2004年2月25日 ハアレツ紙

シャロン、バヌヌを行政拘禁せず

ハァレツ記者、ヨッシ・メルマン


イスラエルの核の内部告発者であるモルデハイ・バヌヌは4月に釈放される予定であ
る。しかし、政府は彼を監視するための「確実な管理手段」を講じると、火曜日夜、
アリエル・シャロン首相が決定した。

首相の決断は、検事総長であるメナヘム・マズズによって提出された案に従うもの
で、さらなる国家の安全への侵害を防ぐよう、治安部門がバヌヌを監督するために
「適切な手段」を用いることを認めた内容となっている。

国防相治安部長のヤヒル・ホレフは、バヌヌはイスラエルの核兵器について更に秘密
を暴露するだろうと述べ、彼に厳しい制限を加えることを望んでいた。彼は行政拘禁
を提案していたが、それはシャロンに却下された。

また別に、ホレフはバヌヌを追跡することがより困難であるという理由で、彼に対し
てパスポートの発給を認めず、海外渡航をできなくさせるという案も出していた。し
かしながらマズズは、そのような方法は最高裁の吟味に耐え得るものではないとし
て、その要求を斥けた。

18年前にサンデー・タイムズのためにバヌヌを取材した英国人ジャーナリストによる
と、バヌヌは自らが下級技術者として雇用されていたディモナの核施設での同僚の名
前を明かすことを拒んでいた、とハァレツ紙に述べた。バヌヌは元同僚を危険にさら
したくないし、それについての情報は新聞記事とは関係ないことだと述べていた。

バヌヌ逮捕時のシン・ベット(訳注:国内の治安維持と、国外の大使館、領事館、主
要なイスラエル系の機関など、イスラエルの国外駐在施設の防衛を業務とする。 
ゴードン・トーマス、東江一紀訳『憂国のスパイ』光文社より)長官、また彼を尋問
した1人であるハイム・ベン・アミは、火曜日のチェンネル1の番組「ポポリティ
カ」で次のように述べた。もし、バヌヌが国外に出たら、ヒズボラのような敵対分子
に誘拐されるかもしれないし、もし彼が尋問されたら、知っている全てを話すことを
強いられるかもしれないと。

http://www.haaretzdaily.com/hasen/spages/398214.html