com/news/local/wire/ny-bc-ny--yokoono-peace0916sep15,0,2694081.story?coll=ny-ap-regional-wire

トーマス・コチラン、tcochran@nrdc.org

天然資源防衛プログラムの核プログラム局長、コチランは『モルデハイ・バヌヌの暴
露とイスラエル国家安全保障の関連性』という文書を著した。


■2004年9月16日の国務省のブリーフィングから

質問:ニュース・レポートによると、ラリー・フランクリンのケースは大体、イラン
に対する大統領の政策と関係がありました。イスラエルの内部告発者であるモルデハ
イ・バヌヌはイランの核プログラムとイスラエルの核プログラム終結を交換取引とす
るよう促しています。そしてご存知のように、エルサレムでそれについての交渉があ
り、もしくはIAEA(国際原子力機関)からのある情報がイスラエル政府に送られまし
た。さて、イスラエルの核プログラムとその終結についての交換取引に関してIAEAの
委員会があったウィーンでの米国の態度はどうだったのでしょう、一体全体…。

バウチャー:それについては報道で推測されますが、それはウィーンでの論点ではあ
りませんでした。ウィーンでの論点はイランが20年近くに渡って核兵器を作るよう設
計された秘密プログラムを持っていたのかどうか、イランは義務を遵守していたのか
どうかです。その義務というのは理事会の議決による要求であり、核拡散防止条約に
よる要求であり、イラン自身の実施要綱にもあることです。私には追加的な実施要綱
の事情は分かりません。しかし条約が要求することとイラン自身がした約束がある
のです。国際原子力機関以前に、国家が現在議論している問題があるのです。

質問:それでは、米国は今や明らかとなっているイスラエルの核プログラムを感じて
いるのでしょうか。それはアヴナー・コーエンがちゃんとした本にも書いていますし、そ
のためにモルデハイ・バヌヌは18年間も獄中で過ごしたのです。彼らが核プログラム
を有しているのは明らかです。米国はそのことがイスラエルの安全保障に絶対的に必
須だと考えているのでしょうか?

バウチャー:それについて私は判断も推測もしません。我々は核拡散防止条約に普遍
的に忠実であるべきという見解を持っており、それは何度も表明しており、全ての
ケースに当てはまることなのです。

質問:しかし、イスラエルは加盟国ではありませんし、加盟することを拒んでいます。

バウチャー:その通りです。我々は全ての国家に対して核拡散防止条約に加盟して、
それを遵守するよう促しています。


原文は下記のURLより

http://www.nonviolence.org/vanunu/20040917ipa.html