2002年 師走の乱 12

     にゃおは主人と相談して、保育所に延長保育を頼むことにした。
     通っている保育所は時間延長保育というものはやっていない。 17時で保育所は閉まる。
     にゃおはいつも16時15分頃に迎えに行くのだけど、今日の状況ではそれまでに
     作業が終わりそうになかった。 じっちゃんの乗って来た車がにゃお家の駐車場の
     前に横付けの形で置いてある。 そこ以外に車が出る道がないので、じっちゃんの車を
     動かさない限り、にゃおの車が出られない。 じっちゃんに車をよけてもらって出たとしても
     帰ってきた子供には、大人がバタバタとしている様子が楽しいものに映るに違いない。
     そこらじゅうに工具が散乱しているから、子供がウロウロすると危ないし、ああだ、こうだと
     言われると煩わしい。 かわいそうな事を言うようだけど、いない方がこちらは助かるのだ。
     理由を話して17時までには必ず迎えに行きますからと断りの電話を入れた。
     よし、これであと2時間近くはO,Kだわね。 それまでに済んでよぉ(^人^;)

     保育所への連絡が終わると、にゃおはレンジフードの掃除に取り掛かった。
     分厚く敷いた新聞紙の上に置いて、レンジ回り専用のスプレー洗剤を吹きかける。 
     少し待つと汚れが溶けて真っ黒な汁がダラダラと垂れ始める。 それをボロ布で
     拭き取るのだけど、拭いてみると汚れの部分は1ミリくらいの厚さにはなっている。
     当然、一度吹きかけたくらいじゃ、汚れは落ちない。 何度もスプレーしては
     こするようにして拭き取る。
     指先が痛いよ。 腕がだるくなってきたよ。 なんでこんなに頑固な汚れなんだよぉ(T_T)

     にゃおがレンジフードの掃除に躍起になっている間、じっちゃんと主人は換気扇の
     本体を入れる穴を縮める作業に四苦八苦していた。 2人の側に居ながら、
     にゃおは自分のことに熱中してしまって、あまり詳しく2人の作業を見ていなかった。 
     だけど、時々、手を休めて眺めていると、なんだか、とんでもないことになっているようだった。
     まず、どうやって穴を縮めるかということだ。 木枠か何かを入り口に取り付けて
     本体がキッチリはまるようにしようという方向らしかった。 本体の一部でも隙間なくはまれば
     後は問題はないのだ。 あとはネジで本体を壁に取り付ければいいのだから。

     ところで木枠をつけるって言っても材料があるの?
     じっちゃんは車に積んであった木材を持ってきて、サイズを測りながらノコギリで切った。
     ぐえっ!! 流しで切るんですか? 
     何も敷かずにそのまま切るから、木屑が流しの中や回りの床に落ちる。 あとで掃除を
     しなくちゃいけないじゃん。 涙がちょちょ切れるよ(ノ_<。)

     じっちゃん:「これじゃ、厚みが足らんねぇ」

     おーい、今度は何ですか?
     にゃお家の台所は流しに面した部分がすべて窓になっている。 レンジフードは今まで
     窓枠の木と、天井と壁の境の木の2本に打ち付ける形でついていた。 今回、新しい
     換気扇のサイズが今までの換気扇よりも一回り小さいから、そのままでは隙間が出来て
     安定した取り付けが出来ないということで、木枠を付けようとしているのだけど、その木材の
     厚みでは窓枠や天井との境の木とツラ(水平)にならないというのだ。 これだと新しい
     換気扇はキッチリと固定できても、レンジフードを取り付けた時に、木枠とレンジフードが
     密着しないで隙間ができてしまう。 そのままだと、その隙間部分から油煙が出てしまい、
     レンジフードの意味がなくなるのだ。(意味わかるかな(汗))
     主人がベニヤ板が家になかったかとにゃおに聞いた。 田んぼの水門用に買った1枚板が
     残っていたからそれを持ってくる。 それを主人がノコギリで木枠サイズに合わせて切り
     じっちゃんは主人が切ったベニヤ板を木枠の上にボンドでく貼り付ける。 ところがまだ
     窓枠の木の方がわずかに木枠よりも張り出しているらしくて、厚みが足りない。
     さらに主人がノコギリでベニヤ板を切り、じっちゃんがボンドで貼る。 なんだか小学生の
     子供が作るヘタクソな工作のようだ。 

     じっちゃん:「こりゃあ、最初から枠を使った方がよかったかもしれんねぇ」
     主人とにゃお:「は?」
     じっちゃん:「こういう作業の時用に、始めから出来合いの木枠ってのがあるんよ。
             でも、こうやって日曜大工で作れば数百円そこらで出来るものが
             既製の木枠を使ったら1200円くらいするけぇね」

     おい、ちょっと待て!! なんでそれを早く言わないのじゃ!
     これだけの面倒な作業をするよりは、1200円かかっても既製の木枠を使った方が
     よっぽど時間の短縮だよ。 時は金なりって言うでしょうが。 それくらいだったら出すのを
     惜しんだりしないぞ。 とりあえず、先に、こういうのもあるけどって言ってくれたら
     よかったのにぃ〜(>_<)  自分が履いていたスリッパを脱いで、思いっきりその
     薄いおつむをはたいてやりたい衝動に駆られるにゃお。 ああ、何もかもイヤぁ!!

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