2003年6月30日 ハァレツ紙
イスラエル、「偏向」報道のかどでBBCを締め出す
ロイター発

いわゆる最悪の「ナチのプロパガンダ」に似通った報道に関して、月曜日、イスラエルはBBCとの接触を絶つと述べた。しかし、イギリスの国営放送は依然としてユダヤ人国家から報道は可能である。

イスラエル政府高官たちは33ヶ月に及ぶパレスチナ人の独立国家を求めての蜂起についてのBBCの報道を批判してきたが、ある高官は件の核兵器と化学兵器計画についての「イスラエルの秘密兵器」というドキュメンタリーを「忍耐の限界を超えさせるもの」と述べた。

政府プレス事務所(GPO)、外務省、アリエル・シャロン首相官邸はもはや、BBC特派員のインタビューを許可しないか、もしくは大抵の場合、外国のジャーナリストに与えられるサービスも提供しないと、イスラエル高官は述べた。

「BBCがイスラエルについて報道しているやり方は、ナチのプロパガンダの最悪のものに匹敵する」とGPOの所長のダニー・シーマンは述べた。

「それはジャーナリズムの誠実性の装いをもって、イスラエル及びかつて最悪の状況においてなされたユダヤ人たちに対する邪悪な描写に手を貸すものだ」とも述べた。

BBCのスポークスマンは次のように述べている。「我々は自分たちの番組を支持します。イスラエル政府が我々の報道を妨げるかもしれないという対応は遺憾です」

3月にイギリスで放映され、土曜日には海外でも放映されたBBCのドキュメンタリーは、主にイスラエルの核計画に焦点をあてている。しかし、BBCの番組の台本によると、イスラエル軍が2001年2月に新しいガスをガザ地区で使用し、180人がひどい痙攣を起こして入院したことを訴えている。

「番組は我々が国際法を遵守していないことを示そうとしている」とシーマン氏は述べた。

「偏見、また非常に悪意に満ちた見方でイスラエルを描いた一連の番組で明らかな反イスラエルの方針を我々は感じたため、BBCとの全ての接触を絶つ決定がイスラエル政府によってなされた」と彼は述べた。

ジャーナリストが素早く報道許可を受けること、形式主義的手続きを迂回して就労ビザを得てパレスチナ人地域へ行くため軍の道路封鎖所の通過を容易にするといった大抵のジャーナリストには許可しているという援助も、GPOは差し控えると、シーマン氏はインタビューで述べた。

「イスラエルの政策形成への十分な理解が得られ、BBCが職業的かつバランスの取れたやり方で振舞うようになることが確信されるまで、イスラエルはBBCとは協力しないことを続けるだろう」と彼は述べた。

シーマン氏はどうしたらBBCが条件を満足させられるかについて述べることは断った。

BBCのイェルサレム事務所は認可を保持するし、政府の記者会見からは排除されないだろうとシーマン氏は述べた。しかし、BBCは特別の状況説明の場には招かれないだろう。

BBCと英国政府は現在、トニー・ブレア首相の政権がイラクによる大量破壊兵器の脅威を誇張したことについて、互いに攻撃している。

http://www.haaretzdaily.com/hasen/pages/ShArt.jhtml?itemNo=313117&sw=BBC