歯医者へ行こう!  第4回  そこは地獄の1丁目

     ガガガガ〜  ギギギギ〜 ガリッ ガリッ
     機械の音と、カチャカチャという器具の金属音。 ねぇ〜 どうなってんのかなぁ?
     実はにゃおにはこの冠(かん)をはずすにあたって心配なことがあったのだ。
     20年ものの冠(かん)。 しかも腐食してる。 ってことはいったい中はどうなってるんだろう?
     想像しただけでも気持ち悪くなるじゃないの。 おまけにネットのお友達に元歯科助手さんの
     人がいて、その人にこの話をしたら、「冠(かん)を外したら臭いぞぉ〜」って脅されてた(苦笑)
     そう、臭いだろうなぁ・・・ 強烈だろうなぁ・・・ 先生たちはみんなマスクをしてるから
     ちょっとは緩和されるかもしれないけど、同じ治療室にいる他の患者さんたち(その医院には
     3つの診察治療台がある)がさぞかし、嫌な思いをするんじゃないかな???
     もちろん、そんなことは先生たちも予想済みに違いない。 水で洗いながらそれを吸い取りながらの
     作業が続く。 何回かうがいをして、口からかぶせてあった銀歯の残骸らしき物もたくさん出た。
     冠(かん)は外れてるらしい。 でも思ったほど臭わなかったかも。 ちょっと安心のにゃお。

     「それじゃ、鏡を持ってください」
     ほらきた! いよいよ冠(かん)を外した歯と20年ぶりのご対面なわけだ。 これが某テレビ番組の
     再開番組なら、涙のご対面ってとこだろうけど、できればにゃおは一生ご対面したくなかったよ(苦笑) 
     大きく口を開けたにゃおが映る。 問題の歯へ向けて照明が当てられる。

     なんじゃ、こりゃあぁぁぁ〜〜〜〜〜
     (某テレビ局「太陽にほえろ」のジーパン刑事こと松田優作風)

     そこは・・・ 冠(かん)がかぶせてあったそこは・・・ 20年ぶりのそこは・・・
     ・・・何もなかった・・・ そう、長い間腐食したままの役に立たない冠(かん)。 その隙間から
     いろんなものが侵入し、磨くことのできない冠(かん)の中はまさに虫歯菌の温床。 長い時間を
     かけてじわじわと虫歯菌が歯を蝕(むしば)んで・・・ 歯はきれいに溶けてなくなり
     歯があったであろうその場所は、ぽっかりと黒い穴が開いているだけだったのだ。 わずかに
     外側に歯がうすっぺらく残ってるだけ・・・ そこはまさにブラックホール。 削って傷ついた
     歯茎から出血して、どんどんとその穴から染み出してくる。 血の池地獄じゃ・・・ まさに地獄の
     ようじゃぁぁぁ〜〜〜 こんな恐ろしい局面に立たされながらもなぜか、自分の心の中でギャグを
     飛ばすにゃお。 そうでもしないと平静さを保ってらんないよ。 どうするのさ? どうなるのさ? 

     「これね〜 今削ってみたんですけど、ずいぶん深くやられてます。 こっち(口の内側)なんか
     もう全く歯はありません。 根の方までやられてますね。 かろうじてこちら(口の外側)の歯が
     残ってるくらいです」
     もううなずく気力もありゃしない。 どうするの? どうなるの? これ、どうしたらいいのぉ〜?
     「それじゃ、もう少し深く削ってみますから・・・」
     ダメだ・・・ このままじゃ、気を失いそうだよ。 にゃおは気を逸らそうと自分の意識を
     できるだけ歯から遠ざけた・・・

  (ほら・・・気持ち悪くなったでしょ? お願いだからもうこの先は読まない方がいいですよ、ホントに(苦笑))

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