56歳の決意・二輪免許へのチャレンジ
〜めざせ! チョイ悪〜
(小型二輪限定解除)
 

 

昭和48年に125ccのバイクで小型限定の自動二輪免許を取得した。チャレンジがもう少し早ければ現在の大型二輪もすべてOKだった。免許取得後しばらくバイク通勤をしたが、何年目かのある日怖い目にあってバイクをやめた。

しかし、その後何年か経って同じような夢を見るようになった。夢の内容は、小型限定免許なのに大きいバイクに乗り、警察に止められそうになって罪に怯えるというもので、いつも嫌な気分で目が覚めた。いつしか、普通二輪免許を取りたい。大きなバイクに乗りたいという気持ちが募るようになってきた のだ。平成195月中旬、近くに住む弟が、望むなら400ccのバイクを譲るという。このとき普通二輪免許、限定解除 へのチャレンジを決意。

これまで、16歳のときに教習所で練習して軽自動車免許を取得。18歳で普通免許に限定解除、24歳で大型自動車、34歳で自動二輪小型限定免許を取得した。大型はレンタカーの4.5トントラックを借りて造成中の団地道路で練習した。それ以外は、ほとんど練習無しで試験場へ臨み、3度目のチャレンジで免許を取得した。今回は、そうはいかない。400ccのバイクは基本から扱い方を学ばないと危険なのだ。おまけに若いころに比べると運動神経も劣ってきている。ということで、この度は自動車学校へ入ることにした。 そして今回、自分の衰えを思い知らされることになった。

免許取得を決意後、インターネットで自動車学校を探し、近くにある以前次女が通った高陽自動車学校へ行くことにした。

529日(火)入校式、適正検査

6 5日(火)17:30〜講習1
 初めての400ccバイク、大きい。外周、八の字、S字、クランクなど、ざっと慣れるための乗車だったように思う。すべてがぎこちない。力が入りすぎていたのか、終わってから体のあちこちがだるい。

6 6日(水)17:30〜講習2
 初めての日よりも緊張。一本橋が渡れない。クランクも足を着いた。基本が出来ていないとの指摘で更に緊張度がアップし、メロメロ。
で、これじゃいかんということで、612日に弟の指導の下、とある駐車場で八の字、一本橋を練習。 

612日(火)13:20〜補修@
 この日は女性教官で嬉しくなり、少しリラックス。やはり一本橋が・・・。お姉さん、やさしくしてくれてありがとう。

616日(土)16:20〜講習3オートマ講習、19:30〜講習4シュミレーター
 オートマは、操作が簡単でクランクも難なく通過できた。一本橋も何度か成功。シュミレーターは画面を見ていて気分が悪くなった。気分が悪くなる人は多いとのこと。

618日(月)15:20〜講習5
 午後年休で、コースと一本橋を中心に練習。懸命に指導してくれるが、思うようにならない。バイクが体にフィットしていない。619日再び弟の指導で自主練習。この練習バイクは学校のバイクよりも高さがあり、難しい。転倒。起すのに腰が・・・。午後からは仕事上の研究報告もしなければ・・・。つらい・・・。

625日(月)18:30〜補修A
 ベテラン教官から一本橋の再指導を受け、なんとかクリアーできるようになった。
 ここで、つまらない欲を出してしまった。これなら免許センターの試験場でもいけると思い、免許取得手段を変更。最短コースを狙って、というより自動車学校でなく試験場で免許を取得したと言いたかったのである。この見込みが甘く逆の結果になった。

<免許センターへのチャレンジ>
 6
26日に広島県運転免許センターへ受験 予約に行き、下見をした。そして翌週73日(火)13:30から の試験を受けた。
 この日は大型二輪の一人と二人だけの受験で、最高度に緊張し、試験用バイクも一段と大きく見えた。監視カメラに向かって合図してスタートする。緊張からか、外周からSコース、クランクへと進んだところで片足を地面につけてしまった。停車したすぐ後の「○○さん、右へ曲がってスタート地点へ帰ってください」というアナウンスで終了。一本橋どころではなかった。スタート間無しの終了で惨敗。ショック大。絶望。挫折。嫌になった。

712日(木)18:30〜補修B
 ショックから立ち直ってきたこの日の朝、バイクに乗る自分の姿を思い浮かべながら再決意して補修を申し込んだ。練習は良い感触だった。補修後の指導教官の激励「もう1回総合的に練習をして、今週中にカタをつけましょうや」、というコメントで、俄然やる気マンマンになった。試験場なんか行かなきゃよかった。

713日(金)17:30〜補修C
 検定のための細かい指導を受け、検定を受ける許可が出た。「一本橋さえ渡れば何とかなる」と自分に言い聞かせ、夜も何度となくイメージトレーニングをした。

714日(土)13:30〜検定
 午後1時に検定コースの発表があるので、早めに学校へ行った。コースを確認後、集中してイメージトレーニングをし、テンションを高めた。「さあ来い」である。大型二輪の二人と普通二輪の女性、それと限定解除の自分。自分が乗るのは最後だ。他の3人に寒いジョークを飛ばしながら余裕のあるフリをした。

いよいよスタート。やはり緊張した。イメージどおりにいかないと思いつつ、あっという間に一本橋。エーイままよ!とばかりに突入。いける。しかも7秒以上というのが頭に浮かび、もう少し時間をかけてという余裕さえあった。無事着地。ばんざい!あとは踏み切りと坂発進だけ。笑顔でスタート地点に戻った。(本当は引きつっていたのかも)

「足のつま先を横に開かないように」という指導もある程度意識できた。大きなミスはなかったハズ。検定直後の指摘は、「一本橋が安定して渡れるように。カーブではもう少しスピードを落とすように」であった。「もう一度出直してこい」なのか?不安がよぎる。

祈るような気持ちで結果発表を待った。「大型二輪の1番、2番、限定解除の1番、合格」で、バンザイ!でもそこでは喜べない。普通二輪の女性がコールされなかった。「さっきの寒いギャグが悪かったのか?ごめん。」心の中でそうつぶやいた。夫が、父が不合格だったらどう対応しようかと思いながら家で待つ家内と次女に知らせるため、次女あてにメールした。「検定結果      V」と。
 高陽自動車学校の教官の皆さん、本当にありがとう。

717日(火) 8:30〜免許センターにて免許証限定解除
 連休明けの火曜日は休みなので、早速、免許センターへ手続きに行った。免許証用に服装を整え、いつもより男前を上げて行った。が、申請書を出すと、すぐに呼び出すのでそこら辺で待てと言う。しかも写真も撮らない、今の免許証の裏に「限定解除」のスタンプを押すだけとのこと。さんざん苦労したのにこれだけか?粗末な評価に少しがっかり。でも、もう堂々と乗れる。足が地面に届かないカワサキのKLE400

職場デビューでは皆が温かい目で注目してくれた。年配の女性からは「若い〜」の声も。携帯でバイクに手をやる自分の写真を撮ってもらい、ありとあらゆる人に写真メールを送りつけた。

初めての高速道路では、通行料の支払いにとまどった。ハンドルとクラッチとブレーキを操作しながらお金は払えん!ということで、728日(土)安佐南区にあるカワサキショップリアルにバイク用のETCの申込をした。5万円でお釣りが少々。四輪の倍以上。「高いど〜!ETC屋は何を考えとんじゃー」。


                                  つづく
 


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