リョウU(桜文鳥・メス)

先代の文鳥、リョウが死んで、しばらくしてからのこと、誰ともなしに、また鳥を飼おう
いうことになった。 かわいそうな死なせ方をしたからという、わけのわからない
理由だったけど、今度はにゃおが以前リョウを買ったペットショップへ出向き
同じ桜文鳥をもとめたのだった。 その際に前回も文鳥を買ったのだけど
オスを・・・と希望したのにメスだったと告げると、店員はもともと鳥は
オスメスの区別をつけるのが難しいのだと告げた。 
今度こそオスをと希望すると、店員は文鳥がたくさん入った籠の中から
1羽つかみ出して、これはどうですかと聞いてきた。 にゃおとしても
できればハンサムボーイがよかったので、いろいろと顔を見比べて
1羽の文鳥を指差した。 店員はそれをつかむとクルリと裏向きにして
おしりをめくるようにして見た。 オスですね・・・と言って、小箱に入れてくれた。
今度こそ、オスの文鳥を買ったぞ・・・

もともと、にゃお家には鳥類には同じ名前を付けるという傾向があった。
ひろってきたスズメはどれも必ず「チッチ」と命名されていたこともあって
今回も新しい文鳥は「リョウくん2世」にあっさりと決定した。
今度こそは気をつけて、哀れな最後にはするまい・・・そう心に誓った。


この新しい「リョウくん」は、以前のリョウくんほど、特定の人物に懐くことはなかった。
籠から出してやっても勝手に飛び回ることはするけど、
呼んでもそれに応えて飛んでくるようなこともなく、全体的に
先代のリョウよりもレベルが低いようだった。 鳥にも個性があれば、相性もある。
それは仕方のないことなのだとわかっていても、しばらくは
あの人懐こいリョウと比べてしまうことも多かった。

今度のリョウは、あまり愛想のいい鳥ではなかったけど、
なかなか面白い癖を持っていて楽しませてくれた。
羽根を伸ばしてのびのびをする時、なぜか順番が決まっていた
最初に右側の羽根を広げて足も伸ばしたあと、今度は左側を同じように伸ばす。
そのあとで、今度は両羽を上に持ち上げるようにする(人間が両肩を
ぐっと後ろへ引くような格好)のだけど、その時に必ず微かに「ピッ」と声が漏れるのだ。
まるで人間が気持ちよい時に思わず「う〜ん」と言ってしまうような、そんな感じ。
右を伸ばして、「ピッ」、左を伸ばして「ピッ」、最後に両羽を後ろへ
伸ばして少し溜めたような感じで「・・・ピッ」
これが毎回必ず同じ順番で規則正しく繰り返される。 人間でも
靴を履く時は必ず左足から・・・というような癖があるけれど
鳥にもあるんだねぇ・・・なんてみんなで笑ったものだった。


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