にゃおのインフルエンザ予防接種 2  

     電話をかけた日から2日置いた金曜日。 にゃおは子供の手をひいて車を止めた公民館から
     歩いて行く途中にある病院の前を通る時、「今日は、お母さんがここで注射してくるからね」と
     言った。 子供が「泣いちゃダメよ」といっちょまえのことを言うのが可笑しい。

     掲示板でのやり取りの中で、インフルエンザの予防接種を受けた人の話を聞いた。
     その人は、ただの予防接種だと思って気軽に行ったら、ちゃんと胸や背中に聴診器を当てられ、
     のどまで覗かれるという思ってもいなかった診察に戸惑ったというようなことを書いていた。 
     うぬ〜 診察とな?
     にゃおは以前に風疹の予防接種を受けたことがある。 その時は子供を出産した大きな
     総合病院の小児科でちっちゃな子供に混じって受けたのだけど、問診票に記入しただけで
     すぐに接種された。  診察なんか、なかったんだよね。 だけど、今度の病院は小さな個人医院。
     診察を受けたよって教えてくれた人が行ったのも個人医院らしい。 とすると診察するのか?
     こ・・・これは困った・・・

     にゃおは季節を問わず、下着はブラジャーとスリップで過ごす(/o\*)  
     診察で胸や背中を見せるとなると、スリップを着てたら難しいかな? でもスリップなしって
     気持ち悪い。 まぁ、めくりあげるだけでいいか。 おや? 待てよ。 ブラジャーはどうするの?
     外さないといけないのかしら? それとも、それもめくりあげるだけでいいのかな?
     困ったぞ。 普段、見えないからいいやなんて、ちょっとレースがくたびれてたり、ゴムが
     伸び気味のものを着てたりするけど、それじゃ、さすがに恥ずかしいじゃん。 しかも先生は
     男の人。 やっぱり意識しちゃうじゃない(笑)
     にゃおは、その晩、慎重に下着を選んだ。 一目見て、ふっる〜〜〜って言われそうなヤツは
     やめて、できるだけ、こぎれいなものを身につけなくちゃ。 パンツは・・・見られる可能性は
     ないからテキトーでいいや(爆)  
     あとは綺麗に入念に石鹸でゴシゴシ♪  気持ちの問題ってやつだからね。 でも座って向き
     合っての診察なら、もろにこの3段腹を見られちまうな。 少しでも引っ込めておかなくちゃ。
     鏡に向かって、むぅ〜なんてお腹を引っ込めてみたりする。 アホだな。 でも、にゃおもオンナの
     はしくれに、かろうじてぶら下がってるのよ。 ちょびっとは見栄もあるっての(≧∇≦)
     そして翌日、にゃおは保険証を入れると、いつものように子供を保育所へ送って行ったのだった。

     時は戻って・・・
     その帰り道に、いつもなら素通りする病院の前に立つ。 なんか緊張するぞ。
     小さなポーチを上がって、古びた両開きの木の扉を引くと、そこには別世界が待っていた。

     狭っ!!
     これが第一印象。 ほんの畳、一畳分くらいのたたき。 そして三畳分くらいしかない待合室には
     待つための長椅子が両脇にひとつづつ置かれている。 壁中に、所狭しと貼られた医療関係の
     ポスターやお知らせの紙。 すぐ目の前の診察室の入り口は開け放たれていて、 中も待合室を
     一回り大きくした程度の広さだ。 待合室からどこかへ続く廊下がある。 どこかで見た風景だ。
     どこだろう? ひどく懐かしいこの空気・・・ そう、学校の保健室だ!!  木造校舎の保健室
     小学校の時の保健室によく雰囲気が似ている。
     にゃおはしばしタイムスリップしたような気分だった

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