歯医者へ行こう!  第6回  腕の良し悪し

     何をどうしたのかわからないけど、とりあえず土台は入ったようだった。 いかんせん、最後には
     仮の詰め物でフタをされてしまうからどうなっているのか自分では、さっぱり確認することが出来ない。
     土台が入ったということでその一つ奥の歯の虫歯の治療をすることになった。 担当として席についた
     のは初めて見る先生だ。 4年前にはいなかった女の先生。 帽子を被ってマスクをした上に
     メガネだからまったくと言っていいほど人相がわからない。 (だいたい歯医者へ来て先生の顔を
     まじまじと見る人もいないだろうけどね)  だから年齢なんかもちょっとわかんない。  印象としては
     40前くらいかな?

     口を開けてくださいと言われて修理が始まる。

     ・・・・・・い・た・あ・い〜〜〜〜〜〜〜!!!
     こらあ〜  黙って麻酔するなぁ〜  麻酔しますよって言われて打たれるのも怖いけど、
     いきなり打たれたら身構えてない分、倍痛いじゃないよぉ〜  思わず体がピクンとしちまったい(苦笑)
     それにこの先生、口を開けっ放しにさせるんだな。 院長先生(男性)も前に歯石を取ってくれた先生
     (女性)も、ちょっと口から器具が離れる時は、すぐに「噛んでください(口を閉じていていいという意味)」
     って言ってくれたのに・・・(もちろん必要な時は、開けたままにしてくださいと前置きがあった)
     口を開けさせたまんまで何か作業するなよな〜 傍目から見たらアホみたいじゃないかぁ・・・
     でも閉じていいとの指示がないもんだから閉じられないにゃお。
     ああ、喉に唾液がたまって苦しい・・・
     この時期、にゃおは風邪を患っていた。 鼻がつまっていたのだ。 だから口で息をするしかない。
     なのに唾液が溜まったり、ゴックンできないと苦しくてしょうがない。 おまけにこんな時に限って
     なぜか唾液を吸引してくれる助手さんもいないときてる。 あう〜  たしけてくり〜〜〜

     「削りますね」 との言葉のあとで、機械が歯に当てられる。 あうあうあう〜
     麻酔してても痛いよぉ〜  あんなに麻酔を打ったのに何で痛いんだよぉ〜
     と、その時、ゴンッと口の中で音がした。 どうやら機械が滑って他の歯にぶつかったらしい
     その瞬間ににゃおは思った。  「この人、下手だ」
     にゃおは今まで歯医者にかかってもいつも最初から最後まで一人の先生に診てもらっていた。
     こんな風に先生が複数いる歯医者にかかるのは初めてだったのだ。
     こうしてみると上手いか下手かってすごくよくわかるもんなんだ。 何をするにも微妙に下手なの。
     上手く説明できないけど・・・ なんだか安心して任せていられないって感じがするんだよね。
     それから考えると院長先生って上手いんだなぁ・・・ やっぱり腕の良し悪しってあるんだ。

     削った歯の型を取られ終了となったころ、にゃおの唇には異変が起こっていた。
     誰もが経験したことのあるあの異変。 そう、唇に感覚がないのだ。 鏡で見るとなんでもないけど
     本人の気分は「いかりや長介の唇(いかりやさんごめんなさい)」。 ものすご〜く腫れあがってる
     気がしてならない。 おまけに感覚がないから口をすすぐ時でもしっかり閉じてるつもりなのに
     ピュッピュッと水が漏れて四方八方へ飛び散ってしまう。  何度しっかり意識してもダメなのだ。
     いやだぁ〜 この前の大修理してる歯の時だって麻酔を打ったけどこんなにならなかったのに。
     ちょっとは違和感あったけど今日ほどひどくなかったよ。 あの時は院長先生がやったんだよね。
     歯が違うから麻酔を打つ場所も微妙に違うって言えばそれまでだけど、やっぱりなぁ・・・
     下手なんじゃないのぉ〜って疑りたくなっちゃうよね。

     その後、にゃおは夕方になるまで 「いかりや長介」のまんまだった(T_T)

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