にゃおのインフルエンザ予防接種 4 

     じっくりと壁に貼られた無数のポスターを見ているうちに、あることに気がついた。
     「骨そしょう症を予防しましょう。 ご相談は当医院まで」
     「爪水虫には塗り薬よりも飲み薬が効果的です。 ぜひ当医院にご相談ください」
     これって・・・ 一応、内科が柱で、他に3つの診療科目があったけど、ほとんど総合病院の
     感じだな。 なんでも診ちゃうんだ。 ますます下町の医者って感じ♪ にゃおが感心していると、
     おばさん(どうしても看護婦さんとは言い難い)がインフルエンザの問診票を持ってきた。

     インフルエンザの説明書を読んでみると、65歳以上の人は一回の接種でいいけど
     それ以外の人は2回の接種が必要だと書いてある。 あら〜 2回なのは子供だけじゃないの?
     がび〜ん(-_-メ)  2回も打つんかいな・・・
     自慢じゃないけど、にゃおは注射大嫌いだ。 病院に行かないのも注射が嫌いなせいだ。
     最近の小児科では、滅多なことでは注射はしない。 どんな風邪でも大抵は薬だけが処方される。
     昔は風邪で病院に行くと、すぐに注射をされたものだ。 子供心に恐くて痛くてイヤだった。
     それがトラウマもどきになってる部分もあって、病院=注射=痛い が染み付いている。
     さらに、予防接種の注射っていうのは、どういうわけか普通の注射よりも痛いという話。
     憂鬱だ。 2回もかぁ・・・ そう言えば、インフルエンザの予防接種を受けた人が全然痛くなかった
     って言ってたけど、あれって本当かなぁ。 痛みには個人差があるからなぁ。 にゃおは
     痛がりなのよね。 ううう〜〜〜

     グルグルと考えていると、奥から別の人の気配がした。 どうやら、やっと「センセ」
     登場したようだった。 おばさんがインフルエンザの予防接種がどうのこうのと、にゃおが
     書いた問診票を手渡しながら話す姿がチラリと見えた。 でも「センセ」の姿は、にゃおが
     座っているところからは確認できない。 どんな人かなぁ。 若い先生ってヤダけどな・・・

     体を横にゆするようにして歩きながら、おばさん(もう、おばさんで統一!)が、診察室の
     入り口からにゃおを呼ぶ。 え〜と・・・診察室の扉は閉めなくていいのかな? これだと診察して
     胸をはだけるのに外から丸見えじゃんよ。 そうは言っても今は、あとから来た、おばあちゃん
     しかいないけどさ(* ̄m ̄) プッ  そんなことを思いながら中へ入る。 診察室っていうのが
     これまた狭苦しい。 四畳半あるかないかくらいの広さだ。 その中に診察台らしきベッド、
     「センセ」の机、血圧測定器といった器具がひしめきあっている。 それでも思った以上に
     圧迫感を感じないのは、診察室の二方向の壁がすべて木枠の窓ガラスで、そこから病院の
     裏庭が見渡せるせいかもしれない。 本当に保健室だな・・・ また懐かしい気持ちになる。

     「あ、そこへ座って」
     柔らかな声がして、とうとう「センセ」がその全貌を現した。

     Σ( ̄□ ̄;)!!

     あ・・・あなたが「センセ」ですか? 

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